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オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

ビタミンCとコルチゾール:相乗効果で感染症や毒素から身を守る

ビタミンCとコルチゾール

ビタミンCとコルチゾールの二つは、最大の効果をもたらす極めて重要な天然由来の抗炎症物質です。疾患を引き起こす酸化は毒素や感染症、ストレスによって生じます。ビタミンCとコルチゾールが相乗効果をもたらすメカニズムを見ると、共に作用することによって酸化の解消に必要な抗酸化作用を最適化する性質がこの2つにあることがわかります。

組織内の炎症は、その組織における酸化や代謝、ビタミンC濃度減少の直接的な結果であるため、細胞内ビタミンC濃度をできるだけ速く完全に正常化することが一番大切です。炎症を起こした組織で細胞内ビタミンC濃度が正常になれば、炎症が完全に解消されて細胞が正常な状態に戻ります。

限局性炎症を識別する上で、組織における局所的なビタミンC濃度減少が大きな特徴となります。限局性炎症の程度は、その場所での酸化ストレスが高くならないと悪化しません。論理的に予想できるように、局所的な酸化ストレスは、その場所でのビタミンC貯蔵量が尽きて回復されないと高くなります。

炎症を起こしている部位でこうしたビタミンC欠乏が生じると考えれば、限局性炎症を起こした組織に対する免疫系の急性反応では最初に単球の出現が中心となる理由をうまく説明することができます(Tabas他、2017)。単球中のビタミンC濃度は並外れて高く、あらゆる免疫細胞の中で最高です。

血漿中のビタミンC濃度と比較すると、単球は細胞質の中に血漿の80倍(8,000%)ものビタミンCを保有しています。他の免疫細胞も、極めて高い細胞内ビタミンC濃度を有しています(Evans他、1982)。炎症部位に到達した単球の最初の役割は、ビタミンCの形で抗酸化作用を効果的にもたらし、酸化ストレスのレベルにかかわらず迅速に緩和するよう働くことのように思われます。

重大な感染症である入院患者の多くは、血漿ビタミンC濃度が極めて低い状況です。ビタミンC濃度の低下が局所的でなく全身に見られる場合は、それに伴う酸化ストレスの増加が全身に広がり、通常はC反応性タンパク(CRP)の血中濃度増加に反映されます。

CRPは全身での炎症増加を示す信頼できる指標であり、ビタミンC濃度が著しく低いとそうした炎症増加が必ず見られます(Carr他、2017)。血中コルチゾール濃度も、重篤度が最も高い患者グループで最低となっていました。

コルチゾールは、細胞内へのビタミンC取込みを大幅に増やすことがわかっています(Fujita他、2001; Mikirova他、2019)。具体的に言うとコルチゾールは、ナトリウム依存性アスコルビン酸共輸送体(SVCT)の発現増加に必要とされるメッセンジャーRNAの産生を刺激するようです。

これは、代謝活性のある細胞を酸化ストレスから最大限に守る上で必要な細胞へのビタミンC取込みを増大させる働きがあります(Savini他、2008)。組織の炎症ならびにその結果として生じる組織損傷を解消するためには、細胞内ビタミンC濃度を正常化させることにより、高くなっている細胞内の酸化ストレスレベルをできるだけ迅速かつ完全に正常に戻すことが何よりも重要であるため、上記の働きはおそらく、体内におけるコルチゾールの本源的な機能であるようです。

細胞内のビタミンC濃度が正常であれば、その細胞の保護に必要な細胞内グルタチオン濃度も最適化されます。

疾患に関する一般生理学

細胞レベルおよび生体分子レベルでのあらゆる疾患において、生理機能は生体分子が(種類を問わず)どれくらい酸化した(電子を失った)状態にあるかに直接関係します。酸化促進物質(毒素)はどれも、生体分子(タンパク質、糖、脂肪、酵素など)を直接酸化する、またはそうした生体分子の酸化を間接的にもたらすことにより、最終的に生体分子に損傷を与えます。生体分子は酸化される(電子を失う)と、正常な化学機能も代謝機能も果たせなくなります。たとえば酵素が酸化されると完全に不活性となりかねません。

