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感染症から身を守るための免疫強化術【第1弾】

やたらに感染を避けることやワクチンに頼ることばかりが喧伝(けんでん)されていますが、そもそも人類よりも太古からウイルスや細菌は存在しているわけですし、我々がどう足掻いてもウイルスや細菌と縁が切れることはありません。

生きていく上では、これらと共生していかざるを得ないのです。であれば、感染をやたらに恐れるのではなく、感染しても大事に至らないような身体で有るということも考える必要があるのではないでしょうか?

そこで重要になるのが免疫です。筆者は、日頃から自身の“免疫システムの適正化”を心がけておりますが、本稿では普段行っている工夫として以下の4つをご紹介いたします。

1.ビタミンD
2.運動
3.オゾン療法
4.ヴィム・ホフ・メソッド

【免疫システム適正化習慣①】ビタミンD

ビタミンDは、骨密度を増加させて骨を丈夫にしたり、筋肉の発達にも重要な物質です。それ以外にもマクロファージを活性化したり、サイトカインを調整したり、ウイルスや細菌を破壊する「カテリジン」やウイルスの増殖を抑える「ディフェンシン」の生成をサポートします。

つまり、一言で言うならばビタミンDには免疫機能を適正化する働きがあります。

体内でビタミンDを増やすには、

  • 日光に当たる
  • 小魚を食べる
  • 天日干しした食べ物を食べる

などの日常生活での工夫も大切ですが、私はプラスαでビタミンDサプリメントを毎日5,000IU飲んでいます。ビタミンDのおかげか以前あった花粉症の症状が全く出なくなり、筋トレをすると筋肉がつきやすくなったように感じています。

血中ビタミンD濃度を高めておくことは、免疫システムの適正化において、もはや必須と思われます。しかしながら高用量のビタミンDサプリメントをやたらに飲んで、やみくもに血中濃度を上げれば良いというものではありませんので、定期的にビタミンDの血中濃度を測定し、理想値と言われる50~80ng/mLを目指すと良いでしょう。

私は25OHビタミンDの血中濃度を約3ヶ月毎に測っており、80~90ng/mL辺りを維持できるように心がけています。

【免疫システム適正化習慣②】運動

運動はやり方次第で免疫を高めることもあれば、逆に免疫を下げてしまうこともあります。いわゆる「適度な運動」によって、免疫が高まることが報告されています。その年齢における最大心拍数の60~70%の強度で有酸素運動をするとNK細胞が増加します。NK細胞はウイルスに感染した細胞を攻撃・破壊します。

ちなみに「その年齢における最大心拍数」の求め方は、「220−年齢」です。例えば、私は50歳代ですので、最大心拍数は「220ー50=170拍/分(bpm)」ということになります。

その最大心拍数の60~70%ということは、だいたい102~119bpmの範囲内の運動強度で有酸素運動をすれば良い、ということになります。

運動をしない人や運動不足の人は、代謝が低下し免疫機能も低下します。逆に運動をし過ぎるとそれが身体にとってのストレスとなり、やはり免疫機能は低下します。運動の量や頻度としては、1回20分~60分の有酸素運動を週に3日以上行うと良いとされています。

それでは、筋トレはどうでしょうか?

筋トレをすると筋肉量が増えます。すると運動時に体温が上がりやすくなり、血行が良くなることが期待され、それが結果的に免疫機能の向上を助けることになります。よって、この質問への回答としては「筋トレも有効」と言えます。

私は、有酸素運動と骨格筋トレーニングの両方を同時に行うことができるローイング運動(ボート漕ぎ運動)をほぼ毎日20~30分程度行っております。脳機能も向上しますので、運動は健康を維持する上でも非常に重要な要素であると捉えています。

【免疫システム適正化習慣③】オゾン療法

オゾン療法は、ヨーロッパを中心に60年以上も前から行われていました。

オゾン療法に期待される主な健康効果としては、

  • 血液循環改善
  • 免疫賦活
  • 抗酸化酵素の活性化
  • ミトコンドリア機能向上
  • 解毒機能向上

などがあります。

血液オゾン療法はまず採血し、専用の容器に自身の血液を集めます。そこに医療用オゾンガスを混ぜ、オゾンと反応した血液を返血して身体に戻します。オゾンと反応した血液は4-HNEという物質を作り出し、抗酸化や免疫システムの調整を促します。

