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新型コロナウイルス予防策としての選択肢

この記事の執筆者

ニューヨーク州立大学元教授。 ニューヨークエンパイア・ステート・フェローシップを二度受賞。分子栄養医学ニュースサービスの創設者・編集長であり、オーソモレキュラー医学雑誌の編集委員を務めている。これま ... [続きを見る]

※本記事は、医学会ニュース『自分なりの新型コロナウイルス予防策を講じようーオーソモレキュラー医学に基づくプロトコルー』をJSOMウェブメディア配信向けに一部改変・編集したものです。【本稿執筆者: Michael J Gonzalez,NMD,PhD】

新型コロナウイルス感染症とサイトカインストームの関連性

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をどのように防ぐか、様々なアドバイスがなされています。手を洗う、消毒液を使う、物理的距離を取る、マスクをする。これらはどれも良い一次予防策です。しかし、どこにでもいるウイルスということは、あらゆる場所に存在するウイルスと言い換えられるでしょう。新型コロナウイルス感染症をもたらすウイルスであるSARS-CoV-2には以下の特徴があります。

  • 感染力が高い
  • 様々な表面上で長時間生存する
  • 変異速度がかなり速い

こうした特徴は全て、人が感染する確率や、通常のウイルス感染症より長時間続く確率を高めるものです。インフルエンザウイルスと同じく新型コロナウイルスも、気道液を介して感染者から人に伝染します。

それならば自分では何をしたら良いのでしょうか。SARS-CoV-2に感染した時、実際に合併症を生じる人のほとんどは免疫系に欠陥があり、その大きな要因として以下の2つが挙げられます。:

1.共存症(肥満、糖尿病、ガン、心疾患)
2.栄養素の不足または欠乏

免疫系は体内における最も複雑な系統の一つであり、適切に機能するには複数の代謝段階を要します。そうした多くの代謝段階には多数の酵素が求められ、酵素には莫大な数の補因子(ビタミン、ミネラル)が必要となります。こうした補因子が最適な量供給されなければ、免疫系は適切な反応ができず、侵入した微生物やウイルスから身を守れません。

SARS-CoV-2コロナウイルスは「カプシド」と呼ばれるタンパク質の殻の上に複数のスパイク(突起)を持つRNAウイルスです。このウイルスのスパイクタンパク質は、細胞表面のレセプター(受容体)としてアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を利用するため、この受容体が多く存在する肺・腸・心臓などの器官に影響を及ぼします。

新型コロナウイルス感染症で最もよくみられる臨床徴候に、下記症状があります。

  • 発熱
  • 呼吸困難

その他にも、咽頭痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛、下痢などの症状が報告されています。また、このウイルス疾患に特有の症状として、嗅覚・味覚の喪失も報告されています。この感染症に伴う重篤・致命的損傷のほとんどは、ウイルスによって誘発されるサイトカインストームによるものです。

サイトカインストームとは、炎症性サイトカインが過剰かつ無制御に放出される状態です。炎症性サイトカインは、細胞組織を破壊する活性酸素種の大幅なアップレギュレーション(上方制御)をもたらします。感染性疾患の場合、サイトカインストームは通常、感染部位から発生し、血流を通して体に広がります。酸素と二酸化炭素とのガス交換が発生する肺胞や、全身に酸素を運ぶ血管系、酸素を輸送する赤血球細胞の損傷が報告されています。

多数の新型コロナウイルス感染症患者には呼吸窮迫や敗血症が確認されています。集中治療と人工呼吸器の必要性ならびに死亡率が高くなるのはこのためです。サイトカインストームを最小限に抑えて組織損傷を防ぐ上で、活性酸素種のスカベンジャー、例えばビタミンCなどの抗酸化物質が重要な役割を担う可能性があります。ただし、その場合、ビタミンCは補充しないとすぐに枯渇する恐れがあります。

組織損傷を防いで死亡率を下げるためには、免疫系がさらに効果的に素早く機能できる状態にしておくことが不可欠です。免疫系の保持・強化が自分の体を守り、結果として感染リスクの低下にも繋がるでしょう。

オーソモレキュラー医学に基づく新型コロナウイルス感染症予防プロトコル

各自がより効果的にウイルス感染症に対処できるよう、免疫系の最適化を目的としたアドバイスをこれからいくつかご紹介します。下記プロトコルは感染を防ぐものではありません。しかしながら、必要な補因子を体に供給することで、感染症の重篤な合併症の多くが改善されることが期待されます。

<食品>

抗酸化物質を豊富に含む自然食品(柑橘類、ヨーグルト、アーモンド、ほうれん草、ニンニク、タマネギ、生姜、ブロッコリー、赤ピーマンなど)を食事でたくさん摂りましょう。同時に以下のことを心がけられると良いですね。

  • 砂糖・単純糖質・精製糖質は控えめにする
  • 加工食品は可能な限り制限する
  • 野菜・果物・ナッツ類を意識的に食べる
  • 水分を十分摂る(体重(kg)を30で割れば1日の摂取量(L)がわかります)
<生活習慣>
  • 8時間は寝る
  • 運動を週3回以上する
  • 音楽を聴く、瞑想、読書などのリラクゼーションを生活に取り入れる
<サプリメント>

