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ワクチン接種前、私たちが「今」できること【前編】

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]

新型コロナワクチンの接種がスタートしましたが、全国民がワクチンを打てるまでにはまだ時間がかかりそうです。
そこで今回は「ワクチンを待っている間に自分ができること」についてまとめてみました。

・ワクチンを打つまで、自分なりの予防を行いたい方
・ワクチンを打つことができない方
・ワクチンをできる限り打たずに対策したい方

に特にご覧いただきたい内容となっています。

こんな時代だからこそ、自分でできる対策を始めていきませんか?

 

新型コロナワクチンの現況と問題点

2021年2月17日、日本でもいよいよ新型コロナウイルス感染(以下「新型コロナ」と省略)予防のためのワクチン接種が始まりました。ワクチンは、パンデミックを抑え込む切り札として大きな期待を持たれています。とはいえ、全ての国民がワクチンを受けられるのは当分先のこととなりそうです。ワクチン接種の順番は最初に医療従事者、続いて重症化リスクの高い高齢者、基礎疾患を有する人、その後に一般成人となっています。

しかしながら、海外製ワクチンの入荷は予定よりも遅れているのが現状です。4月2日までの1ヶ月半に1回目のワクチン接種を受けたのは91万3千人でした。これは日本の15歳以上人口の1.2%です。このままのペースでは全ての国民にワクチンが行き渡るのは早くても今年秋頃、あるいは来年にもつれ込む可能性もあります。そうなると、ワクチンの順番が来るまで私たちはじっと耐え忍ぶことになります。

「ワクチン打てば全て良し」ではない

また、ワクチンを打てば全て問題は解決するのかというと、そう単純な話ではありません。ワクチンも万能選手ではないのです。

なお、国際オーソモレキュラー医学会では「ワクチンはパンデミックを抑え込む強力なツールの一つではあるものの、未知のウイルスに対してワクチンの力のみに任せ切るのは科学的にも常識的にみても無理がある」と考えています。ましてや変異種の度重なる出現や感染拡大が生じている現況において、先の見通しは困難です。WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長も、ツイッター上で次のように述べています。

「ワクチンは他の予防法を補完するものであり、取って代わるものではありません。ワクチンだけではパンデミックを終わらせることはできないのです。引き続き、監視、感染者の検査と隔離および治療、濃厚接触者の追跡と隔離、地域社会との協力、個人での対策の励行といった施策が必要です」

ワクチンの適応と判断

そもそも、ワクチンは全ての人が接種できるわけではありません。

  • 過去にアナフィラキシーショックの既往がある方
  • 他のワクチン(インフルエンザなど)でアレルギー症状が出たことがある方

上記に該当する場合はワクチンを接種できないか、接種できたとしても接種後の慎重な観察が必要になります。

また、アレルギー以外の何らかの理由でワクチンを接種しない人もいるかもしれません。その多くはワクチンの副反応が心配で、ためらっている人たちと考えられます。ファイザー社のワクチンは「RNAワクチン」というこれまでにない新しいワクチンですので、将来妊娠の可能性のある方や次世代の子どもへの影響を心配しています。未知のワクチンですから不安があるのは当然でしょう。

新型コロナに感染した人やワクチン接種により抗体を持つ人が70%以上になれば、いわゆる「集団免疫」が成立します。しかし、ワクチンを接種しない人たちを非難するのはやめましょう。国際オーソモレキュラー医学会はワクチン“絶対反対派”でも“絶対推進派”でもなく、言うなればワクチン慎重派です。

今のうちにできること

私たちは、いつ接種できるか目処が立たないワクチンを待っている間に個人個人でできることがあると考えています。それは、今のうちに自分と家族の免疫を十分に高めておくことです。そこで、今すぐ実践してほしい「新型コロナに負けないための生活習慣7か条」を紹介します。是非、家族や友達に声をかけて、みんなで一緒に始めて下さい。

“知っていること”と“実践すること”は、雲泥の差です。知識として知っているだけでは、知らないことと何ひとつ変わりません。

これまで、「運動や食習慣の改善に挑戦したけれど、三日坊主で終わってしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。それなら今度は、ご自身と大切な方を守るために、自分自身でできる対策を実践してみませんか?

あなたと周りの人が健康になれば、結果として多くの方のウイルス感染リスクの低下にもつながります。こうした方が増えていった先にこそ、新型コロナを終息させるための絶対条件である「健康なコミュニティにおける集団免疫の獲得」が実現すると確信しています。

次回は、私たちが今できる具体的な対策や習慣をご紹介したいと思います。





※『ワクチン接種前、私たちが「今」できること【後編】』は4月16日(金)に配信いたします。お楽しみに! 

柳澤 厚生 (ヤナギサワ アツオ)先生の関連動画

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