生体分子が最終的に酸化されなければ、毒素が臨床毒性を生じることはありません。特定の毒素への暴露を原因とする臨床疾患の性質は、酸化された生体分子の配列によって決まります。特定の医学的状態にある組織の細胞には「疾患」があるわけでなく、罹患組織の生体分子における酸化の分布、同一性、程度が関与しているのです。疾患が結果として生じるのではなく、生体分子の配列に酸化がある状態が「疾患」なのです。

抗酸化物質が電子を提供することにより、前に酸化された生体分子に正常な電子状態を戻すこと(還元)ができれば、こうした生体分子の機能は正常に戻ります。高用量ビタミンC点滴によって成し得るような十分な抗酸化療法が毒素や毒物による臨床的悪影響の阻止さらには好転にさえ大きな効果をもたらすことが証明されているのはそのためです。ビタミンCの効果を調べる試験を行った毒素で、効果的な中和が見られなかったものはありませんでした(Levy、2002)。

よって、化学物質による中毒患者を救うためには直ちにアスコルビン酸ナトリウムを大量に点滴投与するより良い方法はありません。点滴時には、命を脅かす突然の不整脈を防ぐため塩化マグネシウムを加えることも重要です。十分な数の新規酸化生体分子を還元することができて、残りの毒素の中和と排出が行われるまでに不整脈が生じるおそれがあるためです(Levy、2019)。

また、コルチゾールとビタミンCとの関係から見て、こうしたビタミンC点滴時にコルチゾールを加える必要もあります。その目的は、中毒細胞が細胞内ビタミンC濃度を正常化できる速度や度合いを最大限に高めることであり、毒素(毒物や酸化促進物質)への過剰な暴露に伴う細胞内酸化の異常な増加がこれによって直接かつ迅速に食い止められます。

よって、臨床的な観点から、実際にビタミンCとコルチゾールの相乗効果を得るために最も重要な点として:
コルチゾールが臨床的に必要とされ適用される場合はいつでもビタミンCを同時に投与すれば効果が大幅に高まります同様にビタミンCが臨床的に必要とされ適用される場合はいつでもコルチゾールを同時に投与すれば効果が大幅に増大します

コルチゾールに関する生理学

コルチゾール(薬剤として投与する場合の名称はヒドロコルチゾン)はホルモンの一種で、グルココルチコイドとして知られています。この種のホルモンは、腎臓の上にある副腎の外側部分(皮質)の中で生成されます。グルココルチコイドは、顕著な抗炎症作用をもたらすだけでなく、肝臓での糖新生というプロセスを通じて血液中のグルコース濃度(血糖値)を高めます。

糖新生では、アミノ酸など炭水化物以外の分子を利用してグルコースの生成量を増やします。コルチゾールやコルチコステロイドの投与量があまりにも多く、あまりにも長い期間投与されると、タンパク質がグルコースに変換された結果として広範にタンパク質分解が生じた状態(筋肉消耗による異化作用)をもたらす可能性があります。

また、肝臓でのグルコース産生による刺激が続くことによって、血中グルコース濃度が高くなることがあり、明らかな糖尿病に至る場合さえあります。高用量のステロイド(プレドニゾン、デキサメタゾンなど)を用いた長期療法の重大な副作用のいくつかは、こうした影響から説明することができます。

従来の方法による長期ステロイド療法でも、とくにグラム単位の量のビタミンCを併せて投与する場合、用量を大幅に減らす(ヒドロコルチゾンの1日量を20 mg以下にする)ようにすれば問題は生じません。ビタミンCを同時に摂らずに(または体内で生成されない状態で)高用量のステロイドを慢性摂取することは、高性能銃に弾薬を入れず撃とうとするようなものです。

ビタミンCサプリメントだけでも十分大量に摂れば、細胞へのビタミンC取込みを最大化するためのコルチゾール増量は必要ないかもしれません。しかし、コルチゾールの助けを借りずに細胞内ビタミンC濃度を最適化するためには、50 g、75 g、100 gといった注入量での投与が必要となり、多くの場合、実際的な選択肢とはなりません。