免疫を最適化する作用が期待されるサプリメントを摂ることを推奨します。疾患に対する免疫を高める入手可能なサプリメントは多く存在します。

  1. マルチビタミン・ミネラル: 1日1錠
  2. ビタミンC: 1,000 mgを1日3回(お腹が緩くなる場合は減量する)
  3. ビタミンD: 体重に応じて1日2,000~5,000 IU、最初の2週間は1日10,000 IU
  4. 亜鉛: 1日30 mg
  5. マグネシウム: 1日500 mg (リンゴ酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムの形態で)
  6. セレン: 1日200 μg (多くのマルチビタミンサプリメントにも含まれています)
  7. プロバイオティクス: 1日300億個以上
  8. ケルセチン: 1日500 mg
  9. NAC(N-アセチルシステイン): 1日500 mg
  10. メラトニン: 個人の耐性や必要性に応じて1日1~5 mg

その他に、エキナセア、アストラガルス、ロディオラ、マイタケ、シイタケ、ショウガ、ニンニク、エルダーベリー、ビタミンA、リポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンE(4種類すべてのトコトリエノールが入った混合トコフェロール)のサプリメントも良いでしょう。
※自分にはどの種類のサプリメントが必要なのかわからない・サプリメントを飲んだことがない等少しでも不安がある方は、安全に取り入れるためにも専門医へのご相談を推奨いたします。

ビタミンCが“抗ウイルス剤”として機能するのか

ビタミンCは、11もの抗ウイルスメカニズムを持っています。これはつまり、新型コロナウイルス感染症を含むウイルス疾患に対しても第一線の防御策として使用できる可能性を示しています。ビタミンCには、インフルエンザ、肺炎、さらにはポリオも含むあらゆる単一ウイルスへの効果がみられています。新型コロナウイルス感染症は非常に深刻な伝染病ですが、ウイルス感染は宿主の感受性によって大きく作用されます。ビタミンC値の低下によってウイルスへの感受性が高くなることはこれまでの研究によっても実証されています。

ここで強調すべき点をお話しします。重症呼吸器疾患の入院患者の試験では1日当たりわずか200 mgのビタミンCによって80%の死亡数低下がみられています。Dr. Frederick R. KlennerとDr. Robert F. Cathcartは、高用量のビタミンC使用によってインフルエンザと肺炎の治療に成功しています。ビタミンCの高用量投与を広めれば、コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を止められるかもしれません。新型コロナウイルス感染症による死亡の主因は、急性臓器不全とりわけ肺不全(急性呼吸窮迫症候群(ARDS))です。先にも述べたように、フリーラジカルやサイトカインなどの急激な放出により酸化ストレスが増加することは、ARDSの顕著な特徴として挙げられます。これが細胞傷害、臓器不全、そして死にも繋がるのです。

アスコルビン酸の激減が壊血病を誘発する

SARS-CoV-2による体への攻撃の影響はどれも、アスコルビン酸の激減を伴います。疾患によるストレスによって体内に十分なアスコルビン酸がなくなると、体は器官を維持することができなくなる「壊血病が誘発された」状態に陥ります。壊血病では、損傷した毛細血管から出血が起こり、体のいたるところで臓器不全が生じます。アスコルビン酸の激減は、免疫系の機能不全にも繋がります。また、代謝機能の回復ができなくなるため、ARDS、敗血症、多臓器不全といった重症・致死的疾患に至るリスクも否定できません。

すぐに高用量ビタミンC点滴を施せば、誘発された壊血病を解消し、サイトカインストームを食い止め、新型コロナウイルス感染症の危篤患者を救える可能性があります。医療当局は、新型コロナウイルス感染症のワクチンや薬の開発および発見に躍起になっています。一方でビタミンCの使用は、コロナウイルス感染症患者の死因となる重篤な急性呼吸器症候群(肺炎)を治すための既存の有効な治療として臨床的にも実証されています。





<参考文献>

  • Crisci CD, Ardusso LRF, Mossuz A, Müller L(2020) A Precision Medicine Approach to SARS-CoV-2 Pandemic Management.SARS-CoV-2のパンデミックに対処するためのプレシジョン・メディシン(高精度医療)による取り組み)Curr Treat Options Allergy. 2020 May 8:1-19.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32391242

  • Jayawardena R, Sooriyaarachchi P, Chourdakis M, et al. (2020) Enhancing immunity in viral infections, with special emphasis on COVID-19: A review.(特に新型コロナウイルス感染症に重点を置いた、ウイルス感染症における免疫の強化:レビュー) Diabetes Metab Syndr. 14:367-382.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32334392
  • Hemilä H. (2003) Vitamin C and SARS coronavirus.(ビタミンCとSARSコロナウイルス)J Antimicrob Chemother. 52:1049-1050.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14613951
  • McCarty MF, DiNicolantonio JJ. (2020) Nutraceuticals have potential for boosting the type 1 interferon response to RNA viruses including influenza and coronavirus.(インフルエンザとコロナウイルスを含むRNAウイルスに対するI型インターフェロンの反応性が栄養補助食品によって高まる可能性) Prog Cardiovasc Dis 2020 Feb 12. doi: 10.1016/j.pcad.2020.02.007.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32061635
※他参考文献の詳細、本医学会ニュース原文和訳は下記URLよりご覧いただけます。
https://isom-japan.org/news/detail?uid=KYwwQ1593063531