そして、血液中に増加した短寿命の活性酸素である過酸化水素が、白血球と血小板の核内転写因子であるNF-kB(エヌエフ・カッパー・ビー)を活性化することによって、適度なサイトカイン生成を促し、リンパ球の数を増やし、間葉系幹細胞※1を増加させることにより免疫系の穏やかな活性化を促すのです。

私は血液オゾン療法を月に2~3回行っています。血液オゾン療法と同様の効果を持つといわれる注腸オゾン療法も週に1回程度行っておりますので、自身の免疫システムが適正に働いていると思われます。


※1:骨や脂肪といった中胚葉由来の組織に分化する能力が高い幹細胞のこと。

【免疫システム適正化習慣④】ヴィム・ホフ・メソッド (WHM : Wim Hof Method)

ヴィム・ホフ・メソッド(以下WHMと記載)は、「アイスマン」と呼ばれるオランダ人のヴィムホフが生み出した呼吸法で、呼吸エクササイズとコールド・トレーニングにより健康を獲得する方法です。

「呼吸エクササイズ」

紀元4世紀頃に発祥したとされるチベット密教に「ツンモ」という瞑想技術がありますが、ヴィムホフ氏の開発した呼吸エクササイズの源流は、このツンモにあります。

どんな呼吸法かというと、過呼吸を繰り返した後に息を吐き切って止め、低二酸化炭素・低酸素状態を意図的に作り出します。それによってミトコンドリアのATP産生能力を上げ、脳下垂体・松果体からのホルモン分泌を促すなどして、心と身体の健康を獲得する方法です。

呼吸エクササイズをするとアドレナリンが分泌され、転写因子であるCREB(cAMP応答配列結合タンパク質)およびNF-kBがともに活性化します。

CREBはIL-10を増加させて炎症抑制に働くだけでなく、NF-kBのコントロールも行うので、やはり過度な炎症は抑制されます。「免疫システムの適正化」という点では、呼吸法も一役買っていると言えるでしょう。

「コールド・トレーニング」

寒冷刺激を受けると、白血球が増えて免疫機構が活性化されます。免疫機構が活性化されると白血球がさらに生成されるので、さらに免疫力が強化されます。その他にも寒冷刺激により様々な健康効果を得ることができます。

私は毎日冷水シャワー、それから定期的にバスタブに冷水を張って“冷水浴”をしています。やる前はそれなりの覚悟が必要ですが、浴び終えた後は頭が冴えてとても気持ち良いのでやめられません。

そして最近では、このタイミングに呼吸エクササイズも加えて行っています。意図的に過呼吸をしている時は結構大変ですが、3~4セット終了した後は頭が冴えて何とも言えない心地良さに全身が包まれるため、冷水シャワー・冷水浴とともにすっかり習慣付いてしまいました。


※ご紹介したWHMについては正しい方法で行わないと、かえって身体に危険が及ぶ可能性がありますので、むやみに自己流で行わないよう申し上げておきますWHMを試してみたいと思われた方は、WHMに精通したインストラクターの指導を受けるかWHMに関する書籍を読むことを強くおすすめいたします。

まとめ

さて、今回は私なりの「免疫強化術」を4つご紹介してきました。②運動、③オゾン療法、④WHMに関しては、いずれも人間の身体に備わる環境適応能力がもたらすホルミシス効果を利用したものです。

やはりいつの時代になっても「鍛錬」という概念は必要で、時には“自分の身体を甘やかし過ぎない”、“楽をし過ぎない”ことも重要だと思います。

②運動と④WHMは、一般の方でもそれほどコストをかけずに行える内容ですので、実践していただき、ご自身の免疫強化に役立てていただけると幸いです。





<参考文献>

・オゾン療法セミナーテキスト(点滴療法研究会)

・「ICEMAN 病気にならない体のつくりかた」 (ヴィム・ホフ&コエン・デ=ヨング著, 小川彩子訳,2018,サンマーク出版)

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