コルチゾールを用いれば上記のプロセスが大いに促進され、また、血流に十分なコルチゾールがあると腎臓でのビタミンC排泄による「浪費」が減り、浪費されなかったビタミンCが細胞内に行き着くことになります。

コルチゾールが慢性的に欠乏していて体内で正常量が合成されない状態のときに適量のコルチゾールを供給することは最適な健康状態を実現する上で絶対不可欠です甲状腺ホルモンの値が慢性的に低ければそれを投与する必要があることと同じです

1日の中でも時間によって血液検査をしたときの体内コルチゾール濃度が「正常」となることはありますが、重度のストレスや新規感染、毒素暴露といった条件下では、ストレスに対処できる十分な量のコルチゾールを副腎が追加生成できなくなる可能性は否定できません。

実際、「感染に負ける」ということは、体内でもっと多くのコルチゾール(とビタミンC)が必要であったことを示します。副腎不全がわかっている人の場合、コルチゾール濃度が特に低いと、疲れたときにインフルエンザ様の不快感と全身性の痛みに陥りやすいことが観察されています。

はっきりインフルエンザと診断された患者グループでは顕著に低いコルチゾール濃度が見られ、また、最も熱が高く最も白血球数が少なかった最重症患者のグループで最低レベルのコルチゾール濃度が見られました。重度の急性感染症では、極めて低いコルチゾール濃度に伴う標準的な症状が生じ、これは急性副腎不全の患者に見られるものと同じです(Jefferies、2004)。

コルチゾールは、ストレスに対抗する「闘争か逃走」のホルモンと言われ、その強力な抗炎症作用はこの表現にぴったりです。生理学的にストレスとは、感染によるものであれ別の原因によるものであれ、酸化促進物質(毒素)が血中に事実上急増することをいいます。

その結果、体は直ちにそれに対抗したり、抗酸化物質を急増させて補完したりする必要が生じます。哺乳類の完全に正常な肝臓では、連続した4つの酵素によって修飾されたグルコースからビタミンCが合成されますが、ほとんどの人は、後成的な欠陥によりその4番目の酵素を失っています。

体内でのストレスに対する「闘争・逃走」反応には、副腎の内側部分(髄質)から放出されるアドレナリン(エピネフリン)が支援している部分もあります。アドレナリンは、肝臓や筋肉でグリコーゲン(グルコースの貯蔵形態)を分解して血中にグルコースを放出する働きをするとともに、糖新生を促してグルコース濃度をさらに高めます(Cryer、1993)。

十分深刻な急性感染症や毒素による傷害に対処するため、どんな量であろうと必要なビタミンCを十分作ることができるグルコースを十分機能している肝臓が利用できるようにする上で、こうした働きは重要と思われます。ストレスの多い運動後のアスリートにおいて、ビタミンC補給が血中のコルチゾール濃度とアドレナリン濃度を下げることもわかっています。

こうした結果は、どんな形であれストレスを受けた後にこの2つの物質(コルチゾールとアドレナリン)がビタミンC濃度を上げる役割を果たすことと整合性があります。十分なビタミンCがすでにある場合、コルチゾールもアドレナリンも、ストレスに対する体の反応を助ける時のような量は必要ないので、どちらの濃度も適切に低くなります(Peters他、2001)。

多くの哺乳類は完全に正常な肝臓でビタミンCを合成することができ、信じられないほど見事な抗ストレス・抗毒素作用が体内で働く仕組みが自然にできています。これは以下のとおりまとめられます。

血液中に酸化を促進する病原体や他の毒素(「ストレス」)が存在する。                         

急増する毒素の中和のため肝臓でのビタミンC産生が代償的に増えてビタミンCが血液中に直接放出され、それに伴い副腎からコルチゾールとアドレナリンが反射放出される。

血液中に存在するコルチゾール量が増えることにより、新規に合成されたビタミンCが毒素暴露細胞に多く取り込まれるようになる。これが持続する理由は、コルチゾールによって肝臓内でのグルコース産生(糖新生)の増加が誘発され、また、アドレナリンによってグルコースの放出(貯蔵形態であるグリコーゲンからグルコースへの分解)が誘発されるためである。

そうしたグルコース産生の増加がビタミンCの産生増加に形を変えて続き、それとともにコルチゾールの継続的な放出により、毒素に見舞われた細胞内にビタミンCが運ばれる。

感染症が解消されるまで、または毒素が電子で完全に中和され代謝されて排出されるまで続く。

一方、グルコースからより多くのビタミンCを合成する上で必要な4番目の酵素が肝臓にない典型的な人の場合、コルチゾールは、血流中にある既存のビタミンCしか細胞への取込みに利用できないのです。また、コルチゾールやアドレナリンによってグルコース産生の増加が誘発されても、それを利用して肝臓内でのビタミンC産生を加速することはできないため、グルコースが体中で過剰に存在する一因になってしまいます。

最近の発見によると、オリーブ由来のポリフェノールの適量投与に、こうした後成的な欠陥の克服や、最低でも体内の全身ビタミン濃度の向上に役立つ効果があるようです[www.formula216.com]。これを日常的に補給することは、体内におけるビタミンCの効果を最大限にする上で非常に有効であると思われます。

急性の酸化ストレスの原因が感染症の発症であって、血液中での新たな毒素の存在だけによらない場合も、コルチゾールは病原体を殺す上で重要な役割を果たします。コルチゾールは感染細胞へのビタミンC供給を促すことにより、フェントン反応の上方調節に役立つ働きをします。

この反応では、細胞内のビタミンCによって供給される電子を利用して、細胞質の過酸化水素が致死性の高いヒドロキシルラジカルに分解されます。ヒドロキシルラジカルに遭遇した生体分子はどれも即時に酸化され、最終的には病原体死やプログラムされた細胞死(アポトーシス)、または明白な細胞破裂に至ります(Levy、2021年)。

裏付けとなる研究

ビタミンCとコルチゾールとのこうした重要な相互作用の性質は、かなりの量の臨床研究・動物研究・基礎(生体外)研究データによってさらに裏付けられ明らかになっています。

  • ヒトの肺の微小血管内皮細胞においてビタミンCとヒドロコルチゾンは、リポ多糖誘発性の(酸化)バリア機能障害を劇的に好転させる相乗作用をもたらします(Barabutis他、2017)。

  • 腎臓の再灌流障害のラット実験で、ヒドロコルチゾンをビタミンC・ビタミンEと組み合わせることにより、個別に与えた場合と比較して相乗的な保護作用が見られています(Azari他、2015)。

  • ヒドロコルチゾンの機能、つまり発現は、細胞内の受容体の酸化還元状態によって左右されます。酸化されている受容体の割合が大きいと、それに比例してヒドロコルチゾンの受容体結合の度合いが低くなり、ヒドロコルチゾンは細胞へのビタミンC取込みの最適化ができなくなります(Okamoto他、1999)。

  • 酸化されたヒドロコルチゾン受容体がビタミンC誘導体によって電子を取り戻し、機能を回復することができました(Okamoto他、1998)。感染症という高度の酸化環境では、このように不活化した受容体の数が増えます。

    受容体を活性化した状態に保ち、細胞内のどのハイドロコルチゾンとも結合できるようにするために十分なビタミンCが必要であり、そうすればさらに多くのビタミンC取込みが促される可能性があります。細胞内のビタミンCが多いほどコルチゾールの受容体結合が増えコルチゾールの受容体結合が増えるほど細胞でのビタミンC取込みが増えるというのが標準的な相乗効果です
  • ビタミンCを補給すると喘息患者におけるその抑制維持に必要なコルチコステロイドの量を減らすことができるという研究結果があり、これはビタミンCとヒドロコルチゾンに似たような生理学的効果があることを裏付けています(Fogarty他、2006)。

