ビタミンDと新型コロナウイルス感染に関して、近頃注目される論文が発表されました。それは、先月9月3日に公開された米国医師会雑誌(JAMA)電子版に発表された「血中ビタミンDが低い人は、そうでない人の1.76倍も新型コロナウイルスに感染しやすい」という米国シカゴ大学の研究です。(1)
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新型コロナとビタミンDの相関関係
ビタミンDが不足すると新型コロナウイルス感染リスクが高まる(シカゴ大学の研究)
研究者らはシカゴ大学電子医療記録データより、2020年3月3日〜4月10日の間にCOVID-19の抗体検査を受け、さらにその1年前から2週間以前までに血中ビタミンD測定歴のある合計489名の患者データを抽出しました。なお、これらの患者の中には骨粗鬆症などの治療目的によりビタミンDを投薬されている人も含まれています。
上記489名の患者のうち、ビタミンD欠乏(<20ng/ml)は124名(25%)、正常287名(59%)、低下78名(16%)でした。また、COVID-19の検査で陽性だったのは71名(15%)でした。新型コロナウイルスに罹患したのはビタミンDが正常な人で12.2%、欠乏している人では21.6%と増加傾向を示しました。すなわち、ビタミンDが欠乏している人は正常な人と比べて1.76倍新型コロナウイルスに罹患しやすかったのです。同研究者らは「ビタミンD不足は新型コロナウイルス感染の危険因子である」と結論付けています。
米国医師会雑誌(JAMA)は米国内の医師のみならず世界中の医師が購読している雑誌であるため、掲載される論文の影響力は大です。
<参考文献>
(1) Meltzer DO et al.: Association of vitamin D status and other clinical characteristics with COVID-19 test results. JAMA Netw Open. 2020;3(9):e2019722.https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2770157
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