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オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

自分なりの新型コロナウイルス予防策を講じようーオーソモレキュラー医学に基づくプロトコルー

目次

    執筆: Michael J Gonzalez, NMD, PhD


    (OMNS、2020年6月4日)

     

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をどのように防ぐか、いろいろなアドバイスがなされています。手を洗う、消毒液を使う、物理的距離を取る、マスクをするというのは、どれも良い一次予防策です。しかし、どこにでもいるウイルスとは、あらゆるところに存在するウイルスと言えるかもしれません。新型コロナウイルス感染症をもたらすウイルスであるSars-Cov2は、感染力が高い、様々な表面上で長時間生存する、変異速度がかなり速いといった特徴があるようです。こうした特徴はすべて、人が感染する確率や、通常のウイルス感染症より長く続く確率を高めるものです。インフルエンザウイルスと同じく、新型コロナウイルスも、気道液を介して感染者から人に伝染します。

    それなら自分で何をしたらよいでしょう? Sars-Cov2に感染したとき実際に合併症を生じる人のほとんどは免疫系に欠陥があり、その要因は主に以下の2つのようです:

    1. 共存症(肥満、糖尿病、ガン、心疾患)
    2. 栄養素の不足または欠乏

    免疫系は体内における最も複雑な系統の一つであり、適切に機能するには複数の代謝段階を要します。そうした多くの代謝段階には多数の酵素が求められ、酵素には莫大な数の補因子(ビタミンとミネラル)が必要となります。こうした補因子が最適な量供給されていなければ、免疫系は適切に反応をすることができず、侵入した微生物やウイルスから体を守ることができません。

    Sars-Cov2コロナウイルスは、カプシドと呼ばれるタンパク質の殻の上に複数のスパイク(突起)を持つRNAウイルスです。このウイルスのスパイクタンパク質は、細胞表面のレセプター(受容体)としてアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を利用するため、この受容体が多く存在する肺・腸・心臓などの器官に影響を及ぼします。

    新型コロナウイルス感染症で最もよく見られる臨床徴候は、発熱、咳ならびに呼吸困難です。その他に、咽頭痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛、下痢などの症状も報告されています。また、このウイルス疾患に特有の症状として、嗅覚と味覚の喪失も報告されています。この感染症に伴う重篤・致命的損傷のほとんどは、ウイルスによって誘発されるサイトカインストームによるものです。

    サイトカインストームとは、炎症性サイトカインが過剰かつ無制御に放出される状態をいい、炎症性サイトカインは、細胞組織を破壊する活性酸素種の大幅なアップレギュレーション(上方制御)をもたらします。感染性疾患の場合、サイトカインストームは通常、感染部位から発生し、血流を通して体に広がります。酸素と二酸化炭素とのガス交換が発生する肺胞や、全身に酸素を運ぶ血管系、酸素を輸送する赤血球細胞の損傷が報告されています。多数の新型コロナウイルス感染症患者に呼吸窮迫や敗血症が見られ、集中治療と人工呼吸器の必要性、ならびに死亡リスクが高くなるのはこのためです。サイトカインストームを最小限に抑えて組織損傷を防ぐ上で、活性酸素種のスカベンジャー、たとえばビタミンCなどの抗酸化物質が重要な役割を果たす可能性があります。ただしその場合、ビタミンCは補充しないとすぐに枯渇するおそれがあります。

    組織損傷を防いで死亡リスクを下げるためには、免疫系がさらに効果的に素早く機能できる状態にしておかなければなりません。免疫系を整えて強化しておくだけで、自分の体を守り、感染リスクを下げることができます。各自がもっと効果的な方法であらゆるウイルス感染症に対処できるよう、免疫系の最適化を目的としたアドバイスをいくつか紹介します。下記のプロトコルは、感染を防ぐものではありませんが、必要な補因子を体に供給することで、感染症の重篤な合併症の多くが改善されます。

    オーソモレキュラー医学にもとづく新型コロナウイルス感染症予防プロトコル

    食品:

    抗酸化物質を豊富に含む自然食品(かんきつ類、ヨーグルト、アーモンド、ホウレンソウ、ニンニク、タマネギ、ショウガ、ブロッコリー、赤ピーマンなど)を食事でたくさん摂りましょう。

    • 砂糖・単純糖質・精製糖質は控えめにする
    • 加工食品は制限する
    • 野菜・果物・ナッツ類をもっと食べる
    • 水分を十分摂る (体重(kg)を30で割れば1日の摂取量(L)がわかります)

    生活習慣として:

    • 8時間は寝る
    • 運動を週3回以上する
    • 瞑想する、音楽を聴く、読書するなどのリラクゼーションをする

    お勧めのサプリメント(基本): 免疫を最適化する作用のあるサプリメントを摂りましょう。疾患に対する免疫を高める入手可能なサプリメントはたくさんあります。

    1. マルチビタミン・ミネラル: 1日1錠
    2. ビタミンC: 1,000 mgを1日3回(お腹が緩くなる場合は量を減らす)
    3. ビタミンD: 体重に応じて1日2,000~5,000 IU、最初の2週間は1日10,000 IU
    4. 亜鉛: 1日30 mg
    5. マグネシウム: 1日500 mg (リンゴ酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムの形態で)
    6. セレン: 1日200 μg (多くのマルチビタミンサプリメントにも含まれています)
    7. プロバイオティクス: 1日300億個以上
    8. ケルセチン: 1日500 mg
    9. NAC(N-アセチルシステイン): 1日500 mg
    10. メラトニン: 個人の耐性や必要性に応じて1日1~5 mg

