夏目:「春の旬の食材を使用すること」「効率良く食材の栄養を摂取できること」「安全性の高い食材を使用すること」「盛り付けた時の彩りもきれいであること」「手軽に作れること」に重点を置いて考えてみました!
- 治療法・栄養
- レシピ
【レシピ】鮭のジンジャー味噌マリネ~春野菜を添えて~
ー東日本大震災を振り返るー
連動配信記事『食事とサプリメントによる放射線被曝対策』(https://isom-japan.org/article/article_page?uid=nHBQR1583816693)では、被曝対策のために大きな役割を担う栄養素が取り上げられています。今回、こちらの記事をもとに管理栄養士である夏目 綾香さんがオリジナルレシピを考案してくださいました。今夜の一品にいかがでしょうか。
レシピのコンセプト
材料(4人分)
- 鮭の切り身・・・4切れ
- 添え野菜(菜の花、ゴボウ、サツマイモなど)・・・適量
- 白味噌・・・1/2カップ
- みりん・・・大さじ1杯
- メープルシロップ(もしくはアガベシロップ)・・・大さじ1杯
- しょうが(みじん切り)・・・大さじ1杯
- すり白ごま・・・大さじ1杯
- ごま油・・・小さじ1杯
手順
- グリルを温めておく。
- 白みそ、みりん、メープルシロップ、しょうが、すり白ごま、ごま油を混ぜ合わせてマリネソースを作る。
- 鮭を(2)で10分程度(片面5分程度)マリネする。
- 鮭の皮目を上にして焼き、色が付いたら上下を返す。鮭を裏返す度にマリネソース(この時、盛り付け用に少量残しておく)を回しかけながら、中火で10分焼く。※グリルがない場合はフライパンを使用して静かにソテーする。
- 残りのマリネソースをかけ、添え野菜と一緒にお皿に盛り付けて完成。
▶︎夏目のワンポイントアドバイス「2で作ったみそマリネソースは冷蔵で3日程度もちます。魚介類はもちろん、豆腐やテンペにもマッチしますよ」
<添え野菜>
菜の花:
①菜の花を茎・葉の部分に切り分ける。
②先に水に塩ひとつまみを入れ、沸騰後に茎を入れる。1分ほど経ったら葉を加える。
③1分後、ザルに開けて冷水で冷やす。最後に水を切る。
ゴボウ:
①皮をむいて水に浸ける。▶夏目のワンポイントアドバイス「ゴボウは皮の近くに香りや旨味が多いので、皮はこそげる程度にむきましょう」
③水200mgに対し、酢大さじ1/2を入れて沸騰させる。沸騰後は弱火で3分ほど茹でる。
さつまいも:
1cmほどに輪切りにする。塩をひとつまみ加え、沸騰後に中火で5分ほど茹でる。
放射線対策に効果的な栄養素
【今回のレシピに含まれる栄養素】
- メラノイジン・・・本レシピ該当食材:味噌。外部被ばく・内部被ばく共に防護作用がある。
- アルギニン・・・アミノ酸の一つ。損傷したDNAを修復する、自己免疫力を高める補助的作用がある。
- フコイダン・・・本レシピ該当食材:ゴボウ・ごま。水溶性の食物繊維。がんの抑制に作用。免疫力を強化する。
- カリウム・・・本レシピ該当食材:ゴボウ・サツマイモ・菜の花。ミネラルの一種。夏野菜(かぼちゃなど)に多く含まれる。セシウムの吸収を抑制する。
- ビタミン類(特にビタミンC)・・・本レシピ該当食材:菜の花。アンチエイジングやガン予防にも注目されている。活性酸素対策としての抗酸化成分を含む。
▶︎夏目のワンポイントアドバイス「菜の花は3月にビタミンC含有量が最も多くなります。この時期に積極的に摂りたいところです」
【その他の栄養素】
次に、今回のレシピには含まれないものの、大事な役割を担っている栄養素をご紹介いたします。
- ジピコリン酸・・・納豆などに含まれる。金属イオンと結合する力が強い。ストロンチウムやコバルトと結合し排出する。
- ヨウ素・・・海藻類(昆布やわかめなど)に多く含まれる。放射線ヨウ素の侵入を阻止する。
- カテキン・・・緑茶に含まれるポリフェノールの一種。活性酸素対策・抗がん対策に。
▶︎夏目のワンポイントアドバイス「上記を踏まえると、わかめのお味噌汁なども良いですね」
調理時のススメ
放射線は体に熱毒を与え、膵臓や体表を損傷します。チェルノブイリ原発事故からの被曝割合は、内部被ばくが94%と圧倒的でした。しかし一方、食べ物からの被曝も5%とゼロではないのが気になります。そこで最後に放射線対策を考えた時、①おすすめできる食材と②あまりおすすめできない食材をお伝えします。食材を選ぶ際のご参考にしていただけたら幸いです。
(1)おすすめできる食材
- 米ぬか
- 酢
- 豚肉
- 鶏肉
- 豆類
- ごま
(2)あまりおすすめできない食材
- 牛肉
- マグロなどの大魚
- 乳製品
- 小麦
- きのこなどの菌類
- ベリー類
- 山菜類
上記で挙げた食材は、セシウムが付着しやすいものです。とは言っても、全て排除するのはなかなか難しいですよね。
対策として、流水(野菜の水さらしは冷水を使うこと)洗浄、タワシを使用したこすり洗いがあります。これはセシウムには高温で熱してもほぼ減らない一方、水に流れやすい性質があるためです。また、セシウムは酸に溶けやすいので、この性質を利用し、きゅうりの酢漬けなどもおすすめです。また、安斎 育郎先生(立命館大学名誉教授・放射線防護学の専門家)は、あく抜きやゆでこぼしも放射線除去には有効とお話しされています。
同じタグの記事を読む