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【報告レポート】新型コロナウイルスに関する報道関係者向け説明会

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]

此度の新型肺炎の世界的な感染拡大が進む中、新型肺炎予防に対する国際オーソモレキュラー医学会としての見解を述べるべく、3月3日に同学会会長を務める柳澤 厚生が報道関係者向け説明会を行いました。本説明会には、各社報道関係者の方々が出席されました。

今回の説明会の主な内容を当日の流れに沿って、一部資料を提示しながらご紹介いたします。

国際オーソモレキュラー医学会・オーソモレキュラー医学について

はじめに当医学会の国際統括本部でもある国際オーソモレキュラー医学会と、オーソモレキュラー医学の定義について簡単にお話ししました。

感染症予防に関するビタミンCの有効性

次に新型肺炎の予防方法として挙げられるうがい等の基本的な対策を振り返った上で、国際オーソモレキュラー医学会として配信したニュースの紹介を行いました。

まずビタミンCの有効性について、これまでまとめたニュースを取り上げながらお話ししました。

◾️JSOMウェブメディア関連記事◾️

1.『コロナウイルス予防・対策』https://isom-japan.org/article/article_page?uid=B732M1580278192

2.『ビタミンCで防ぐ風邪とインフルエンザの集団感染』https://isom-japan.org/article/article_page?uid=Uot3l1557404260

<紹介内容>

①上記記事1『コロナウイルス予防・対策』内で発表しているビタミンCの有効性について

②上記記事2『ビタミンCで防ぐ風邪とインフルエンザの集団感染』内で紹介しているチリ・サンチャゴ市内で実施されたビタミンCの介入試験について

 

※②『ビタミンCで防ぐ風邪とインフルエンザの集団感染』は会員向け記事であるため、参考資料を下記に掲載し、周知いたします。

<資料1>②チリ・サンチャゴ市内で実施されたビタミンCの介入試験について:プログラム内容

<資料2>②チリ・サンチャゴ市内で実施されたビタミンCの介入試験について:有病率推移(1990年度)

<資料3>②チリ・サンチャゴ市内で実施されたビタミンCの介入試験について:有病率推移(1991年度)

<資料4>②チリ・サンチャゴ市内で実施されたビタミンCの介入試験について:結果

その他重要な役割を担う各栄養素の説明

感染症予防の上で鍵を握る、ビタミンC以外の栄養素の説明を過去に行われた研究データを交えながら解説しました。その中でも、特に重要な役割を担う栄養素をご紹介します。

ビタミンD

まず、ビタミンDについての解説から。

【ビタミンD3摂取目安量/日】

  • 2000 IU/日
  • 服用方法:1日5000 IUから開始、3週目より2000 IUに減量する。
    ※5000 IUは125μg、2000 IUは50μgに相当します。

そして、慈恵医科大学、エール大学(アメリカ)、慶應義塾大学医学部付属病院が実施した研究内容をお話ししました。本記事でも、この中からエール大学の研究結果をご紹介いたします。下記スライドをご参照ください。

<資料>血清25-ヒドロキシビタミンD[25-(OH)D]と急性ウイルス性上気道感染症の発症率(エール大学(アメリカ))

亜鉛

<資料>亜鉛摂取目安量/日

感冒で来院した患者に、ビタミンCと亜鉛を投与したフランスの医療機関の治療を例に挙げて説明しました。同治療の結果としては、ビタミンC・亜鉛投与群では有意な風邪症状の早期改善がみられたことが明らかになっています。

食事から取り入れる場合の目安

上記では、サプリメントからの栄養素の摂取をベースにお話ししましたが、

・サプリメント摂取に対しては抵抗がある方
・サプリメントの導入が難しい方

もいらっしゃるかもしれません。その際は、日々の食事からの導入を検討してみてください。

なお、1日の摂取目安量を食事から取り入れる場合の摂取例については、下記2枚のスライドをご覧ください。これらの食品を可能な限り取ることを推奨します。また、2枚目の食事に取り入れる際の献立例も掲載しております。

<資料>食品摂取例(ビタミンC・ビタミンD3)

<資料>食品摂取例(亜鉛・セレン・マグネシウム)と献立例

サプリメント使用時の費用

次に、実際サプリメントを活用する際の費用についての目安をお伝えしました。

3種類の場合

・ビタミンC:3g/35円/日
・ビタミンD:2000IU/20円/日
・亜鉛:22.5mg/39円/日

 =計94円/1日

※この数値は、ネットによる調査で国内大手2社の製品を組み合わせた税込価格になります。

5種類の場合

・ビタミンC:3g/35円/日
・ビタミンD:2000IU/20円/日

+【マルチミネラルとして下記3種】

・亜鉛18mg・セレン90μg・マグネシウム375mg/45円/日

 =計100円/1日

※この数値は、ネットによる調査で国内大手2社の製品を組み合わせた税込価格になります。

医療機関におけるビタミンC点滴の活用

すでに新型肺炎に感染した場合には、下記URLでもご紹介しているビタミンC点滴を推奨します。

[オーソモレキュラー医学ニュースより]
・『医療機関におけるコロナウイルスおよび関連疾患へのビタミンC点滴療法』(https://isom-japan.org/news/detail?uid=auB6O1581070554)

[JSOMウェブメディア記事]
・『医療機関におけるビタミンC点滴の活用について』(https://isom-japan.org/article/article_page?uid=XeBBb1581321517)

中国では臨床試験が開始

ビタミンC点滴療法に関連する動向として、2月11日、武漢大学付属中南病院(中国)は、新型肺炎患者に従来の治療にビタミンC点滴を加えた臨床試験を始めました。また、同月17日に西安交通大学付属病院(中国)が同様に臨床試験の開始を発表しました。

さらに四川大学付属華西病院においては、2月10日より新型肺炎患者を対象としたビタミンD欠乏の有無ならびに予後についての臨床試験の開始も発表されました。

<資料>ビタミンC点滴で中国を支援する国際チーム

最後に

説明会の終わりには、これまでお話ししてきた内容から「新型肺炎とビタミンC」について結論付けました。

以下に2月28日に配信されたダミアン・ダウニング医師とガート・シュイットメーカー医師の署名記事をご紹介し、本報告レポートの締めとさせていただきます。


ビタミンCとCOVID-19コロナウイルス

ビタミンCは免疫システムをサポートします。ビタミンCはウイルスを殺すのを助け、感染症状を減弱します。新型肺炎を治すわけではありません。ですが、ビタミンCは感染の重症度を下げる可能性はあります。もし、誰かに「そんな事実は証明されていないじゃないか」と言われた時は、次の2点を考えた上で判断してみてください。

1.COVID-19は新型ウイルスであるため不明な点が多く、まだ何も証明されていないこと。
2.ビタミンCは、インフルエンザ・肺炎・ポリオなどのウイルスに有効と示されていること。

以上2点を踏まえて、もし「何かを始めたい」と思ったなら、まずはビタミンCを飲むことを推奨します。

そして、もし「新型肺炎に感染したかもしれない」と思ったなら、3〜4時間毎に小さじ1杯のビタミンC(4〜5g)を水に溶かして飲むことを推奨します。ビタミンCを始めとする栄養素は、自分で摂取することが可能です。

 

―未来の薬とは、理想的な栄養であるー(ライナス・ポーリングの言葉)

柳澤 厚生 (ヤナギサワ アツオ)先生の関連動画

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