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専門家が行うストレス対策【第1弾】

この記事の執筆者

ブナの杜歯科クリニック

美容先進国の多いヨーロッパで美容医療とアンチエイジングメディスンを学び、咬合から見る顎顔面美容医療とオーソモレキュラー、統合医療を用いたアンチエイジング美容治療とスウェーデン式予防歯科を専門に行ってい ... [続きを見る]

自己紹介

統合医療と咬合治療と美容医療を並行して行う数少ない歯科医師として海外でのレクチャーも行っています。

世界幸福度ランキングの中で、日本は先進国でありながら毎年順位が低いことをご存知でしょうか。そして新型コロナウイルスのパンデミックにより、自宅で過ごす機会が増えると同時に、家族などの身近な人たちとも気軽に会えなくなった方もいらっしゃると思います。

こうしたストレス過多な今日においては、いかにストレスを解消するかが免疫を上げるためにも重要と考えます。今回は、私が行っている5つのストレス対策をご紹介いたします。

幸福度が低い日本人

国連が発表する150ヶ国以上を対象とした調査・世界幸福度ランキングの中で、残念ながら日本は先進国にも関わらず毎回順位が低く、昨年2021年は56位、2020年は62位という結果だったようです。

そして、あるデータにおいて「自分に価値がある」と思う高校生の割合は、なんと10%以下と出ています。なかには明日食べる物に困っている方もいるとは思いますが、食や住む家、着るものに困ることのない世帯でも幸福度が低いというのは、個人的には栄養素の不足や糖質過剰によるストレス耐性の低さも大きく関係していると考えています。

ストレス対策の必要性

新型コロナウイルスのパンデミックにより多くの人が少なからず影響を受け、リモートワークやオンラインミーティングなどが容易になった一方で、旅行などの娯楽の機会も減り、自宅にいる時間が増えてストレスをより強く感じるようになった方も多いのではないでしょうか。

私の周りでも、お盆休みやお正月休みなどの長期休暇を迎えても「コロナが怖いから帰ってこないで」と両親や祖父母に言われたという話をよく聞きましたし、家族の関係性までもが希薄になってしまったという声も耳にしています。

ストレス対策は免疫力アップにも繋がります。そのため、患者さんが精神科にかからなければならなくなる前に、かかりつけ医である医師・歯科医師がストレス対策を指導していくことも、こうした状況下、非常に重要ではないかと感じています。

私の行うストレス対策

私は普段からできるだけ添加物や糖質を摂らない生活、また16時間ファスティングを行っています。これらに加えて、いくつかのストレス対策を行っていますので、順番にご紹介していきたいと思います。

①ビタミンBコンプレックスの摂取

まず1つ目の対策として、ビタミンBコンプレックスを補給しています。ビタミンB群のサプリメントの摂取によりストレスやうつなどのリスクが有意に減少することを示す研究もいくつかあります。

そもそもTCAサイクル(クエン酸回路)でATP産生をするためには、ビタミンB群が必須です。特にビタミンB1が不足すると、ブドウ糖から分解されて生成されたピルビン酸がアセチルCoAに変換できず、TCA回路に組み込むことができません。

つまり、ビタミンB1が不足するとグルコースはピルビン酸までしか分解されず、蓄積したピルビン酸は乳酸として体内に蓄積し、疲労や筋肉疲労、さらには肩こりなども助長する要因になります。私にとっては毎日のビタミンB群サプリメントが疲労対策として必須になっています。

②メディカルハーブのプレバイオティクス

2つ目は、プレバイオティクスについてお話しします。プレバイオティクスやプロバイオティクスによってコルチゾールの過剰分泌が抑えられるとする研究があります。ストレスによってコルチゾールの分泌が増えることは有名な話ですよね。また、うつなどの精神疾患を持つ患者さんにおいては、総じてコルチゾール値が高いことを示す研究結果もあります。

私は今まで様々なプロバイオティクスやプレバイオティクスを試してきました。その中でも一番効果として実感があったのは、沖縄のハーブやサトウキビバガス(サトウキビの茎を発酵させた粉末)、サトウキビイヌリンなどが入ったハーブサプリメントによるプレバイオティクスです。私の体には最も合っていたようで、毎日お通じがよく出るようになり、肌の調子も変わりました。

そして、気がつけば特に食事制限もせずに5kgほど減量していました。ここ最近はコルチゾール値を測っていませんが、感覚的にもストレスが溜まってイライラすることも滅多になくなり、何より食べても太らなくなったことで大きなストレスから解放されました。

③プラセンタのトリガー注射と食いしばり治療

プラセンタには精神安定作用や自律神経調節作用などがあると言われていますが、よく肩こりや首こりに対してプラセンタのトリガー注射を行っています。私はどうしても首肩が辛いという時にプラセンタ注射を打つようにしています。首肩こりの辛さは大きなストレスになりますし、仕事もはかどらないので一瞬でこの辛さから解放されるプラセンタ注射は、私にとっては欠かせないものになっています。

患者さんでも上腕の筋注で効果の実感が得られなかった方も、トリガー注射では「一瞬で視界が開けるような、スッキリする感じがある」ということで毎月定期的に受けられる方も多くいらっしゃいます。

また、食いしばりや歯ぎしりが強い方の多くが中程度から強いストレスを感じている傾向にあり、総じて肩こりや首こりも強い傾向が見受けられます。食いしばりに対するボトックス治療を行うと、ストレスや精神的な不安なども軽減したという結果が出ています。

振り返ると、私自身も食いしばり治療を行う前はより強くストレスを感じていたように思います。今でも定期的に食いしばりに対してボトックス治療を自分で行っていますが、治療後は顎関節症状もなくなり、頭痛なども解消してストレスも軽減しました。

④マインドフルネス

私は数年前、キックボクササイズをきっかけにマインドフルネスワークアウトというものに出会いました。それからは格闘技のキックボクシングにも夢中になっていますが、マインドフルネスは非常にストレスに対して効果的だと実感しています。

マインドフルネスは心を「今」に向けて脳を活性化させたり、ストレスを溜まりにくくしたり、集中力を高めたりする瞑想です。マインドフルネスには“呼吸の瞑想”と“音に耳を澄ませる”といった2つの方法があります。

私は運動(主にキックボクシング)の前や朝起きた時には呼吸に集中するマインドフルネスを、寝る前は頭を空っぽにして雑念を消して良い睡眠が取れるように音に耳を澄ませるマインドフルネスを行っています。

⑤水中瞑想

これは夏限定で、なおかつ少々危険なやり方かもしれません(笑)

私はスキンダイビング(酸素ボンベなしで潜る、いわゆる「素潜り」)が趣味なのですが、海に行ける時に実践している方法です。死体のようにプカプカ浮いた状態でマインドフルネスを行なった後、ひたすら“無”の状態で目標地点まで潜水します。そこで仰向けになり、地上の光を見つめながら(息を止めた状態で)息が続く限り瞑想を続けます。

面白いことに、少しでも苦しいと思った瞬間、もう心地良さはなくなります。呼吸への意識を逆に飛ばすことで、心地良いストレスフリーな瞬間を味わえます。世界には20分以上息を止めて潜水できる方がいますので、人間の体は本当に不思議なものだと日々感じます。

しかし、この瞑想は慣れていない方には危険な方法なので、決して無理はしないで下さいね。

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