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【国際栄養医学シンポジウム2022連動記事 第3弾】腸腎連関と低蛋白質加工処理玄米

この記事の執筆者

一般社団法人メディカルライス協会/東京農業大学

2022年9月18日、19日の2日間で開催する「国際栄養医学シンポジウム2022(日本オーソモレキュラー医学会 第4回総会)」では、健康・栄養分野において活躍されている著名な講師陣をお招きし、多彩なプログラムをご用意しています。

さらに今回は、初の試みとなる日本オーソモレキュラー医学会ならびに点滴療法研究会の合同開催となります。

JSOMウェブメディアでは本学会の開催に先立ち、各講師の講演内容について順次ご紹介していきたいと思います!第3回目となる今回は、1日目・18日にご講演いただく渡邊 昌先生の「腸腎連関と低蛋白質加工処理玄米」をピックアップし、ご紹介いたします。

増える腎不全患者

1960年頃まで、食事療法は腎臓病患者にとって主流の治療法であった。しかし、同時期に誕生した血液透析器の急速な普及により、腎臓病の終末期は血液透析で、となっている。

1980年以降になると降圧剤や血糖降下剤などの薬剤治療が主となっていくが、透析患者の増加には歯止めがかからず、現在患者数は34万人を超え、毎年4万人の新規患者が発生している。

慢性腎臓病(CKD)患者はuremic dysbiosisを起こし、腸内細菌叢が乱れていることが多い。そのためリーキーガット症候群を起こし、毒素の体内への漏出がIL-6等の分泌を促し、それによる微小炎症の悪化が腎のみか心血管などへも悪影響を及ぼすことがわかってきた。

腸内環境を正すことによって腸腎連関の負のスパイラルを改善するメリットは大きい。腎臓のみを標的とする薬剤治療では、その底にある負の腸腎連関を止められない。

腎機能を保つ新しい食事療法

PLPG(processed low protein genmai)玄米は、原料米の選択から高圧蒸気による表面処理、乳酸菌と酵素液による除蛋白質、衛生的な炊飯とパッキングという一連の技術によって作られた。

このパックごはんは、①エネルギーは白米並み ②蛋白質含量は10分の1以下 ③カリウムはほぼゼロ ④リンは4分の1以下 という低たんぱく白米の長所に加え、⑤食物繊維が含まれる ⑥ɤオリザノールが含まれる ⑦抗酸化能がある といった玄米の良さも兼ね備えている。

これを主食に用いると、以下のメリットも生まれる。

・10gの蛋白質摂取を減らすことができ、副食の献立に余裕が持てる
・普段の食事を家族とする際、おかずは同じ献立で主食だけを変えれば良い

また、一人暮らしの高齢者であっても食事療法に取り入れやすいのも利点と言えるだろう。

結論

 「腸腎連関」を改善する低蛋白質加工玄米は腸内細菌叢の改善により、便秘の解消、短鎖脂肪酸の好影響、そして腎機能保全にも効果が期待できる。詳細については、当日発表する。





※渡邊 昌先生の講演は、9/18(日)15:00より開始予定となっております。

※国際栄養医学シンポジウム2022へ参加ご希望の方は、こちらよりお申し込み下さい。

※講演プログラムの演題は配信日時点のものとなります。当日変更となる場合がございますので、その点ご留意いただきますようお願い申し上げます。

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