インシリコ(コンピューターモデリング) 研究では、新型コロナの予防と治療に役立つハーブ (トゥルシー(ホーリーバジル)、ハルディ(ターメリック)、ギロイ、黒コショウ、ショウガ、クローブ、カルダモン、レモンバーム、アシュワガンダ、シャタバリ、グドゥチなど) に存在する一連の植物化学物質と薬理活性物質の有益な役割が調査されました。
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新型コロナとアーユルヴェーダ〜Timeless Science of Life〜【後編】
アーユルヴェーダは、5,000 年以上の歴史を持つインド発祥の伝承医学です。
チャラカサンヒタ、スシュルタ、アシュタンガフリダヤなどのアーユルヴェーダ古典医学書には伝染病やパンデミックの貴重な経験、治療法、予防法、食事療法や過ごし方が記録され、それを「ジャナパドワムサ」と呼んでいます。
「ジャナパドワムサ」とはコミュニティや集落の破壊・消滅を意味し、それを機に伝染性の高い病気が発生し、太古の昔から人類を荒廃させてきました。特にチャラカやスシュルタのような古代著名なアーユルヴェーダ医は「ジャナパドワムサ」について明確に説明しています。
<目次>
(1)はじめに
(2)アーユルヴェーダによるパンデミックの原因
(3)新型コロナに対するアーユルヴェーダ的視点
(4)アーユルヴェーダハーブの役割とエビデンス
(5)家庭でカダ煎じ薬を作る方法
(6)サマリー
後編となる今回は上記目次の(4)〜(6)、主に新型コロナ予防・治療に応用できるアーユルヴェーダの役割についてお話しします。
(4)アーユルヴェーダハーブの役割とエビデンス
その結果、「重要なドッキングスコアを持ち、SARS-CoV-2 感染における様々な段階や他コロナウイルス標的タンパク質を阻害する可能性がある」と証明しました。さらに分子ドッキングは、これらのハーブに存在する植物化学物質が重要な抗炎症特性を持っていることを示し、新型コロナや季節性感染症にも役立つことがわかりました。
感染者のウイルス増殖の様々な段階で干渉し、個人の免疫力を高め、ウイルスの重症度の抑制に役立ちます。これらのハーブは安価で入手でき、「カダ」という煎じ薬として手軽に摂ることができます。個人の体質や症状に合わせたハーブをブレンドしたものを適量摂ることでドーシャの悪化を防ぎ、疾患を遠ざけることも期待できます。
アメリカではコロナ禍をきっかけに、ホームレメディーとして人気が出ました。
(5)家庭での「カダ煎じ薬」の作り方
ここで「カダ煎じ薬」の作り方をご紹介したいと思います。
<免疫力と消化力強化カダ>
- 所要時間:20〜25分ほど
- 数量:2人分
手順
-
鍋に3カップの水を入れて沸騰させます。同時にショウガ、黒コショウ、クローブ、シナモン各小さじ1杯分をすり鉢などでペースト状にします。
-
水が沸騰し始めたら、これらの材料をトゥルシー(ホーリーバジル)の葉と一緒に水に加えます。この混合物を中火で約20分間、または水の量が半分になるまで煎じます。
-
混合物を濾(こ)し、出来上がりです。
※蜂蜜やジャガリー(サトウキビが原料の無精製の砂糖)をプラスし、風味を加えることもできます。
摂取に最適な時間
摂取のタイミングは朝の空腹時がおすすめです。咳などの症状が辛い場合は、1日2回のカダの摂取で気分を良くすることができます。
ただし、感染症が長引く場合や再発し続ける場合は、医師に相談する必要があります。
(6)サマリー
新型コロナに対するアーユルヴェーダの役割に関する決定的なエビデンスはまだありませんが、利用可能な補助的なエビデンスは、アーユルヴェーダが感染の予防と緩和に潜在的な役割を果たしていることを示しています。
アーユルヴェーダの主な目的「swasthasya swastya rakshanam」(健康な人の健康を維持し、二次的なウイルス感染を起こさせないこと)が、新型コロナに打ち勝つ最善の方法だと考えます。
コロナ禍にある現在、従来の治療アプローチにアーユルヴェーダの健康を維持するためのライフスタイル介入の追加効果について、緊急に調査する必要性を示唆しています。そして、アーユルヴェーダ文献に記録されているパンデミックの根源「アダルマ」の項目に対し、この状況を回避するために1人ひとりが人間性を考えて行動する必要があります。
何千年にもわたり先人達が伝染病やパンデミックを生き抜き人類を存続させてきたように、この危機を乗り越えられるのか。「将来の全ては現代人の在り方で決まる」と、アーユルヴェーダの記録は残しています。私はそれが為されることを願っています。
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