ログイン 会員登録

専門医が推奨する冷え症(低体温)予防対策【後編】

女性を中心に「冷え」と「低体温」に悩まされる方は多く、肩こりや頭痛などの体調不良のほか喘息などのアレルギー疾患、糖尿病や高血圧、うつ病などの精神疾患、そしてガンなどの発症や増悪を招く要因となっています。

低体温になると病気になりやすい主な理由として、一つにリンパ球などが不活発になることによる「免疫力」の低下、二つには酵素が不活性化することによる「代謝」の低下が挙げられます。

現代においてはコンクリートに囲まれた都市環境、絶え間ないストレス、運動不足、お風呂に浸からずシャワーで済ませる人の増加、冷蔵庫の多用や栄養バランスの乱れといった食生活の問題が影響し、低体温の人は増加傾向にあります。

このような冷えや低体温を改善するためには、有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動、ぬるめの半身浴や手浴・足浴、あるいはビタミンやミネラル・抗酸化成分などの栄養素をしっかり含んだ野菜や果物(とりわけ根菜類)をたっぷり食べることが有効です。



(前編はこちらよりご覧ください)

脱・低体温の3つのカギ

前回は冷えと低体温が続くことによるリスクや、低体温になる原因についてお伝えしました。今回は、低体温を克服して健康を得るための大切な3つのポイントに焦点を当て、それぞれ詳しくご紹介したいと思います。

1.運動

まず、低体温を改善するための大切な取り組みとして「運動」が挙げられます。適度な運動をすることで、体には以下のような変化が生じます。

①筋肉量の増加
②血流の改善
③代謝の活発化

そして、①〜③の結果、体温が上昇します。体温が上がれば、糖尿病や高脂血症、肥満といった生活習慣病の治療および予防にもつながります。また、免疫力の向上により感染症やガンなどの予防にも役立つ可能性があります。

では、どのような運動が効果的なのでしょうか。肥満防止目的で運動をする方によく勧められるのは「有酸素運動」です。有酸素運動には下記のような運動が該当します。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • 水泳 など

有酸素運動によって脂肪の燃焼が促進され、肥満の解消や血糖値の低下が期待できます。しかし、「有酸素運動だけではなかなか痩せない」「効果が実感できない」という方が多いのも事実です。

その限界の突破口となるのが「無酸素運動」です。無酸素運動は“比較的短い時間に筋肉を強く収縮させて行う運動”を指します。無酸素運動には次のような運動が該当します。

  • スクワット
  • プッシュアップ
  • 腹筋運動 など

こうした無酸素運動を繰り返し行うことで、筋肉内での代謝が活発となり脂肪の分解が促進されます。より効率良く運動したい場合は、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせることが有効です。

有酸素運動の前に無酸素運動を行うことによって脂肪が燃焼し始めるまでの時間を大幅に短縮させられます。具体的には、運動を開始してから5〜10分ほどで脂肪が燃焼し始めます。

無酸素運動で筋肉を鍛えることで体温が上昇するため、免疫力および抗酸化力が上がり、先ほどもお話ししたように感染症やガン・動脈硬化の予防にも貢献する可能性があります。

また、筋肉だけでなく骨も丈夫になるので、骨粗鬆症や疲労骨折の予防にも役立ちます。

2.入浴

低体温の改善においては「入浴法」も外せない重要なポイントです。体を芯から温める正しい入浴法とは、39~40℃ほどのぬるま湯にゆったりと浸かることです。これほどの温度であればしっかり温まりますし、火傷などの心配もありません。

さらに、手足先が冷えやすい方には「手浴」や「足浴」の併用をお勧めします。これは洗面器などに42~44℃くらいの少し熱めのお湯を張り、手足を5~10分ほど浸ける方法です。

また、半身浴・手浴・足浴を問わず、湯に天然塩やショウガの絞り汁、ミカンの皮などを入れるとさらに保温効果が高まります。体温を上げる際の役立ちアイテムとして是非活用してみて下さい。

3.食事

続いて食生活について考えてみましょう。体を温める食事と言えば、一つには文字通りに「温かい食事」が挙げられます。この場合の「温かい食事」は以下のような食べ物を指します。

  • 鍋物
  • 味噌汁
  • 温かいごはんやそば など

また、自然栽培の良質な野菜や果物にはビタミンやミネラル、抗酸化物質などが豊富に含まれており、免疫力や代謝・抗酸化力を向上させるなど体にとっても良い働きがあります。食材に豊富に含まれるビタミンなどの栄養素によって体内で化学反応が進み、代謝が活発となり体温も上がります。

体を温める代表的な食材としては、

  • ショウガ、ゴボウなどの根菜類
  • シイタケなどのキノコ類
  • 昆布、ワカメなどの海藻類
  • ゴマやナッツ類 

などが挙げられます。なお、白米より玄米、精白小麦よりも全粒小麦で作ったパンの方が体を温めますし、栄養素も豊富に含んでいます。こうした「自然な旬の食材」で構成された食事を日常的に意識して摂ることで、自然と体は温まってくるものです。

まとめ

最後に今回の要点をまとめると、

  1. 「適度な運動を行う(無酸素運動と有酸素運動を上手に組み合わせる)」
  2. 「湯船に浸かる・足浴などを活用する」
  3. 「温かい食事や旬の食材を取り入れる」

となります。これらを取り入れることで、冷えや低体温のみならず日々のストレスも自ずと解消されていくかもしれません。

こうして免疫力と代謝・抗酸化力が向上し、ひいてはガンや慢性疾患にも負けない体と心が形作られるのです。