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白金パラジウムによる間質性肺炎の新しい治療法の開発~改善例、研究例と関連させて~ 第二報:白金パラジウムとは?

この記事の執筆者

桐生大学医療保健学部 栄養学科 人体構造機能学

白金パラジウムは抗酸化力に特に優れています。そもそも白金パラジウムとは白金ナノコロイドとパラジウムナノコロイドを1:3で混合したものです。様々な効果が期待され、胃がんや大腸がんのアポトーシスの誘導やNK細胞の活性化などにその機能は多岐に渡ります。この白金パラジウムの草案を出したのは文献にも残っていますが、野口英世博士です。

今回は白金パラジウムとはどのようなものか、また白金パラジウムを開発するに至った経緯について伝記として残っているものを紹介します。

白金パラジウムとは

白金パラジウムは一般に清涼飲料水(機能性栄養水)ですが、これは白金とパラジウムをコロイド状(A solution of platinum and palladium mixed at a ratio of 1: 3)にしたもので(Fig.1, 2)<図1>、創案は野口英世博士です。胃がん・大腸がんのアポトーシスの誘導、NK細胞の活性化など(未発表)様々な作用が期待されるこれまでにない全く新しい機能性栄養水です。

<図1>Fig.1 Platinum colloid / Fig. 2 Palladium colloid

白金は化学的に極めて安定した元素で、様々な用途に利用されています。医学領域ではその錯体が抗がん剤として用いられており、その他にも白金の抗酸化作用に着目した活用法が報告されています。パラジウムは白金族元素の一つで,工業用製品や歯科治療用の材料として、広く用いられています。

また,パラジウムは還元反応に関与した白金に対して,再び還元力を付与する効果があることが報告されており、白金とパラジウムを混合させた物質の活用も試みられています。

こうした両元素の化学反応や特異性等から、白金とパラジウムの混合物は,白金単独の場合に比べて、持続的な抗酸化能を有する物質として、その有用性が期待されています。

さらに白金パラジウムは、4種類存在する活性酸素をすべて適度に除去すると言うことも分かっています。

献調査上、4種類の活性酸素(一般的にスーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類とされる)すべてを除去する物質は他に存在しません。

なお、白金パラジウムの開発経緯は野口英世博士ですが、以下のようなやり取りが伝記として残っています。

白金パラジウムを開発するに至った経緯

大正4年9月15日(アメリカから一時帰国中、故郷へ凱旋時のこと)

野口英世、野口の母、石塚三郎、小林栄(野口英世の猪苗代高等小学校恩師)

地元の中田観音へ参拝後、東山温泉での宿泊時

 

歓談時、小林先生は野口英世へ

「お前は医学上の大発見をしたが、治病上に就いての発明はないか」と質問。

博士は思い詰めた様子で「実は今、一薬万病に適する基礎的医薬の実現を考慮中である」と答えた。

小林先生は、もしも実現できればすべての人を救う大偉業だ、決して諦めずに努力しなさいと激励された。

 

その後の9月27日、野口と石塚は全国を共に回り講演会を行うなかで、石塚が歯科医院を開業していた新潟県長岡市を訪れる。医院内には歯の治療に必要な専門室があり、特に野口は金、白金などを溶解する装置類がある技術室を見て感嘆し、熱を帯びた声で興奮気味に以下のように語った。

 

「自分は十有五年間、一心不乱細菌の研究に没頭したが図らずも病原菌を発見して大成するに至った、其の結果必然的要求として治病に関する医薬の必要なることを感じ、苦心攻究の末ほぼ其の輪郭を明らかにするを得た。

それを一言にして云へば、白金族の特有性なる酸素の発生並に還元の威力を人体の組織内に作用せしむる事である。其結果細胞其他の機能を増進せしめ固着せる一切の病原菌並に老廃物を酸化滅亡せしむる事である。

而して此の誘入が宜しきを得たならば人生最も恐るべき梅毒結核癌腫其他の疾患を悉く根絶せしむる事ができる。かくして人生仁済の理想を完ふすることが出来やう。先日東山で小林先生に答へたには実はこのことを指して云ったのである。」

「君は白金族の処理に斯くまで深い経験を有していられるから自分に代わって一つ白金族の電気コロイドを作ってくれまいか。」

「重白金を固有粒子に分解するときは其の微細なる粒子より強烈なる酸素を発生する、軽白金を同分解するときは其の粒子より強烈なる還元作用を発生するのであるが、之をコロイド化することはなかなか至難の事業である。君も一糸乱れず細心研究を進めたならば不知不識の裡に基礎的医薬上の大功大業を達成せらるるのである。」

 

親友の熱意にうたれた石塚は意を快諾し、野口が渡米後も手紙でのやり取りを繰り返し、日本で研究を続けました。野口が黄熱病で没したのちも一人で研究を重ね、20余年の年月をかけてついに開発に成功。活性酸素の概念がない世界で、初の画期的な抗酸化性能を持つ白金パラジウムナノコロイドは、二人の偉人による友情と努力で誕生したのでした。

このように白金パラジウムは草案から100年以上経過していますが、一度も副反応の有害事象が起きていない安全性の高い物質です。

 

次回はこの白金パラジウムにはどのような効果があるのかについて論文ベースでまとめていく予定です。

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