ログイン 会員登録
おすすめ!

コロナで再び注目を浴びるビタミンD

この記事の執筆者

ごきげんクリニック浜田山

ビタミンC点滴療法や栄養療法のメッカとも言えるリオルダンクリニック(アメリカ)へ研修のため留学。留学中、米国抗加齢医学会の専門医試験に最年少で合格。また米国で開催される国際学会に多数出席し、世界の機能 ... [続きを見る]

2020年はまさに新型コロナウイルスに世界中が翻弄された1年でした。世界を恐怖と混乱の渦に陥れたこのパンデミックは昨年12月中国から始まりました。リオルダンクリニックでの研修を終え、帰国の準備をしていた2月初旬にはウィチタ中のスーパーやドラックストアからマスクがすっかり消えていましたが(アメリカ在住の中国人が本土に送っていたそうです)、その頃はまだ空港でもマスクをしていたのはほぼアジア系で、白人やアフリカ系アメリカ人でマスクをしている人はほとんど見かけませんでした。日本では、クイーンエリザベス号がニュースになり始めていた頃です。

それが今や、世界196の国と地域で少なくとも3500万人以上の人の感染が確認されており、100万人以上の方が新型コロナウイルス感染症によって亡くなっています。WHOによると、これまでの実際の感染者数は8億人以上にも上ると推定されており、未だに世界の多くの人たちが、感染のリスクに晒されています。

世界経済も深刻な打撃を受けており、20年から21年にかけての損失規模は、何と日本のGDPの2.4倍に相当する1300兆円を越えると試算されています。日本経済の成長率もマイナス5.8%で、GDPは7.3%減少、少なくとも6万人以上の日本人が新型コロナに関連する解雇や雇い止めにあっているとされています。

このパンデミックはまだ続きますが、感染を予防し、命を守る手段が、ウイルスの発生から9ヶ月以上が経ち次第に明らかになってきました。今回は、ビタミンDと新型コロナウイルスによる重症化や死亡リスクの減少について、最近の素晴らしい報告を交えてご紹介いたします。

ビタミンDの抗ウイルス効果のメカニズム

ビタミンDは自然免疫と獲得免疫の両方を強化し、また抗酸化作用のサポートと炎症反応の増悪を改善します。

具体的な自然免疫とビタミンDとの関連としては、ビタミンDはマクロファージに結合して抗ウイルス効果のあるディフェンシンやカテリシジンなどの抗菌ペプチドの産生を増加させることで、自然免疫に役割を果たします。この時ビタミンDの産生を刺激するのがToll様受容体なのですが、この遺伝子に変異がありビタミンDを満足に産生できず、さらに新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいことが報告されています。

獲得免疫との関連については、ビタミンDはB細胞の活性化と免疫グロブリンの合成を阻害します。またビタミンDは制御性T細胞を促進させることで、IL-2の産生が抑制されTh2細胞が優位になり、Th1を介したサイトカインやTNFαを阻害することで炎症を制限します。 

これらにより、ビタミンDは一般的に新型コロナウイルスの死亡の原因となるサイトカインストームとそれに続くARDSを予防することができる可能性があります。

最近の臨床試験の結果

9月末に発表されたイランの研究では、ビタミンDが充足している(血中濃度が 30 ng/ml 以上の)患者は、ビタミンDが不足している患者と比較して、54%も重症化のリスクが減り、死亡率も有意に減少していることがわかりました(図1)。30 ng/ml 以上で、低酸素や意識がなくなるリスクが減り、CRPが減少しリンパ球数が高くなりました。死亡率はビタミンDの血中濃度が40 ng/ml 以上で 6.3 %、30 ng/ml 以上で 9.7 %、30 ng/ml 以下の場合 20%と、充足している中でも血中濃度が高い方が、抗ウイルス効果が高い結果となりました。

次に10月初旬に発表されたスペインの研究です。新型コロナウイルスに感染した患者に対して、ビタミンDを投与する群と、投与せず標準治療しか受けない群に分けたランダム比較試験があります。ビタミンDの量としては、1週間で128,000IU もしくは 1日あたり18,000IUが投与されていました。これは大量ですが、安全性は高く保たれていました。

研究の結果は、集中治療室に入る必要性があるかどうかでしたが、標準治療のみの患者では50%が集中治療室に入る必要があったのに対して、ビタミン D を内服した郡では、わずかに2%しか集中治療室に入室しませんでした(図2)。

また、ヨーロッパの国々では血中の平均ビタミンD濃度と、COVID-19によると死亡率に負の相関があることが報告されています(図3)。

ビタミンDの内服方法

一番確実なのは、ビタミンD3を測定し最適レベルになるまでビタミンDを内服することです。ここでビタミンD3を比較的高容量で内服するときには、ビタミンD3により血清のカルシウム濃度が高くなるため、骨や歯など望む場所以外にカルシウムが沈着しない様にビタミンK2を合わせて内服していただくのがおすすめです。これにより、カルシウムの異所性石灰化や血管内プラークへの沈着からの動脈硬化症を予防することができます。

具体的な量としては、成人ではビタミンDが適正レベルに入っていない方が、適正レベルに入るためには、4000IUのビタミンD3を毎日3ヶ月間摂取する必要があります。またこれらは白人が約7割の論文ですので、日本人の様な有色人種は3ヶ月より長く時間がかかります。また肥満のある方やお年寄りの方も、これより長い時間がかかります。

またここで問題なのは、今、目の前にCOVID-19の患者さんがいらっしゃり、急性期の介入としてビタミンDを使用する場合です。その場合は、1-2週間以内に数十万IUのビタミンDをボーラス投与することで、通常、数ヶ月なければ達成できない最適なレベルを、早くに達成することができます。

ビタミンDのサプリメントなどを既に摂取されており、ビタミンDが足りていれば、COVID-19にかかるリスクやまたそれにより死亡するリスクを減少させることができます。

COVID-19のパンデミックが起こるずっと前から、ビタミンCやDがさまざまなウイルス感染症や、それによるARDSや敗血症、またそれによる死亡のリスクから我々を守るということは、様々な基礎研究や臨床研究から、疑いの余地はなく明らかでした。

1958年の研究で既に、ビタミンDのレベルが4 ng / mL 増加するごとに、呼吸器感染症にかかるリスクが7%低下することが報告されています。

11月の大統領選を前にCOVID-19に感染されたトランプ大統領も、この絶対にCOVID-19に打ち勝たないといけない状態で、ビタミンDや他、亜鉛、メラトニンなどを服用していたそうです。

最後に

皆さまも、ぜひご自身のビタミンDも測定されてみてください。そして不足があれば、迷わずビタミンD3とK2を補充されることをおすすめいたします。

十分な量のビタミンDの服用は、我々がCOVID-19に感染するリスク、重篤になるリスク、さらに死亡するリスクを大いに減らしてくれます。そして基本的に非常に安全で、マイナス面はごくわずかです。行動しないことによるリスクは、行動することによるリスクよりもはるかに大きいでしょう。

※本記事は『統合医療でがんに克つVOL.149(2020年11月号)』にて掲載された「リオルダンクリニック通信18」の許可を得た上で一部調整したものです。

前田 陽子 (マエダ ヨウコ)先生の関連動画

同じタグの記事を読む