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医療機関におけるビタミンC点滴の活用について

この記事の執筆者

ニューヨーク州立大学元教授。 ニューヨークエンパイア・ステート・フェローシップを二度受賞。分子栄養医学ニュースサービスの創設者・編集長であり、オーソモレキュラー医学雑誌の編集委員を務めている。これま ... [続きを見る]

共同執筆者:柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会 会長)


コロナウイルスに感染した患者が医療機関に助けを求め来院した時、問題となるのは「患者が正面口から歩いて帰宅できる」のか「裏口から帰宅する」ことになるのかということです。高容量のビタミンC点滴を迅速に行うことにより、確実に違いが出ると確信しています。

十分な量のビタミンCを投与した場合の有効性は、豊富な臨床試験により確認されています(1)。ビタミンCの強力な抗ウイルス作用は、数十年にわたり医療現場で実証されてきました(2)。


「ウイルス疾患の治療におけるビタミンC点滴療法の早急かつ高い成功率からして、コロナウイルス感染の最初の対応としてビタミンC療法が最善であると私は確信している」(ビクター・A・マーシャルべガ医師)

「すべての医師がビタミンC点滴療法について知ることはとても重要だ。患者がすでに重篤で病院に入院している場合、ビタミンC点滴療法が彼らの命を救う最善策となるだろう」(カリン・マンスタヘルム医師)

 

※医学会ニュースにも既に掲載済み:https://isom-japan.org/news/detail?uid=auB6O1581070554

ウイルス感染と高濃度ビタミンC点滴

点滴療法研究会(日本)においては、インフルエンザ、帯状疱疹、風邪、風疹、おたふく風邪等の急性ウイルス感染、また突発性難聴やベル麻痺のようなウイルス感染に類似した疾患に対して、12.5g~25gの高濃度ビタミンC点滴を推奨しています。

成人に対して、⑴軽度の初期症状の場合は12.5g のビタミンC、⑵中度~重度の症状には25gのビタミンC点滴を行います。
ウイルス感染の一般的な治療の有無にかかわらず、ビタミンC点滴は通常1日1~2回、2~5日間連続で投与を行います。


⑴【12.5gの場合】・・・投与時間目安30〜40分
蒸留水:125ml/点滴用ビタミンC(50%):25ml(12.5g)/補正硫酸マグネシウム:10ml
ビタミンB群:ビタミジン、パンテニール、シーパラ注射

⑵【25gの場合】投与時間目安40〜60分
蒸留水:250 ml/点滴用ビタミンC(50%):50ml(25g)/補正硫酸マグネシウム:20ml
ビタミンB群:ビタミジン、パンテニール、シーパラ注射


急性ウイルス感染症に罹患した患者の体内では、ビタミンCが枯渇し、活性酸素が増加、細胞の生理機能が低下します。こうした患者には、経口や点滴によるビタミンCの補給が必要になります。体内や細胞内の活性酸素を中和し、生理機能の維持ならびに自然治癒力の向上を図るためです。

もし患者が敗血症に進行した場合、現在行っている治療に加えてすぐにでもビタミンCを投与するべきです(3)。

とある医師のビタミンC点滴への思い

フレッド・フイ医師は、「ビタミンC点滴こそは試す価値のある治療法である」と確信している。また、SARSのようなウイルス性肺炎で入院している患者たちが、通常の治療薬に加え、ビタミンC点滴療法で治療を受けるべきである、と述べている。「私は病院に対し、SARSをすでに発症している患者たちにこの手法を試すべきだと訴えました」とフイ医師は言う。

「一般の人々もビタミンCの体内レベルを上げることで、何も失わずに体調を改善できるのだから試すべきです。ビタミンC は身体にとって最も無害な成分であるのだから」と述べています。

「以前はビタミンC摂取による腎臓結石を心配されたことがあったが、それは仮説的なものであり、実際には裏付けはありません。」フイ医師は自身の臨床経験において、ビタミンC点滴がウイルス性疾患の患者にとって非常に効果的な治療であると実感している(4)。

(以上、2003年5月30日発行:トロントスター新聞記事より引用掲載)

ビタミンC点滴の詳細

さらにビタミンC点滴の詳細を知りたいという方は、リオルダンクリニックの無料ダウンロードサイト(5)から入手可能ですので参考にして下さい。このプロトコルは当初ガン患者向けに作成されましたが、現在では多くの疾患とりわけウイルス性疾患の治療に適応となることがわかっています。

研究と経験から、血中濃度のピークが約20mM(350~400mg/dL)に達する量の投与が最も効果的だと実証されています。(ビタミンC血中濃度が780㎎/dLであっても、酸化ストレスの増加による毒性はみられません。)

主治医は15g・25g・50gとビタミンC投与量を増やし、各点滴の終了直後にビタミンCの血中濃度を測定、これを元に患者の酸化ストレス負荷が最適になるよう以後のビタミンC投与量を決めることができます。

※高濃度ビタミンC点滴の手順は、下記『リオルダンプロトコル』(P16-18)に記載されています。

http://www.doctoryourself.com/RiordanIVC.pdf

https://riordanclinic.org/wp-content/uploads/2015/11/RiordanIVCprotocol_en.pdf





<参考文献>

1. Saul AW (2020) Nutritional Treatment of Coronavirus. http://orthomolecular.org/resources/omns/v16n06.shtml

2. Saul AW (2020) Vitamin C Protects Against Coronavirus. http://orthomolecular.org/resources/omns/v16n04.shtml

3. Marik PE et al (2017) Hydrocortisone, Vitamin C, and Thiamine for the Treatment of Severe Sepsis and Septic Shock: A Retrospective Before-After Study. Chest 151:1229-1238. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27940189

4. Mawhinney J (2003) Vitamin C touted to fight virus. Toronto Star, 30 May
2003. http://www.newmediaexplorer.org/sepp/2003/06/06/vitamin_c_could_be_effective_against_sars.htm

5. The Riordan IVC Protocol is a free-access download at http://www.doctoryourself.com/RiordanIVC.pdf

 

<ビタミンC点滴療法関連情報>



栄養医学はオーソモレキュラー医学。オーソモレキュラー医学では、安全かつ効果的な栄養療法を活用し、病気と闘います。http://www.orthomolecular.org




<編集委員>
Ilyès Baghli, M.D. (Algeria)
Ian Brighthope, M.D. (Australia)
Prof. Gilbert Henri Crussol (Spain)
Carolyn Dean, M.D., N.D. (USA)
Damien Downing, M.D. (United Kingdom)
Michael Ellis, M.D. (Australia)
Martin P. Gallagher, M.D., D.C. (USA)
Michael J. Gonzalez, N.M.D., D.Sc., Ph.D. (Puerto Rico)
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