アーユルヴェーダは予防接種を避けておらず、実際に少量の蛇毒を体内に入れることでヘビの咬傷の毒を中和する予防療法が現代のワクチン接種の概念へと成長しています。
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アーユルヴェーダ〜ワクチン接種前後にできるケア〜
アーユルヴェーダは予防接種を否定しておらず、実際に少量の蛇毒を体内に入れることでヘビの咬傷の毒を中和する予防療法が現代のワクチン接種の概念へと成長しています。
そして現代医学では、ワクチン接種は望ましくない病気を予防するための安全な方法と証明され、世界的な予防接種の取り組みの広がりによって、伝染病のほとんどが根絶されています。
しかし、全ての人が予防接種に積極的でない場合もあります。とりわけ今回の新型コロナウイルスワクチンのように急速な開発で承認されたワクチンは、多くの未知数を生み出しました。実際に、私自身も接種に関して多くの方から相談を受けました。
こうした背景もあり2020年12月1日、米国での接種解禁日に合わせ『31 Days COVID-19ワクチンプロトコル』を準備することになったのです。
<目次>
1.はじめに
2.COVID−19ワクチンへのアーユルヴェーダ的視点
・主軸案
・基本アドバイス
3.アブソリュート バランス アーユルヴェーダ
―『31 Days COVID-19ワクチンプロトコル』ケアプラン
A.食事療法
B.食事プラン
C.ホームレメディ
D.ハーブ療法
E.経過
4.ワクチン接種スムーサー「グドゥチ」
・グドゥチとは
・グドゥチの10の利点
・ワクチン副反応緩和の“チーフハーブ”としての役割
5.まとめ
はじめに
そして現代医学では、ワクチン接種は望ましくない病気を予防するための安全な方法と証明され、世界的な予防接種の取り組みによって伝染病のほとんどが根絶されています。
しかし、全ての人が予防接種に積極的ではない場合もあります。とりわけ今回のように急速な開発で承認された新型コロナウイルスワクチンは、多くの未知数を生み出しました。私自身もワクチン接種に関する多くの相談を受けました。そこで2020年12月1日、米国での接種解禁日に合わせて『31 Days COVID-19ワクチンプロトコル』を準備することになりました。
このプロトコル参加者は米国、欧州、インド、日本在住の全年齢グループの男女、白人、黒人、ヒスパニック、アジア人です。同プロトコルは現在も提供を続けています。
COVID-19ワクチンへのアーユルヴェーダ的視点
アーユルヴェーダの中心的な哲学は強力な免疫により病気や外部刺激からの抵抗力をつけることで、そのための体の強化として「ラサヤナとヴァジカラナ」(若返りと媚薬)療法を取り入れます。
接種に備えて、体調を万全にするサポートと接種後の免疫の過剰反応トランジッションを穏やかにし、副反応の原因を回避するための『31 Days COVID-19ワクチンプロトコル』を考案しました。
体が望ましくない刺激にどのように反応するかの確認については、『Center of disease control & Prevention』(参考:CDC)によるCOVID-19ワクチン成分表および接種の禁忌・注意事項を参考にしています。対象ワクチン生産元はファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソンです。
主軸案
心身ともに健康である時はオージャス(活力)が豊富でアグニ(消化力)が安定し、アーマ(未消化物、毒素)の堆積がありません。ワクチン接種前後はこの状態に整え、ドーシャの安定を保つことで副反応を回避する、あるいは最小限にするとの考えです。
特に接種者の免疫がタンパク質や添加物に過剰反応しやすいなどの既往がある場合は、事前にピッタとヴァータ、テジャス(1)のバランスを整えておくことが必須です。アーユルヴェーダの理論でみると、それらがバランスを崩した状態での接種によって、以下の症状に見舞われる可能性があると考えられます。
- 発熱
- 局部の炎症
- 頭痛
- ショック症状
- 脳神経異常
- 五感異常
- 疲労
- 吐き気 など
また、どのドーシャが影響を受けるかによっても接種後の副反応の発現速度も変わってきます。人によってタイムラインが異なるのと同様に、直後の症状、数日後・1週間後、1ヶ月後あるいは1年以上経過してから発現する症状など、バラつきがあるのはそのためです。