    その他に、エキナセア、アストラガルス、ロディオラ、マイタケ、シイタケ、ショウガ、ニンニク、エルダーベリー、ビタミンA、リポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンE(4種類すべてのトコトリエノールが入った混合トコフェロール)のサプリメントもお勧めです。

    ビタミンCが抗ウイルス剤となることの概要説明

    11もの抗ウイルスメカニズムを持つビタミンCは、新型コロナウイルス感染症を含むいかなるウイルス疾患に対しても第一線の防御策として使用できるはずです。ビタミンCには、インフルエンザ、肺炎、さらにはポリオも含む、あらゆる単一ウイルスへの効果が見られています。新型コロナウイルス感染症は非常に深刻な伝染病ですが、ウイルスへの感染というのは宿主の感受性によって大きく作用されます。ビタミンCの値が低いとウイルスに対する感受性が高くなることは十分実証されています。ここで強調すべきこととして、重症呼吸器疾患の入院患者の試験では1日当たりわずか200 mgのビタミンCによって80%の死亡数低下が見られています。Dr. Frederick R. KlennerとDr. Robert F. Cathcartは、きわめて高用量のビタミンC使用によって、インフルエンザと肺炎の治療に成功しています。ビタミンCの高用量投与を直ちに広めれば、コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を止められるかもしれません。新型コロナウイルス感染症による死亡の主因は、急性臓器不全、とくに肺不全(急性呼吸窮迫症候群(ARDS))です。先にも述べたように、フリーラジカルやサイトカインなどの急激な放出によって酸化ストレスがかなり増すのはARDSの顕著な特徴であり、これが細胞傷害、臓器不全、そして死にもつながるのです。

    壊血病の誘発

    Sars-Cov-2による体への攻撃の影響はどれも、アスコルビン酸の激減を伴います。疾患によるストレスによって体内に十分なアスコルビン酸がなくなると、体は器官を維持することができなくなる「壊血病が誘発された」状態となります。壊血病では、損傷した毛細血管から出血が起こり、体のいたるところで臓器不全が生じます。アスコルビン酸の激減は、免疫系の機能不全にも繋がります。また、代謝機能の回復が不可能となるため、ARDS、敗血症、多臓器不全といった重症・致死的疾患に至るおそれもあります。すぐに高用量ビタミンC点滴を施せば、誘発された壊血病を解消し、サイトカインストームを食い止めて、最終的に新型コロナウイルス感染症の危篤患者を救える可能性もあります。医療当局は、躍起になって新型コロナウイルス感染症のワクチンや薬を模索していますが、コロナウイルス感染症患者の死因となる重篤な急性呼吸器症候群、つまり肺炎を治すための既存の有効な方法として、ビタミンCの使用は臨床的にも実証されています。

    参考文献
    • Crisci CD, Ardusso LRF, Mossuz A, Müller L(2020) A Precision Medicine Approach to SARS-CoV-2 Pandemic Management.(SARS-CoV-2のパンデミックに対処するためのプレシジョン・メディシン(高精度医療)による取り組み) Curr Treat Options Allergy. 2020 May 8:1-19.
      https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32391242
    • Jayawardena R, Sooriyaarachchi P, Chourdakis M, et al. (2020) Enhancing immunity in viral infections, with special emphasis on COVID-19: A review.(特に新型コロナウイルス感染症に重点を置いた、ウイルス感染症における免疫の強化:レビュー) Diabetes Metab Syndr. 14:367-382.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32334392
    • Hemilä H. (2003) Vitamin C and SARS coronavirus.(ビタミンCとSARSコロナウイルス) J Antimicrob Chemother. 52:1049-1050. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14613951
    • McCarty MF, DiNicolantonio JJ. (2020) Nutraceuticals have potential for boosting the type 1 interferon response to RNA viruses including influenza and coronavirus.(インフルエンザとコロナウイルスを含むRNAウイルスに対するI型インターフェロンの反応性が栄養補助食品によって高まる可能性) Prog Cardiovasc Dis 2020 Feb 12. doi: 10.1016/j.pcad.2020.02.007. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32061635
    • Saul AW. (2020) Nutritional treatment of coronavirus.(コロナウイルスの栄養療法) Orthomolecular Medicine News Service. http://orthomolecular.org/resources/omns/v16n06.shtml
    • Hunt C, Chakravorty NK, Annan G, et al. (1994) The clinical effects of Vitamin C supplementation in elderly hospitalized patients with acute respiratory infections.(急性呼吸器感染症の高齢入院患者におけるビタミンC補給の臨床効果) Int J Vitam Nutr Res 64:212-219. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7814237
    • Klenner FR. (1971) Observations on the dose and administration of ascorbic acid when employed beyond the range of a vitamin in human pathology.(ヒトの病理学における単一ビタミンの範囲を超えてアスコルビン酸を用いた場合の用量と投与に関する観察結果) J Applied Nutrition 23: 3,4.http://www.doctoryourself.com/klennerpaper.html
      http://orthomolecular.org/library/jom/1998/pdf/1998-v13n04-p198.pdf
    • Klenner FR. (1948) Virus pneumonia and its treatment with vitamin C.(ウイルス性肺炎、およびビタミンCを用いたその治療) J South Med Surg 110:36- https://www.seanet.com/~alexs/ascorbate/194x/klenner-fr-southern_med_surg-1948-v110- n2-p36.htm 
    • Klenner, FR. (1951) Massive doses of vitamin C and the virus diseases.(ビタミンCの大量投与とウイルス疾患) J South Med and Surg, 113:101-107. https://www.seanet.com/~alexs/ascorbate/195x/klenner-fr-southern_med_surg-1951-v103-n4-p101.htm

    Dr. Klennerの論文はすべて下記に記載・要約されています: