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国際栄養医学シンポジウム2022の開催報告と「オーソモレキュラー・アンバサダー2022」

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学医学部内科助教授を経て、2000年〜2008年同大学保健学部救 ... [続きを見る]

先月18日、19日に「国際栄養医学シンポジウム2022」が開催されました。「国際栄養医学シンポジウム2022」は、一般社団法人 日本オーソモレキュラー医学会 第4回総会と、点滴療法研究会 15周年学術大会としての合同開催となりました。

今回は本学会のハイライトを皆様にお伝えし、開催報告とさせていただきます。

台風が迫る中での幕開け

2022年9月半ば、東京ではオミクロン株の流行が危ぶまれている最中でした。さらに追い打ちをかけるように台風が西日本へ接近し、参加者の会場入り時・帰宅時における飛行機の欠便や新幹線の運休などが懸念されました。

しかし、このような悪天候にも関わらず、2日間に延べ1,000名近くの医師・歯科医師・薬剤師などの医療関係者と42社の展示企業にお集まりいただきました。昨年の日本オーソモレキュラー医学会 第3回総会(参加者500名)と比較しても、関心の高まりが窺えます。

<写真1>井手口 直子先生による開会挨拶


学会初日、私と井手口 直子会頭による開会の挨拶がメインホールで行われる頃には、すでに8割ほどの席が埋まっていました(写真1)。そして開会宣言から矢澤 一良名誉会頭にバトンが渡され、「『予防医学』では栄養と食品がキープレイヤー」を皮切りに学会が開幕しました。

多岐にわたる講演内容

本学会は、メインホールとカンファレンスルームの2会場での同時進行形式で、2日間でランチョンセミナーを含む38講演が行われました。

講演テーマは、

  • 点滴療法
  • がん治療
  • 美容と栄養療法
  • 長寿と栄養療法
  • CBDオイル
  • 再生医療
  • 漢方・東洋医学・薬膳
  • 口腔腸脳相
  • 新型コロナ後遺症・ワクチン後遺症
  • 医療経営

など多岐にわたりました。

圧巻は、日本抗加齢医学会理事長の山田 秀和先生(近畿大学 客員教授)の講演「老化時計を用いたライフスタイルへの介入」でした。“老化は病である”という立場から、老化の制御について最新の研究と同分野の未来についてお話しいただきました。

山田先生は講演の中で、30年50年規模の長期研究に対する日本の公的研究費が米国の研究費とは2桁も違うこと、そのために日本の研究が世界から致命的に遅れていることを残念そうに話しておられました。

「オーソモレキュラー・アンバサダー2022

2021年、日本オーソモレキュラー医学会では「オーソモレキュラー・アンバサダー(大使)」制度を導入しました。これは社会に影響力があり、自身の活動の中でオーソモレキュラー医学の普及に励まれている方を日本オーソモレキュラー医学会がアンバサダーに任命するものです。

今回、栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんと、プロラグビー選手である中村 亮土さんが2022年度オーソモレキュラー・アンバサダーに就任されました。

学会2日目・19日にメインホールでお二方の就任式が行われ(写真2)、井手口会頭、矢澤名誉会頭と私よりクリスタルトロフィー(写真3)が授与されました。

<写真2>左より矢澤 一良名誉会頭、井手口 直子会頭、2022年度アンバサダーに就任したエリカ・アンギャルさんと著者・柳澤 厚生

<写真3>2022年度オーソモレキュラー・アンバサダーに授与されたクリスタルトロフィーのデザイン

2022年度アンバサダー1人目:エリカ・アンギャル(Erica Angyal)さん

ここで、今年新たにアンバサダーに就任されたお二方をご紹介いたします。

<写真4>2022年度オーソモレキュラー・アンバサダーに就任したエリカ・アンギャルさん

1人目のエリカ・アンギャルさんは、オーストラリアのシドニーに生まれ、2000年にシドニー工科大学(健康科学)とネイチャーケアカレッジ(栄養学)を卒業しました。オーストラリアでは医師とともにアレルギーや自己免疫疾患、心臓病や糖尿病などの生活習慣病や肌のコンディションに悩む患者の治療に従事していました。

1985年に初来日し、大分の高校に1年間の交換留学をされた経験があります。日本在住歴は今年2022年で26年目となります。

2004年から8年間ミス・ユニバース・ジャパンの公式栄養コンサルタントとして、知花 くららさん(2006年世界2位)、森 理世さん(2007年世界1位)をはじめ、 世界一の美女を目指すファイナリストたちに「美しくなる食生活」を指南しました。

アンギャルさんは栄養学、薬理学、生理学など、ご自身が持つ予防医学についての幅広い専門知識を駆使し、“内側から美しく、心も身体もすこやかに輝く”をテーマに「ハッピーな毎日のための食とライフスタイル」を発信し続けてきました。また、伝統的な和食と日本文化をこよなく愛し、日本女性の心に響くように磨き続けた日本語で、健康と美容に関する世界の新しい知識を日本に紹介することに深い情熱を注いでおられます。

日本オーソモレキュラー医学会は、エリカ・アンギャルさんのこれまでの功績を讃えるとともに、市民への栄養医学の普及を期待し、2022年度オーソモレキュラー・アンバサダーに任命しました。

2022年度アンバサダー2人目:中村 亮土(なかむら りょうと)さん

中村 亮土さんはプロラグビー選手として、国内リーグと世界選手権を戦い抜く現役のトップアスリートです。

帝京大学在籍時代に主将として史上初の大学選手権5連覇に貢献、2013年にはアジア5カ国対抗で日本代表入りを果たし、ラグビーワールドカップ2019でも日本のベスト8入りに貢献しています。現在は東京サントリーサンゴリアスに所属し、主将を務められています。

<写真5>2022年度オーソモレキュラー・アンバサダーに就任したプロラグビー選手の中村 亮土さん


中村さんはトップアスリートとして活躍するかたわら、株式会社TRYFEの代表取締役として事業も立ち上げておられます。同社では、高いパフォーマンスを引き出すために日頃からコンディションを整えているアスリートとしての自身の経験をもとに、腸内環境を意識したプロテイン「TRYFE PROTEIN GOOD DAY」(日本オーソモレキュラー医学会 推奨商品)など、健康的な生活をサポートする製品およびサービスを提供しています。

日本オーソモレキュラー医学会は、中村 亮土さんのプロアスリートとしての功績と、広く心身豊かな健康を目指す活動を讃えるとともに、これからの活動による市民への栄養医学の普及を期待し、2022年度オーソモレキュラー・アンバサダーに任命しました。

ラグビー日本代表チーム合宿のため、就任式当日はビデオメッセージでご挨拶いただきました。

さいごに

「日本オーソモレキュラー医学会 第4回総会」は、故 松山 淳先生(医療法人社団松寿会松山医院 院長)を会頭としての開催を計画しておりました。しかし、昨年秋に松山先生が急逝したため、急遽井手口先生に会頭にご就任いただくこととなった次第です。

松山先生のこれまでの素晴らしい功績に深い感謝の意と敬意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

なお、2023年秋に開催を予定している「日本オーソモレキュラー医学会 第5回総会 改め 『国際栄養医学シンポジウム2023』」では、田中 善先生(医療法人仁善会田中クリニック 理事長)を会頭とし、開催準備を進めて参ります。





<参考ウェブサイト>

【エリカ・アンギャルさん公式サイト・SNS】
公式サイト www.erica-angyal.com
Facebook: www.facebook.com/ericaangyal
Instagram: www.instagram.com/erica.angyal

【中村 亮土さんSNS】
Facebook:https://www.facebook.com/people/Ryoto-Nakamura-中村亮土/100057892757000/
Instagram: https://www.instagram.com/bd_ryoto/

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