(1)テジャス:テジャスはピッタ ドーシャの一部です。細胞知性の炎で、私たちの内なる輝きを生み出します。 テジャスは、食べ物を消化する能力だけでなく、私たちの全ての経験・出来事・思考の消化にも関与しています。より高い知覚の発達を支配し、物事を正しく理解し判断することを可能にします。
テジャスが強い時:心は安定して強くなり、勇気・識別力・決意を持つことができます。その反面、強くなりすぎると支配的・独裁的・攻撃的になります。
テジャスが弱い時:騙されやすく過度に消極的で、目的や勇気さらには明確な目標もなく、精神的に鈍くなり、受け身になる可能性があります。
基本アドバイス
特にワクチン接種前後は、人体に害を及ぼすような汚染された環境を可能な限り避けましょう。(汚染された水・空気、騒音 、電子機器にできる限り近付かない など)
また、抗酸化物質が豊富な食品を食べる一方で、悪い食品の組み合わせを避ける、体質に合ったオイルを塗る、マッサージする、運動する、瞑想する、マントラを唱えるなど健康的なライフスタイルと、食事の時間、日中・夜間・季節のリズムに従うことを推奨します。
アーユルヴェーダの通常のホームレメディーと、今回推奨した手順を始めていただくことで、CDCが公開している副反応を軽減するためのサポートが期待されます。
アブソリュート バランス アーユルヴェーダ
アーユルヴェーダは一人ひとりの体質に合わせたアドバイスや治療を行うため、問診脈診や舌診察などからその方に合ったハーブ、オイル選び、食事療法、エクササイズやヨガのプログラムなどを独自にカスタマイズしますが、なかでも今回は一般的な方法をご紹介させていただきます。
『31 Days COVID−19ワクチンプロトコル』ケアプラン
<対象者>
対象は全ての年齢グループで、性別・人種・接種回数は問いません。健康な方だけでなく、免疫システムが低い方、敏感な方、自己免疫疾患や糖尿病、高血圧といった様々な生活習慣病をお持ちの方に有効です。
<目的>
接種後反応を複雑化することなく、予防接種をよりスムーズかつ安全に行うこと。
- オージャス(生命エネルギー、活力を指す)を豊富にする
- 質のいいアグニ(消化力)のキープ
- アーマ(体内毒素)の除去
- ドーシャ(特にピッタとヴァータ)&テジャスのバランスを保つ
<回避する症状>
- 痛み
- 高熱
- 頭痛
- 吐き気
- 疲労感
- 下痢
- 免疫過剰反応
<実施日程>
開始接種15日前―接種日―継続接種後15日
A.食事療法
<期間中避けるべき食品>
- 精製小麦粉
- 酸味の強い食べ物
- 揚げ物
- 発酵食品
- 生の食品
- 豆類(消化に時間がかかるため)
小麦、肉(特に赤身の肉)、精製糖などは消化が難しい食品です。これらの食品は消化の火(アグニ)を大幅に減少させ、粘液や毒素(アーマ)を生成します。揚げ物も消化が難しく、ヴァータが高くなります。肉類を食べる場合は、白身肉(チキンやターキー)のみに制限する必要があります。魚を食べる場合は、海水魚ではなく淡水魚が好ましいです。
トマトや全ての酸味の強い果物(オレンジ、パイナップル、レモン、グレープフルーツなど)、唐辛子などの辛い香辛料や酢などの酸っぱい食べ物は、体内のピッタと熱を増加させ、アグニ(消化力)の質が低下します。特にトマトには注意が必要です。
ヨーグルト、アルコール、チーズ(特に古くて固いもの)などの発酵または発酵を促進する食品、発酵パン、醤油、ビールなどの酵母を含む食品を含む全ての発酵食品は、本質的に酸味に属すためピッタを増加させます。腸内にピッタと熱が多くなると発酵が倍増し、ガスが発生してアグニ(消化力)が低下します。
B.食事プラン
- 生より加熱したものを食べる。
- 重くて乾いた固い食べ物よりも、温かく水分量の多い食事を取る。
- ミルクをフルーツ、はちみつ、肉、魚と混ぜない。
- はちみつは加熱しない。
- お腹が空いた際、最後の食事が消化された時 (3~4時間後) のみ食べる。
- 消化液 (アグニ)の希釈を避けるために、飲み物は食事の10分前または30分後に飲むのが望ましい。
- 1日の規則正しい時間に食事をするように心がける。
- 夜遅くまで食べず、就寝1~2時間前には胃にものを入れないこと。
- 期間中5~7日は緑葉野菜と野菜のみ食べる日を設定する。(1日3~5回、お腹が空いたらいつでも緑葉野菜と野菜でできたものを食べて、それ以外は何も食べない)
- コーヒーや紅茶は1 日最大2杯まで。
C.ホームレメディ
先にも述べているように、アーユルヴェーダでは病気と闘う上で、優れた処理をするためのしっかりしたアグニ(胃関連の火)が重要な役割を果たすと考えます。ですから、日頃から新ショウガを食べ、ジンジャーティーを飲むことをおすすめします。
