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オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(みぞぐちクリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

エボラ、腸管ウイルス、汚れた皿、ペスト

執筆者: Andrew W. Saul編集員

(OMNS、2014年9月13日) もしエイブラハム・リンカーンが細菌論を書いていたら、こんな書き方をしたかもしれない:

「人は、始終、何人かに病気をうつす可能性がある。場合によっては、全員にうつる時というのもあるかもしれない。しかし、始終、全員にうつるということはない。」

これに対する質問はもちろん、「なぜ?」である。なぜ一部の人は病気に対する高い耐性を持っているのか? なぜ一部の人は病原菌の写真を見ると病気になる気がするのか? 個人の栄養レベルが第一の理由であることは間違いなく、おそらく他のいかなる単一要因をも上回っている。「病原菌」は、それよりはるかに小さい理由と思われる。

私が最初にこれを学んだのは、高校1年のときで、生物学の先生からではなく、実験仲間のマイクという、学校でいちばん病気がちだった子から学んだ。(食事が済んだばかりではなく、また、すぐに料理をする予定がなければ、余談ながら、私のサイトhttp://www.doctoryourself.com/germs.html?に、この痛快な話が一部始終掲載されているのでどうぞ。)

エボラなどのウイルスに対するマスコミの必死の警告で、放送電波が埋め尽くされている。こうしたことを聞くと、人はどうしても若干うろたえてしまう。そうなるよう意図されている、と私は個人的に思う。いくつかの企業、そして多くの人々がそれに投資しており、人を脅えさせ不安にさせ続けることができれば大儲けできる立場にあるのだ。このような状況下では、人は従順な追随者となり、また殊のほか、自発的な消費者となる。

接触感染に関する5つの意地悪な質問

エボラも、腸管ウイルスも、黒死病(ペスト)を上回る脅威となることはない。この感染力の強い疫病が数千万人もの命を奪ったことはよく知られている。これは中世以降もなくならず、現在でも米国では毎年、ペストによる死者が出ている。

それなら、あなたはペストの予防接種を受けたことはあるだろうか? ないだろうか? なぜ医師はそれを強く勧めていないのだろうか? ペストのワクチン接種をしたことがある人を知っているか? なのに、なぜペストが流行していないのだろうか?

それではここで、本当に恐ろしい話をしよう。私は、命を脅かす疫学的な現象をひとつ発見したばかりであり、今ここでそれを発表する。

Saul AW. 汚れた皿症候群(SDS): 見落とされた進行中の公衆衛生災害大げさ医学不安ジャーナル?1:1、2014年10月号

要約:伝染病の大流行がおぼろげに見え始めている。その主因は、慌ただしい主婦、不注意な独身男性、不精なティーンエージャー、だらしのない大学生にある。これは、「汚れた皿症候群(SDS)と呼ばれるもので、その原因は、食器をそんざいな方法で急いで洗ったため、カップやカトラリーに残ってしまった食べかすや、口紅の跡、油脂、汚れ、ミルクの輪、その他の調理汚れにある。SDSは、地球上のあらゆる不潔な安食堂の常連客によって数十年前から疑われていたもので、尋常でない様々なウイルスと細菌を、実に驚くべき速度で拡散させることは確かである。学生アパートに住み、台所の流し台を非常に多くの人と共同使用したことがある人は、すでにSDSにさらされている。高圧殺菌機で1時間以上殺菌されたのでない皿やシルバーウェアで食べたことがある人は、葬られる危険がある。自分の子に皿洗いをさせたことがある人には・・・もう、なんと言えば良いかわからない。

ではどうすれば良いのか? 全く、何も為す術はない。たとえ几帳面に細心の注意を払って皿洗いをする人であっても、遅かれ早かれ、見た目は清潔だが実際には2~3(百万)の目に見えない細菌が付いている皿で食べることになるだろう。そしたら、唇に乗って、歯茎を通り越し、胃を見つけてやってくるのだ。

事態は絶望的である。厄介な病原菌は、本当にどこにでもいる。恐ろしい問題が予想されるのは、指を口に入れる乳児(汚れた指症候群=SFS)、おもちゃを口に入れる幼児(幼児玩具症候群=TTS)、新品の歯ブラシ以外のものを口に入れる大人(AWPABABNTBITM)である。SFS、TTS、とくに AWPABABNTBITMのワクチン接種が直ちに必要である。即刻、製薬業界に莫大な税金を投与することが推奨される。

ワクチンが開発されるまで、自分の身を守る方法は2つある:

1. 生鮮食品は、無菌ではないので食べないこと。(未殺菌食品症候群=UFS)

2. ジュースをボトルから直接飲まない、ホイッスルを吹かない、絶対にハーモニカもトランペットもクラリネットも吹かないこと。(食品以外の未殺菌物症候群=UEES) サマーキャンプの指導員や、オーケストラのホルン奏者と木管楽器奏者は、すぐに、ばたばた倒れることになる。

以上は冗談だとおわかりであろう。

けれども、リンカーンが言ったように、女の子が靴下に足を入れた時に言った言葉を引用すれば、「靴下に何か入っている気がする」。無限の量の潜在的な病原菌に毎日さらされていることを考えれば、全く想像できないほど滅菌されていないこの地球上で、同時に70億近い人間が何とか生きているというのは、驚き以外の何ものでもない

これは、生命力を積極的に高める体の性質、ホメオスタシスのおかげである。

ホメオスタシスの定義について、私はよく、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」で踊っていたジョン・トラボルタの真似をして、学生に説明したものだ。上を指差して片手を突き上げ、もう片方の手は逆に下を指差すという彼の有名な動きをして、さらっと言う。

「ステイン・アライブ(生き続けてるんだ)。」

試験でホメオスタシスの問題を間違えた者はいなかった。

人が生き続るのは、自然の選好によるものである。人体の組織は、当人の意見などお構いなく、集結され、発達する。人間の生理機能は、どうすべきか一度も当人に尋ねることもなく、昼夜問わず生きている間ずっと、計り知れないほど複雑な生化学的な営みを続けている。私の持論では、健康な体であれば大多数のウイルスや細菌と闘い、その侵入を阻止する。ただし、予防できるだけの高量の栄養素、また必要とあらば、重病の治癒に要する桁外れの量の栄養素を摂取していることが条件となる。処方箋? それは想像できる最もシンプルな方法である。健康に良い生活習慣を実践すること。正しい生活をして、適切な運動、正しい食事をし、休息を取ること。毎日、ビタミン剤、とくに大量のビタミンCを摂り、誰にも他のアドバイスをさせないこと。

ついでに、汚れた皿も洗おう。つまり、この機会を利用しない手はない。

Andrew W. Saulは、最近刊行された「Orthomolecular Treatment of Chronic Disease(オーソモレキュラー医学による慢性疾患治療)」の編集者であり、他にも多数の栄養医学関連書の執筆や共著をしている。)

関連記事:

Shots or not? The plague, the flu, and you.(予防接種をすべきか否か? ペスト、インフルエンザ、あなたの場合) 2009年10月27日付OMNS?http://orthomolecular.org/resources/omns/v05n05.shtml

Can vitamin C cure Ebola?(ビタミンCはエボラを治すことができるか?) 2014年8月20日付OMNS?http://orthomolecular.org/resources/omns/v10n13.shtml

米国国立公園局 公衆衛生室 ペストの警告?http://www.nps.gov/public_health/info/alerts/al_plague.htm

コロラド州ロッキーマウンテン国立公園:
「ペストは公園に特有のものであり、ここでも過去に大発生したことがある。この病気は、感染したげっ歯動物、とくにジリスから吸血したノミによって伝染する。ジリスなどの小さい哺乳動物に餌を与えたり近づいたりしてはならない。腺ペストの症状には、リンパ節の腫れ、発熱などがあり、通常は、暴露後1~6日以内に発症する。肺が感染すると、肺ペストになることがあり、これは咳によって簡単に拡散することがあるので、とくに危険である。腺ペストは、治療しないと患者の約50%が死亡する。」http://www.nps.gov/romo/planyourvisit/yoursafety.htm