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新型コロナとビタミンDの相関関係

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]

当ウェブメディアではこれまでも新型コロナウイルスの感染や重症化を抑えるためにビタミンDが有効であることを示す情報を配信してきました。また、国際オーソモレキュラー医学会では2020年1月、新型コロナウイルスのパンデミックが生じた早い段階から新型コロナウイルス感染予防にビタミンC、ビタミンD、亜鉛などの摂取を推奨してきました。現在では、新型コロナウイルス感染に対するビタミンDの有用性については世界的に認知されてきています。

ビタミンDが不足すると新型コロナウイルス感染リスクが高まる(シカゴ大学の研究)

ビタミンDと新型コロナウイルス感染に関して、近頃注目される論文が発表されました。それは、先月9月3日に公開された米国医師会雑誌(JAMA)電子版に発表された「血中ビタミンDが低い人は、そうでない人の1.76倍も新型コロナウイルスに感染しやすい」という米国シカゴ大学の研究です。(1)

研究者らはシカゴ大学電子医療記録データより、2020年3月3日〜4月10日の間にCOVID-19の抗体検査を受け、さらにその1年前から2週間以前までに血中ビタミンD測定歴のある合計489名の患者データを抽出しました。なお、これらの患者の中には骨粗鬆症などの治療目的によりビタミンDを投薬されている人も含まれています。

上記489名の患者のうち、ビタミンD欠乏(<20ng/ml)は124名(25%)、正常287名(59%)、低下78名(16%)でした。また、COVID-19の検査で陽性だったのは71名(15%)でした。新型コロナウイルスに罹患したのはビタミンDが正常な人で12.2%、欠乏している人では21.6%と増加傾向を示しました。すなわち、ビタミンDが欠乏している人は正常な人と比べて1.76倍新型コロナウイルスに罹患しやすかったのです。同研究者らは「ビタミンD不足は新型コロナウイルス感染の危険因子である」と結論付けています。

米国医師会雑誌(JAMA)は米国内の医師のみならず世界中の医師が購読している雑誌であるため、掲載される論文の影響力は大です。





<参考文献>
(1) Meltzer DO et al.: Association of vitamin D status and other clinical characteristics with COVID-19 test results. JAMA Netw Open. 2020;3(9):e2019722.https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2770157

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