他にはミントティー、シナモンティー、フェンネルティーなども有効です。以下に、自宅で簡単に作れる「免疫調整ティー」のレシピを記載しますので、参考にしていただければと思います。
<家庭で手軽な免疫調整ティー>
材料:
- バジル (トゥルシー なければイタリアンバジルで代用) 10枚
- 新鮮なショウガ 5cm
- ターメリックパウダー 小さじ1/2
- シナモン スティック 5cm
- カルダモンパウダー 小さじ1/2
- ブラックペッパーパウダー 小さじ1/4
作り方と摂取法:
- 材料全てを200mlの水で5分ほど煮出し、温度が下がったもの(ぬるま湯程度)を朝起き抜けに飲む。
D.ハーブ療法
次にハーブの組み合わせと、その用途についてご紹介します。なお、FDA認可ハーブのみ処方しています。
<処方フォーミュラ (1) >
1.材料:
- グドゥチ
- 甘草
- ザクロ
- カルメグ
- クタジャ
- ショウガ
2.飲み方:1日2回 食後2錠
3.症状:全身の痛み、慢性感染症(ウイルスおよび細菌)、免疫不全、経路の欠乏、虚弱免疫機能障害、過敏症、アレルギーなど
4.効果:全てのアグニス(消化器炎)を調節し、栄養素の吸収と食欲を高めてアーマ(毒)を消化し、過剰なピッタを排除します。 全ての組織(特にラサ)に栄養を与え、バラ(強さ)および活力を改善し、体重のバランスを保ちます。オージャス(活力)と免疫力アップ、細菌やウイルス(特にヘルペス)に効果があります。
<処方フォーミュラ (2)>
1.材料:
- ウコンの根茎
- グドゥチ
- シャタワリ(シャタバリ)
- 甘草
- 白ウコン(紫ウコン)
- トリカツ(Trikatu)
2.飲み方:1日2回 食後1錠
3.症状:自己免疫疾患、扁平苔癬などの皮膚病、自己免疫成分を伴う肝炎、甲状腺の問題(バセドウ病と橋本病)、潰瘍性大腸炎とクローン病
4.効果:免疫調節特性
免疫系に対する刺激、バランスおよび矯正効果。 特に免疫細胞の炎症プロセスを軽減します。
<処方フォーミュラ(3)>
1.材料:
- バコパ
- アマラキ
- ショウガ
- アシュワガンダ
- 甘草
- シナモン
2.飲み方:1日2回 食後1錠
3.症状:コレステロール血症、高血圧症(高血圧)、記憶喪失、アルツハイマー病・認知症、白血病および活発な成長あるいは腫瘍のない他の癌
4.効果:抗酸化
フリーラジカル(肝臓と代謝機能を損ない脳と神経組織を攻撃し、消化管の酵素活性を阻害して炎症プロセスを促進する)を除去します。コレステロールを減らして神経系を保護し、免疫力を高めます。 (ラサヤナ)
E.経過
アーユルヴェーダのライフスタイルと食事の推奨事項を組み合わせて、COVID-19ワクチンの『31 Days COVID-19ワクチンプロトコル』に取り組まれた方からの目立った副反応の報告は現在のところなく、一定の効果がみられます。
また、接種後副反応がみられた方々が接種後ケアのみに参加されるケースも多くありますが、順調に回復されています。現時点でワクチン接種回数は最大4回までの方に提供しています。
ワクチン接種スムーサー「グドゥチ」
ここで抗酸化物質が豊富な「グドゥチ」というハーブの働きについて、主な利点とワクチン接種後の副反応軽減に対する役割についてお話しします。
グドゥチとは
グドゥチはアーユルヴェーダで大変有名なハーブで奇跡的な物質(テルペン、グリコシド、アルカロイド、ステロイド、フラボノイドなど)の成分を含みます。フリーラジカルと戦う可能性のある抗酸化物質が詰め込まれたグドゥチは、毒素の除去、血液の浄化、バクテリアとの戦い、肝臓病や尿路感染症との闘いに役立ちます。
グドゥチは本質的に解熱剤でデング熱、豚インフルエンザ、マラリアなどの生命を脅かす病気の徴候や症状を軽減することができ、新型コロナ治療にも使用されています。
自然で安全な薬草療法であるため深刻な副作用はありませんが、ごく稀に便秘や血糖値が低下することがあります。そのため糖尿病がありグドゥチを長期的に摂取している場合は、血糖値を定期的に監視することをおすすめします。 また、妊娠中・授乳中の方はグドゥチを避けてください。
グドゥチの10の利点
グドゥチの主な作用は、以下の通りです。
- 免疫力を高める
- 慢性熱の治療に役立つ
- 消化を改善する
- 糖尿病(特に2型糖尿病)の治療に役立つ
- ストレスと不安を軽減する
- 呼吸器系の問題と戦う(特に抗炎症効果)
- 喘息症状を軽減する
- 関節炎を治療する(リウマチ含む)
- 視力を改善する
- 老化の兆候を軽減する(アンチエイジング特性)