治療プロトコルにおいて、ヒドロコルチゾンを投与すれば有意な追加効果が得られるのか否か、その大きな決定要因となるのは(軽度のインフルエンザ、進行した敗血症というような)感染症の程度です。進行した敗血症は、全身の酸化ストレスが、死に至る前に達し得る最大レベルに近くなっている状態です。

そのため、細胞内ではかなりの割合のヒドロコルチゾン受容体が機能しない酸化状態にあります。このため、体は体内でのコルチゾールの生成量を増やして補おうとしますが、受容体が酸化されてどのコルチゾールとも結合できないままであるかぎり、そうした受容体を活性化するためビタミンCが投与されていなければ、ヒドロコルチゾンを投与しても効果はほとんどありません。

それほど進行していない感染症の場合、また敗血症でも初期であれば、受容体の数は増えることが多いので、ヒドロコルチゾンの投与は、特にビタミンCも与えた場合、明白な効果をもたらす可能性があります(Vardas他、2017)。実際、初期の敗血症である人や実験動物が進行性敗血症に進んで死に至るのを防ぐために受容体の機能増強は極めて重要です。

感染症が進むと、感染症悪化による酸化が増えるため受容体の機能が低下し、それを補うため体はコルチゾールの産生増加に移行します(Antonucci他、2014; Shibata他、2015)。それによって臨床的衰退が止まることはほとんどないので、十分なビタミンC投与を行って酸化された受容体を活性化し、細胞内ビタミンC濃度を上げて全体的な酸化ストレスを大幅に下げなければ死に至るのは確実です。敗血症の動物モデルでも同様の研究結果が見られています(Bergquist他、2013)。

敗血症性ショック患者の治療にビタミンC、ヒドロコルチゾン、チアミンを用いた結果報告では驚くほどの効果が見られており、死亡率は40%から9%に下がり、敗血症やその合併症に直接起因する死亡はゼロでした(Marik他、2017)。

一方、似た構築の別の研究では、ビタミンCの投与だけで基本的に同じ結果が得られる可能性が示されています(Zabet他、2016)。

進行性敗血症では、血中の内因性コルチゾール濃度がすでに上昇しているため、そうした時点での敗血症患者の治療で最も重要なのはヒドロコルチゾンの追加ではなくビタミンCの投与であるという観察内容とこれは合致します。

一次療法または二次療法としてのビタミンC投与により軽減が見られた疾患には、敗血症誘発性成人呼吸窮迫症候群(Bharara他、2016)、誤嚥誘発性成人呼吸窮迫症候群(Kim他、2017)、ウイルス誘発性成人呼吸窮迫症候群(Fowler他、2017)膿疱性乾癬の合併症に続発した成人呼吸窮迫症候群(Marik and Long、2018)があります。

進行性敗血症患者に対する最善の治療法は単純に言うと6時間ごとに25 g24時間ごとに100 g)程度の極めて大用量のビタミンC点滴を行うことです血中コルチゾール濃度はすでに高くなっているので、この方法を用いれば、上昇した細胞内酸化ストレスレベルを正常値またはその近くまで急速に下げることができ、すでに過剰な多臓器障害を発症していない限りすべての敗血症患者を容易に救うことができます。

一方、重篤患者でも敗血症と戦っていなければ、かなり低いコルチゾール濃度の人は多いでしょう(Marik他、2008)。こうした人にはビタミンCとヒドロコルチゾンを両方投与すれば大きな効果が得られます。また、体内のコルチゾール濃度がすでに高くなっているのか疑問に思う場合、ヒドロコルチゾンをさらに追加しても害はなく、「すべての塩基をカバーする」ため治療プロトコルに加えることは容易です。

全体的に見てこうした最新の科学文献からビタミンCとヒドロコルチゾンが個別に抗酸化能力の強化を促すことがわかりますこの2つの物質が極めて相乗的に働いてその効果を促進することは明白ですがビタミンCの適量投与も敗血症と敗血症性ショックの単剤療法として非常に有効であると思われます

ビタミンCとコルチゾールの安全性

ビタミンCとヒドロコルチゾンを組み合わせた治療法についてお勧めの用法を紹介する前に、ビタミンCやヒドロコルチゾンの使用を批判または制限することを目的としたプロパガンダの現状を伝えなければなりません。ほとんどの医師は、ビタミンCが腎臓に有毒で腎臓結石の形成を促進すると完全に勘違いしていますが、まるで見当違いです

体内のすべての器官でそうであるように、ビタミンCは1日数グラム摂っても、腎臓を含む体全体の健康が促進されるだけです。腎臓結石の既往歴がない女性85,557人を調べたハーバードの研究で、ビタミンCの日常摂取には腎臓結石の発症リスクとの関連はないことがわかっています(Curhan他、1999)。

また、ハーバードでの別の研究によると、ビタミンCの摂取量が最も多かったグループはビタミンCの摂取量が最も少なかったグループと比較して腎臓結石のリスクが実際に低くなっていました(Gerster、1997)。このことは、1万人を超える被験者の血中ビタミンC濃度を調べた別の研究によっても裏付けられており、そこでは血中濃度が最も高かったグループで腎臓結石の発症率が最も低くなっていました(Simon and Hudes、1999)。

ビタミンCの高用量点滴も、腎臓機能に問題を引き起こしたり腎臓結石の形成を促進したりすることはありません。高用量点滴では一時的に、血中濃度が経口投与の場合よりずっと高くなりますが、それでも完全に無毒です。こうした高用量点滴を受けた患者157人を追跡した前向き研究では、12ヶ月という期間中に腎臓の問題発生は見られず、患者の8%に腎臓結石の既往歴があったにもかかわらず、結石の報告はありませんでした(Prier他、2018)。

ビタミンCは、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンK2と一緒に、結石の形成を防ぐだけでなく、既存の結石を溶かして動かす働きがあります。これは結石が普通はシュウ酸カルシウムだからです。過剰なカルシウムの存在がない限り、シュウ酸塩がビタミンCの代謝によって生じたとしても結石を作ることはありません(Levy、2013)。

実際、ビタミンC(アスコルビン酸)は化学的には弱い有機酸ですが、塩酸のような濃縮無機酸と同じくらい簡単に炭酸カルシウムを溶かします(Ruskin、1938)。

ビタミンCが腎臓結石を引き起こすという作り話は別にしても、医師の多くはビタミンCが有毒に違いないと思っているようで、点滴投与など考えもしないでしょう。実際、ビタミンCは毒性度を確定することができない唯一の物質かもしれません。

進行ガン患者に1日50 gのビタミンC点滴を8週間続けた試験でも、限定できる副作用は見られませんでした(Casciari他、2001)。

補完医学の開業医172人の治療患者20,000人超における1日25 gを超えるビタミンC点滴投与について調べた研究では、そtrが「極めて安全」であることがわかりました(Padayatty他、2010)。カンザス州ウィチタにあるリオルダンクリニックでは、16年間にわたり「194,054 g(427ポンド)のビタミンCの点滴投与」を275人の患者に行っていましたが、重大な副作用は見られていません(Jackson他、2002)。

このように、ビタミンCに毒性がないことは注目に値しますが、さらに深く考えるなら、あまりに大量の水をあまりに急に摂ると効果が弱まるということも考慮しましょう(Hayashi他、2005)。

コルチゾールに関しては、コルチコステロイドを高用量で長期間投与すると重篤な副作用や避けられない副作用があることを、医師なら全員、一般人ならほとんどの人が知っています。

こうしたことから、はるかに低用量のコルチゾールをもっと日常的にとる方法も適用され、不要な注意を払わなくてもよくなりました。実際、血中コルチゾール濃度が異常に低い人は非常に多くいます。

さらに重要なこととして、ストレスがない状態での血中濃度が正常と見なされる範囲にあっても、ストレスによって誘発されるコルチゾール放出のレベルが大幅に低下することがあります。血中コルチゾール濃度の検査と、ストレスに応じてコルチゾール放出をどれだけ増やすことができるか調べる検査をほとんどの人が定期的に受けていれば、急性感染症でも、慢性疾患の長期治療と同様に、1日量を20 mg以下としてコルチゾールを日常的に投与することが一般的となるでしょう(Jefferies、2004)。

