- 個別の病気
- 治療法・栄養
会員限定
ビタミンCで防ぐ風邪とインフルエンザの集団感染

目次
チリのサンチャゴ市の体育施設の合宿所では、10日間の運動プログラムを導入しています。そこに参加する学生のウイルスによる上気道炎症状に対し、ビタミンCの介入試験が行われました。
1990年、463人の学生がこの10日間プログラムに参加しました。ウイルスによる上気道炎症状か否かを医師が診断し、解熱剤もしくは感冒薬を服用させました。入所期間中の有症率の減少はみられず、新たな発症も認められていました。
1991年には252人の学生が参加しました。入所時に上気道炎症状がある場合は、ビタミンC1gを1時間毎に6回、翌日からは同量を1日3回投与しました。一方で、特に症状のない学生にはビタミンC1gを1日3回投与しました。すると、入所期間中の有症率は徐々に減少し、10日目の最終日にはついにゼロとなったのです。
1991年にビタミンCを投与した学生の風邪の諸症状は、対症療法のみを施した1990年と比較すると85%減少しました。
この研究結果から、ビタミンCによる風邪症状の緩和・発症予防効果が明らかになりました。合宿所のような環境では感染が広がりやすいですが、ビタミンCは集団感染を抑える効果があります。すなわち集団でビタミンCを摂取することで、発症時の症状が緩和されるだけでなく、仮にうつされたとしても、その後の症状が出にくくなると考えられます。
家族全員で毎日1g以上のビタミンCを補給すれば、家庭内での感染予防効果も期待できます。
この記事についてより詳しい解説と根拠となる資料や文献は会員サイトでお読みいただけます。
柳澤 厚生 (ヤナギサワ アツオ)先生の関連動画
同じタグの記事を読む