ワクチン副反応緩和の“チーフハーブ”としての役割
グドゥチは、ワクチン接種後の副反応軽減に不可欠な免疫調節剤です。
「体を守る者」と伝承され、外部から侵入する物質・病原体・添加物などにより悪化した血中のピッタの全ての状態に役立ちます。また急激な変化で悪化するヴァータと神経系全般を落ち着かせます。その特徴は、ワクチン接種の副反応を穏やかにします。
グドゥチは米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けており、USDA(米国農務省)に認可されたものも増え始め、品質が向上しています。用途はジュースやカダなどのホームレメディーからプロフェッショナルフォーミュラまで多様化されています。
まとめ
不幸が世界中に広がる中、新型コロナワクチンにおいてもベネフィットとリスクが報告されながら実施されています。こうした状況下で、誰もが予防措置に焦点を合わせながら最善を尽くせる豊富な選択肢と環境が用意されているのが理想的でしょう。そしてこの点は、現代医学もアーユルヴェーダも同じだと思います。
大きな変化の時代に生きている私たちは、日々情報を入手しながらお互いを支え合って、時にはアーユルヴェーダの知恵も利用し、人々の健康で豊かな生活を維持することが重要です。そのためにも、いつか日本でエビデンスが取れるような研究にアーユルヴェーダケアプランが参加できる日が来ることを願っています。
そして環境が予測不能の未来に対し、引き続き状況に対応できる体制で様々な治療家の方々と難題に取り組み、この危機を乗り越えたいと思っております。
最後に、今回ご紹介した内容は私がクライアントに提供しているアーユルヴェーダの全体論的実践と新型コロナウイルスワクチン接種を統合したアプローチの一部です。他にも様々な取り組みがあると思います。これを機会にアーユルヴェーダに興味を持っていただき、世界中のアーユルヴェーダアプローチに触れて頂くきっかけとなれば幸いです。
※アドバイスを含むこのコンテンツは一般的な教育としての情報を提供しています。実際お試しになる場合は、資格のある専門医またはかかりつけの医師にご相談ください。
<参考文献>
- Recommended Immunization Schedules – HealthyChildren.org
- General Recommendations on Immunization (cdc.gov)
https://www.cdc.gov/vaccines/vac-gen/additives.htm
https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/clinical-considerations/interim-considerations-us.html#safety-mRNA
https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/clinical-considerations/interim-considerations-us.html#contraindications
- Medicinal and Beneficial Health Applications of Tinospora cordifolia (Guduchi)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28260522/
- Bal Pandavas – Animated Stories – Duryodhana & Dusshasana – video Dailymotion
- Vaccines of Traditional Healthcare (sciforschenonline.org: Other ayurvedic immune-boosters or ‘natural vaccines
- Andrographis paniculata
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jnatprod.0c01324 - World Health Organization. COVID-19 vaccines.
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/covid-19...,
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