感染力が長く続くスパイクタンパク質への最適な対処法

ビタミンC投与にヒドロコルチゾンを加えることで、すでに優れているとされる療法もさらに改善できる可能性がある一方、こうした併用療法は、体内でのCOVID関連スパイクタンパク質の長期持続性を特徴とする各症候群に取り組む場合も最適な方法と思われます。基本的に軽症のCOVIDが長く続いている人や、COVIDワクチン接種後に問題を生じた人が、ヒドロコルチゾンとビタミンCの併用投与を含めた治療プロトコルを受ける候補者として最適とわかるはずです。

上で述べたとおり、十分な用量でのビタミンC投与だけでも標的細胞を効果的に「飽和させる」ことができる可能性はありますが、それに必要となる量を投与することは、限られたビタミンC使用経験しかない医師の多くは不快に思うだけでしょう。しかしハイドロコルチゾンを併用すれば、ビタミンCの量を減らしても同じ結果が得られる可能性があります。

しつこいスパイクタンパク質への徹底的かつ完全な対処は、長期的に死亡率を下げるためだけでなく、短期的にも、辛い病的状態(臨床的疾患)を軽減するためにも特に重要です。スパイクタンパク質の感染力が長く続くとかなり多様な臨床的症候群が生じる可能性があるようです。人によってどの器官や組織でスパイクタンパク質との結合が最多か異なりますが、心筋に炎症が続く人が多いようです。

そうした患者では、軽度の心筋炎がくすぶり続けている人がかなり多いようです。これは最終的に心臓のバーンアウト(燃え尽き)や、命に関わるうっ血性心筋症に進展します。そうした患者向けの詳しい治療ガイドが[http://orthomolecular.org/resources/omns/v17n24.shtml]に掲載されているので参照してください。こうした心筋炎(心臓の筋肉の炎症)は、倦怠感、断続的な胸痛、息切れ、心拍リズムの異常という形で現れることがあり、場合によっては冠状動脈の炎症や血液凝固を生じることもあって心臓発作につながりかねないため、積極的に治療して完全に解消することが極めて重要です。

COVIDに感染して最小限の症状しか見られない人でも、COVIDのワクチン接種(スパイクタンパク質の直接投与を伴うもの)を受けた人でも、スパイクタンパク質が存在している疑いを示す指数は高くなっているはずです。スパイクタンパク質は体内に存在して複製を繰り返しているという前提で、完全排除に向け積極的なプロトコルを進めましょう。

多くのウイルスや病原体、特にCOVIDは、体内、特に上部消化管と下部消化管の中で長く感染力を持続することが多いため、COVIDから完全に回復したと感じている人でも、回復過程でウイルスを殺す根治治療(イベルメクチン、オゾン、ビタミンC、過酸化水素噴霧療法など)を受けていなければ、上記URLにある記事のアドバイスに従うことをお勧めします。

COVIDワクチン接種の数週間後に血液の顕微鏡検査を行ったところ、全く無症状の人でも赤血球の病的な粘性の顕著な証拠が見られています。こうした粘性をできるだけ完全に解消するためにも、何らかの生物学的酸化療法と併せてビタミンCを(可能であればヒドロコルチゾンと一緒に)適用することが正当であることは明らかです。

また、消化管内にしつこく居座る病原体を排除する場合、特に重要となるのは過酸化水素の噴霧療法です。消化管は、COVIDなどの病原体が急性感染症の臨床的解消後も最も長く居続けることができる「病原体の宝庫」です(Levy、2021)。

ビタミンCとヒドロコルチゾンの投与に関する一般的ガイド

各文献で詳しく考察されているとおり、細胞生理学におけるビタミンCの重要性と、体内でのビタミンC産生を妨げる肝臓内の後成的欠陥を組み合わせて考えれば、どんな人もサプリメント摂取計画に1日数グラムのビタミンC摂取を含める必要があります(Levy、2002)。

