RFケネディ氏が就任した保健福祉省は国立衛生研究所(NIH)、国立疾病管理センター(CDC)、アメリカ食品医薬品局(FDA)などの13の重要な機関を所管する強力な組織です。彼は既に新型コロナワクチンの安全性の問題や医薬品の許認可などの見直しに取り組んでいます。彼は医療がいつのまにか「人の健康よりもお金や企業の利益を優先するもの」になってしまっていると、強く問題提起しています。
<医師と患者のためのオーソモレキュラー医学情報>~RFケネディ氏の提唱とオーソモレキュラー医学の可能性~

ドナルド・トランプ氏が第47代アメリカ合衆国統領に就任して以来、MAGA「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」のスローガンの下に、外交から内政までジョー・バイデン前大統領の政策を大きく転換しました。その政策転換の中で国際オーソモレキュラー医学会が注目したのは合衆国保健福祉省(HHS)の長官に就任したロバート・F・ケネディJr(以下RFケネディ)の掲げるMAHA「Make America Healthy Again(再び米国民を健康に)」でした。
国際オーソモレキュラー医学会では、これらの動きについてどのような立場を取るかを62人の専門家を交えて検討が行われました。これまでに標準医療を中心とした勢力に抑えられていたオーソモレキュラー医学を大きく国民に認知できる絶好の機会としてRFケネディ氏を支援する立場をとる意見と、いやいや歴史的に私たちは政治には関わらない立場であるという意見とに分かれました。
最終的な結論は今回のMAHAをオーソモレキュラー医学における歴史的転換点と捉え、リチャード・チェン氏(オーソモレキュラー医学ニュースサービス編集長)、イルイエス・バグリ氏(国際オーソモレキュラー医学会会長)、ガート・シュイットメーカー氏(同元会長)、私(前会長)ら<写真2>19人の連名で『MAHA革命におけるオーソモレキュラー医学:現代医療の再定義』と題する提言を出しました。以下はこの提言の要約です。

<写真1>MAHAへの提言を出した国際オーソモレキュラー医学会幹部
■私たちはRFケネディのMAHAへ期待する
RFケネディの指導のもと、「MAHA(再び米国民を健康に)」運動に賛同する有力な識者が、現在の医療が本来の患者ケアよりも企業の利益が優先されていると批判し、医療制度の根本的な再評価を求めています。この変革の波の最前線にあるのがオーソモレキュラー医学です。オーソモレキュラー医学は、生化学的なバランスを是正することを真の治癒の基盤と捉え、健康への新たなアプローチを再定義しています。RFケネディの提言は改革への声を増幅するだけでなく、医療業界の歴史的な転換点を示し、「医療業界の膿を出し切り、健康を人々の手に取り戻す」ことを指し示しています。
■利益優先の医療システムとの対決
現在の医療システムは、患者の健康よりも収益の最大化が優先されるという問題があります。識者は、現在の医療モデルが高額な医薬品で、特許や制度による優遇で独占的な治療を推進し、対症療法に重点を置く一方で、根本的な治癒にはほとんど貢献していないと指摘しています。
製薬会社、医療提供者、保険会社の緊密な関係は、利益相反を生んでいます。こうした結びつきは、予防よりも収益を重視する治療プロトコルを生み出し、患者に最適な治療の選択肢を狭めています。改革には、患者の健康を第一に考えるシステムへの転換が不可欠です。私たちは再編成された医療システムでは、患者の健康を中心に据え、革新的な治療法への手頃な価格とアクセスを優先するべきです。
■言論の自由の抑圧を解く
オーソモレキュラー医学が広く普及しない主な理由の一つは、言論の自由の欠如です。主流メディアや出版業界は、統合医療のパラダイムを検閲し、無視する傾向があります。この情報抑制により、栄養療法や統合的アプローチの有益性が一般に広まることが妨げられています。私たちは開かれた完全な言論の自由を確立するべきです。
■オーソモレキュラー医学の役割
オーソモレキュラー医学は、個々の生化学的バランスの是正を通じて健康を最適化することを目的としています。ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの天然物質を使用することで、体の自然な治癒プロセスをサポートし、慢性疾患の予防と治療を目指します。オーソモレキュラー医学は、患者一人ひとりの遺伝的背景、生活習慣、栄養状態を考慮した個別化医療を重視しています。この視点は、「一律の治療法」が主流である従来の西洋医学とは一線を画します。たとえば、ビタミンB群やビタミンC、マグネシウム、亜鉛などの欠乏は、個人によって影響の出方が異なります。そのため、各患者に最適な栄養素を適切な量で補うことが、病気の予防や回復の鍵となるのです。
一部では「オーソモレキュラー医学は疑似科学だ」と誤解されることもありますが、実際には数多くの臨床研究と科学的データによってその効果が裏付けられています。高用量ビタミンCの抗酸化作用や免疫強化作用、ナイアシンによるコレステロール値の改善、ビタミンDの感染予防効果などは、科学文献でも繰り返し報告されています。
■RFケネディの運動が示す未来
RFケネディが提唱するMAHA運動は、医療の在り方を根本から見直し、本来の目的である「健康を守ること」に立ち返ろうとする取り組みです。この運動の根底には、民間の自由意志と選択の尊重、企業の利益よりも人間の健康を優先する価値観があります。彼は、オーソモレキュラー医学や統合医療といった代替的なアプローチを主流医療の枠に組み込み、誰もが利用できるようにするべきだと強く訴えています。その背景には、自身の家族や知人が抱えてきた健康問題、そしてアメリカの医療が抱える構造的課題への深い理解があります。
この運動には、オーソモレキュラー医学を実践する医師や栄養学者、自然療法士、患者団体など、多くの専門家が賛同しています。彼らは共通して、「いまこそ医療は人間中心のものに戻るべきだ」と考えています。健康とは病気の不在ではなく、身体的・精神的・社会的に充実した状態であるという理念の下、真の予防医学の実現に向けた動きが加速しています。
国際オーソモレキュラー医学会は、統合的かつホリスティックなアプローチを採用し、透明性、革新、自由な科学的議論を重視するMAHAに賛同します。
■おわりに
RFケネディの指導のもと進められるMAHAへの運動は、医療業界にとって歴史的な転換点となります。それは日本でも求められていることであり、今の医療を人間中心のものに取り戻すときにきています。RFケネディはこの変革を世界規模で行うことを考えています。現在、私はあらゆるルートでRFケネディ氏に面会を求め、彼に協力をしながら「再び世界を健康に」を実現したいと考えています。
<参考文献>
柳澤 厚生 (ヤナギサワ アツオ)先生の関連動画
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