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ペットの健康を守るためにできる5つのこと

この記事の執筆者

こうご動物病院

日本ホメオパシー医学会認定獣医師。獣医中医師1級、獣医推拿整体師。高濃度ビタミンC点滴療法認定医。

近年、人と同様にペットの高齢化も進んできています。ペットが長生きできるようになったのは、犬や猫を家族の一員として安全な室内で飼う人が増えたことや、伝染病などの予防をしっかり行うようになったからだと思われます。

また、獣医療も進歩し、今までは救えなかった命が救えるようになってきたことも大きいです。「この子にはずっと健康で長生きしてほしい」と願うのは、全ての飼い主さんに共通の想いだと思います。

では、どうしたらペットの健康寿命を延ばすことができるのでしょうか?

重要な点として、主に以下の5つのポイントが挙げられます。

  1. 毎日の食事に気を付けること
  2. 予防ができる病気は予防すること
  3. 定期的に健康診断を行うこと
  4. ストレスがかからないような生活環境を作ること
  5. かかりつけの動物病院(獣医さん)を持つこと

特にペットの一生に深く関わってくる「⑤動物病院選び」は、慎重に行うことをおすすめします。

ペットが健康で長生きするために、飼い主ができること

それでは、早速ペットの健康を守るためにできることについて、1つずつみていきましょう。

①食事:ペットフードの見極め方

私たちの身体もペットの身体も、毎日の食事で作られています。そのため、何を食べるかは健康を守る上で非常に重要です。

ペットショップには沢山のペットフードが取り揃えられていますが、パッケージの見た目ではなく、何が原材料として入っているかを確かめていただけたらと思います。原材料は重量の割合が高い順に書いてありますので、犬や猫の場合は肉や魚がはじめに記載されているものを選んであげると良いでしょう。

ペットフードには酸化防止剤などが添加されている場合もありますが、化学的なものではなく、ビタミンEやローズマリー抽出物といった自然由来成分の方が安全です。なお、食事で補いきれない栄養素については、人間同様にサプリメントで補給することも可能です。

②病気の予防:過剰予防は負担になる恐れも

ワクチン接種やノミ・マダニ、フィラリア予防など、予防できる病気を予防することはもちろん大切です。ただし、過剰な予防はかえってその子の負担になることもあります。

ワクチン接種に関しては、ワクチンに含まれる病気の抵抗力(抗体価)を調べて、低いようなら接種するという方が特に高齢になってからは体への負担が少ないと思います。

避妊・去勢手術も将来的に生殖器の疾患を防ぐという意味で、病気の予防につながります。

③定期的な健康診断:年12回の健康診断を勧める理由

多くの動物病院では、年1回もしくは2回の健康診断を推奨しています。

「年に2回も!?」と思われるかもしれませんが、このような短期間毎での診断を勧めるのには理由があります。というのも、犬・猫と人では年の取り方にも違いがあるからです。

品種により多少の差はあるものの、犬・猫ともに大体1歳で成犬・成猫となります。それ以降は1年毎に(人間でいえば)4歳ずつ年を取るイメージ、と言ったらわかりやすいでしょうか。

つまり1年間に2回健康診断を受けたとしても、人間で考えると2年に1度の健康診断ということになります。医療と同様に獣医療も日々進歩しているので、定期的な健康診断による病気の早期発見・早期治療が、結果としてペットの長生きにもつながります。

④ストレスがかからない生活環境:「適度な距離感」を保つ

人にストレス性胃腸炎があるように、犬や猫もストレスがかかると下痢することがあります。何がストレスになるかはその子によって違うかと思いますが、日頃からストレスがかからない生活環境を作ってあげることが重要です。

また、病気を患って治療を行う場合、入院治療はストレスの原因になる可能性が高いです。通院での治療が可能であるなら、通院で治療を行うのもストレス軽減につながります。

犬・猫は高齢になると腎臓が悪くなり点滴が必要になる場合もありますが、点滴のやり方を教えてもらって自宅で行うことで、通院頻度を減らすこともできます。

大切な子が病気になった時、飼い主さんが心配してしまうのは当然のことです。しかし、心配があまりにも過度になるとその思いが犬や猫に伝わり、かえって精神的な負担(ストレス)になることもあります。

愛犬も愛猫も大切な家族の一員ですが、あなたにはあなたの人生、その子にはその子の犬生・猫生があります。お互いに良い関係を築くこと、お互いに依存し過ぎない関係を築くことを意識していただければと思います。

⑤かかりつけの動物病院を持つ:安心して話せる獣医を見つけることの大切さ

人間であれば、どこか具合が悪ければその部位を診てくれる専門の医療機関を受診します。そして自分で詳細の症状を伝え、適した治療をしてもらえます。ところがペットの場合、どこが痛いとか辛いなどは当然のことながら話してくれません。

そのため、いつもとは違うペットの様子を見て飼い主さんが病院へ連れて行き、獣医さんに症状を伝えることで診察をしていくケースがほとんどだと思います。この時、安心して色々なことを話せて、コミュニケーションが上手く取れるかかりつけの動物病院(獣医さん)があると安心です。

また、普段からその子を診ている獣医さんであれば、いつもとの違いにも気付きやすいはずです。健康診断を定期的にしている場合には、正常時と今の状態がどれほど違うかも一目瞭然です。検査した結果、病気が判明して治療を行う際には、どのような治療を選択するかも獣医さんと相談して進めていくことになります。

病気を治すための治療法は様々あるので、自分の望む治療方針をしっかり伝えて相談できるようなかかりつけの動物病院(獣医さん)を持つことは、家族の一員であるペットが健康で長生きするための大きな秘訣と言えるでしょう。

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