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白金パラジウムによる間質性肺炎の新しい治療法の開発 ~改善例、研究例と関連させて~ 第7報:白金パラジウムによる血中過酸化水素濃度測定

この記事の執筆者

桐生大学医療保健学部 栄養学科 人体構造機能学

目次
    間質性肺炎の患者においては肺胞の間質において過酸化水素が著しく多く発生しているという報告がある。白金パラジウムは以前にも述べたように4種の活性酸素をすべて除去するというデータを日本口腔機能水学会学術誌において原著論文において発表している。そこで今回はin vivoにおいて過酸化水素が低下しているか否かについて研究を行ったところ、有意に過酸化水素の値が低下していた。そこの本測定の意義を今回述べる。

    試験には、日野厚生クリニックに受診し、試験に同意した12名(以下 被験者と表記)を対象とした。各被験者には、28日間(4週間)白金パラジウムを服用させた。服用量は、最初の1週間は3バイアル、2週目は2バイアル、最後の2週は1バイアルを服用させ、服用前後の過酸化水素の測定を行い比較検討した。また、その評価は統計処理ソフト(IBM SPSS Statistics Ver.26)を用いて対応のあるt検定にて統計的な評価をした。

    過酸化水素の定性測定は、ペルオキシーダーゼ‐ジアミノベンチジン法を応用した。

    なお、本研究においては日野厚生クリニック倫理委員会にて倫理承認された。(倫理審査番号:HKC_N10023001)

    以下にその結果を記す。

    n=12の被験者において血中過酸化水素値を測定したところ、表、図のように有意水準5%で減少が見られた。間質性肺炎と過酸化水素には関係性があると考えられているため、本結果によって過酸化水素を起因とする間質性肺炎が改善することが示唆された。

    表 白金パラジウムによる血中過酸化水素値の変動(U)

    図 白金パラジウム投与前後における血中過酸化水素値の変動(Paired-samples t-test. P<0.05)

    以上の結果から、白金パラジウム服用前後の間質性肺炎の患者において過酸化水素が多く発生している可能性があると言う観点から、血漿中過酸化水素値を定性測定したが、本実験において有意差が認められ、白金パラジウムにおいて過酸化水素の生体内における減少傾向が確認された。過酸化水素は活性酸素の一種であり、間質性肺炎の患者やCOPDの患者において過酸化水素によって肺胞に影響を与えている可能性が考えられる。

    過酸化水素(H2O2)は、代表的な活性酸素種(ROS)の一つであり、通常の生理作用においては、細胞シグナル伝達等に重要な役割を担うが、一方では、生体内の酸化ストレス状態を惹起し、細胞・組織傷害の要因となる。生体においてグルコースを摂取することにより解糖過程を経てTCAサイクルに入り込み、電子伝達系を経ることでATPを作り出すが、グルコースが摂取できない場合には脂肪やタンパク質を燃焼させてATPを作り出す。つまりATPはヒトが生命維持活動を行う上で欠かせない存在である。このATPを産生する際には多くの酸素を必要とするが、当然のことながらこの酸素は呼吸によって取り込まれる。その大部分はエネルギー産生に関与するが、しかしながら数%は活性酸素(ROS)に変化する。ROSは生体にとって生体における利点・欠点が存在する。利点としては好中球に含まれる顆粒において、細菌やがん細胞などを破壊する生体防御機構の一役を担っている。生体における欠点としては悪性新生物をはじめとする様々な生活習慣病や老化とのかかわりも知られている。現在,ROSには代表的なものとして以下の4種類の存在が知られている。①スーパーオキシド(O2-) ②過酸化水素 (H2O2) ③ヒドロキシルラジカル(・OH) ④一重項酸素(1O2)。近年,疾病予防や老化対策を目的としたROSの除去法等が国内外で検討されている。ICD-11より老化は病名として取り扱われるようになったため、今後さらなる抗酸化物質に対する検討が行われると予測される。そのような中で、白金パラジウムは前述した四種の活性酸素をすべて除去することができる世界唯一の物質であることが確認されている。

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