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こだわり、癇癪、多動・・・子どもの発達障害症状の知られざる2つの原因

最近、こだわりや偏食、不安や癇癪、注意欠陥・多動性……などの症状がある“発達障害(グレーゾーンを含む)”の子どもが増えているといわれています。「生まれつきの特性だから仕方がない」と捉えられがちですが、これらの症状で困っている子どもたちのなかには、別の原因が隠されている可能性があります。

ひとつは脳の炎症が原因で発症する「PANS/PANDAS (パンス/パンダス)」。日本ではほとんど知られていない病名ですが、世界的な医療機関から「新型コロナウイルスをはじめとする感染症をきっかけに発症!罹患者急増」と報告されています。

もうひとつの原因は、脳の土台である脳幹部に残っている「原始反射」。たとえば、音や光に反応してビクッと動く「モロー反射」が残っていると、過敏で不安を感じやすく癇癪を起こしやすくなります。

本当の原因がわかれば解決策が見えてくる――今、子どもたちの苦しんでいる症状を軽減し、その子本来の能力を引き出す治療法を紹介します。

発達障害と捉えると対応を間違えてしまう!

最近、こだわりや偏食、不安や癇癪、注意欠陥・多動性……などの症状がある“発達障害(グレーゾーンを含む)”の子どもが増えているといわれています。

実際、私のクリニックにも、「お子さんは発達障害かもしれません」と言われた、という相談はとても多いのです。

なかには別の病院で発達障害の治療をして薬物療法もしているけれど改善しない、というケースもありますが、その場合、「PANS/PANDAS (パンス/パンダス)」を疑ってほしいと思います。

日本ではほとんど知られていない病名ですが、簡単に言えば、「感染症が引き金となって発症する脳の炎症によって起きる精神神経症状」のことを言います。

脳の炎症が原因で、こだわりや偏食、不安による癇癪・パニック、落ち着きがない、手先が不器用、勉強ができない、ケアレスミスなど、発達障害に似た症状が起きるのです。

アメリカではPANS/PANDASに苦しむ子どもが急増したことを受けて、全米病院ランキング1位のメイヨークリニックが、「世界中で年間9万人の子どもが罹患しているのではないか」と警鐘を鳴らしました。コロナ後に急激に感染症が増え、PANS/PANDASの症例が増えたという報告もあります。

脳の炎症が原因なので、炎症を抑える食生活で症状を改善できる

PANS/PANDASは感染症による脳の炎症が原因なので、炎症を抑える治療で症状を改善することができます。

炎症を抑える治療といっても、大切なのは、毎日の食事と生活環境です。

  1. 体の炎症を起こす食べ物(グルテン・カゼイン・糖質・ヒスタミンを増やす食品)をとらない
  2. カビ毒(マイコトキシン)などの毒素を入れない
  3. 抗菌作用のある食べ物(ニンニク・オレガノ・オリーブ)、解毒食材(薬味・ハーブ・スパイス)をとる

症状がなくなったら、実は、怖がりではない、不器用でもない、勉強も運動おもできる、その子本来の能力を発揮できるでしょう。

「原子反射」が原因のケースも

PANS/PANDASのほか、もうひとつ、脳の土台である脳幹の「原始反射」が原因で症状が起きているケースもあります。

たとえば、原始反射の中の「モロー反射」が残っていると、赤ちゃんが突然の音や光にビクッとなるように、ちょっとした音や光が気になって集中できない、不安になりやすく癇癪を起こしやすい、怖がりで環境の変化に弱いといった傾向があります。

まわりの大人がこのことを知らないと、「怖がっちゃダメ」「集中しなさい」「しっかりしなさい」などと叱りがちですが、「反射」で起こるものですから、子どもにはどうにもならないものなのです。

原始反射を統合させる遊び(モロー反射の場合、モロー反射に近い、両手両足を広げる動き)を繰り返すなかで、しだいに原始反射による困った症状が改善されていきます。

その効果は、発達障害の子どもが学校で通常学級になったり、グレーゾーンといわれていた子の気になる症状がなくなるだけではありません。

クリニックで実践している体操を発達障害といわれる子どもたちに取り組んでもらったところ、運動面や学習面の能力が向上する例が続出したのです。

まとめ

PANS/PANDASだったり、原始反射が残っているために、ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、LD(学習障害)などの「発達障害」とされる病名がついている子どもが増えています。

「体に炎症を起こす食べ物を避け、炎症を抑える食べ物をとる」といった食事や生活環境を整えることで、子どもの脳の状態は整えられ、発達トラブルの改善につながるでしょう。

参考文献

  • 本間良子,本間龍介:PAMS/PANDASの正体 こだわりが強すぎる子どもたち:青春出版社:2024
  • 本間良子,本間龍介:1日2分!脳幹を鍛えれば子どもの才能はどんどん伸びる:青春出版社:2022

 

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