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大さじ2杯の亜麻仁油が高血圧症の治療薬に?

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]

2013年、St.Boniface Hospital(カナダ)の研究チームは、1日30mlの亜麻仁油を6ヶ月間摂取すると高血圧症患者の血圧が下がることを『Hypertension』(アメリカ心臓協会が発行する高血圧症専門誌)にて発表しました。高血圧症は心血管疾患や脳血管疾患の重要な危険因子です。

彼らは、末梢動脈疾患(足の動脈が狭くなり、血流が悪くなることで様々な症状を引き起こす病気)の患者を2つのグループに分けました。

①亜麻仁油30gを練り込んだパンやパスタなどの食品を6ヶ月間摂取するグループ
②亜麻仁油の入っていない食品を摂取するグループ

結果として6ヶ月後、①亜麻仁油群 の血圧は収縮期に−10 mmHg、拡張期には−7 mmHgの低下がみられた一方、②対照群 においては変化がありませんでした。

血圧が140/90 mmHg以上の高血圧症患者だけに焦点を当てると、収縮期−15 mmHg、拡張期−7 mmHgと有意に低下しました。この血圧の降下に関しては、亜麻仁油の継続的な摂取によって1年後にも効果が継続することが示されました。試験開始6ヶ月後の血液検査では、①亜麻仁油群 において、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸、リグナンの血漿濃度が②対照群 と比べ有意に増加していました。

上記の研究により、高血圧症患者における亜麻仁油の降圧作用が明らかになりました。研究チームは「この作用は、オメガ3脂肪酸であるαリノレン酸、女性ホルモン様作用を持つポリフェノールのリグナンによるもの」と推測しています。

さらに、同研究チームは「高血圧症の治療に莫大な医療費が費やされている。亜麻仁油の補充は、高血圧の治療を安全で効果的かつ安価にし、薬物療法に代わる可能性のある治療法」と結論付けています。

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