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栄養療法と生活習慣の改善が認知機能を回復:カリフォルニア大学の発表
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認知機能が低下するアルツハイマー病の増加は社会問題となっていますが、未だ有効な治療法はありません。カリフォルニア大学ロサンゼルス校・Mary S. Eastonアルツハイマー病研究センターのデール・ブレデセン医師は、認知機能を回復させる新しい包括的治療プログラムを開発し、その成果を医学誌Agingに発表しました。
プログラムの内容には、“糖質制限”“ヨガ・瞑想”“毎日8時間の睡眠”“運動”そしてサプリメントの摂取などが含まれています。サプリメントは、ミトコンドリアの機能改善・酸化と炎症の抑制・さらには集中力と記憶力を高めるためにビタミンC、ビタミンD、クルクミン、EPA、DHA、亜鉛、αリポ酸などを検査結果や症状に合わせて個別に投与します。
ブレデセン医師は、認知障害患者10名にこのプログラムを実施しました。その結果、かなり進行したアルツハイマー病の患者1名には無効でしたが、残りの9名についてはプログラム開始3〜6ヶ月以内に自他覚的な認知機能の改善が認められました。認知機能障害で離職した6名は、この論文を発表する時点で全員が職場に復帰していました。その後1年半の経過観察期間内において認知機能の悪化はなく、安定した状態を維持していたのです。
ブレデセン医師は、そもそもアルツハイマー病が多様な代謝異常によって発症していることから、「単独の薬剤では効果が少なく、多方面から包括的かつパーソナルな治療をすることが必要である」と述べています。この包括的プログラムは、まさに認知障害におけるオーソモレキュラー栄養療法です。
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