ビタミンCのRDA(推奨1日摂取量)は男性が90 mg、女性が75 mgとされていますが、そんなわずかな量では最適な健康状態を手に入れて維持することはできません。最適な1日摂取量は、上記の100倍を超える値にずっと近いでしょう。進行した酸化ストレスが見られる期間中に必要なビタミンC量は、上記RDAの1,000倍を超えることもあります。

ビタミンCの多角的な投与方法に関する詳しいガイドは、Thomas-Levy-Guide-To-The-Optimal-Administration-of-Vitamin-C.pdfを参照してください。

正常な健康状態に戻し、異常な臨床検査値を正常に戻すという臨床目標はよく、上記のガイドで概説されている様々なビタミンC補給方法の多くによって達成されるのですが、容易に正常化することができない臨床状態もいくつかあり、その場合はヒドロコルチゾンを加えて細胞内ビタミンC濃度を最適化することで大きな効果が得られます。

また、ビタミンC治療のプロトコルで最初からヒドロコルチゾンを適量追加すれば、無駄な手順を省きながら細胞内の健康状態をできるだけ速く最適化することができます。以下に記載する推奨方法はどれも健康管理認定医が行いその指示に従う必要があります急性疾患でも、慢性疾患でも、治療プロトコルで推奨されている方法が他にあれば、それに加えて下記の方法を行います。

急性感染症の場合:

ビタミンC点滴療法を選べる場合
25〜50 gのビタミンC点滴にて毎回50 mgのヒドロコルチゾンを加える(または点滴開始後にIVプッシュ法で入れる)、またはビタミンCの量を減らし(7.5〜25 gを点滴またはIVプッシュで投与)、合計25〜50 mgのヒドロコルチゾンをシリンジで投与する方法があります[Riordan-Clinic-IVC-Push-Protocol]。

経口ヒドロコルチゾンしか利用できない場合は、ビタミンCの点滴またはIVプッシュを行う約1時間前に20 mg経口投与する必要があります。このタイミングにより、ヒドロコルチゾンとビタミンCの各血中濃度のピークを同期化できます。急性感染症(通常1〜2週間以内)が解消されるまでこの方法を続けます。

ビタミンC点滴療法が選べない場合:

リポソーム封入型のビタミンC [www.livonlabs.com] 5 gと、アスコルビン酸ナトリウム粉末4〜6 g(小さじ山盛り1杯)を水やジュースに溶かして飲みます。臨床反応を見ながらこれを1日数回繰り返します。他の形態の経口ビタミンC剤でも同様の用量とします。毎回のビタミンC投与時にヒドロコルチゾンを5〜15 mg経口投与します。ヒドロコルチゾンの経口摂取を無期限に続けるつもりであれば、ヒドロコルチゾンの1日累積摂取量が15 mgを超えないようにするのがベストです。

慢性感染症・慢性疾患の場合:

慢性感染症や慢性疾患の患者は、治療開始前(ベースライン)ならびにストレス関連での血中コルチゾール濃度を調べる検査を受けるのが最善策です。そうすれば、治療開始前の状態ならびに急な酸化ストレスを受けた状況下の両方でコルチゾールを十分産生できる基本的な力が副腎にあるのか確かめることができます。

提案しているビタミンCとヒドロコルチゾンの組み合わせは誰にでも有効ですが、そうした検査を行うことにより、この種の抗酸化物質のサポートをいつまでもこの上なく必要とする患者をうまく特定できるかもしれません。細胞内ビタミンC濃度を最適にすることは、生涯の治療目標の一つと考えなければなりません。

慢性感染症や慢性疾患の患者の治療は個別性が高いので、決まった推奨方法というものはありません。ビタミンC点滴を受けられる頻度の重要な決定要素は、利用可能性、利便性、費用です。長期の治療プロトコルの初期の部分にあたるなら、「急性感染症の場合」に記載されている推奨方法を採用し、2週間後にビタミンC /ヒドロコルチゾンを経口投与する方法を用いても良いでしょう。ビタミンC点滴を断続的に、しかし無期限に行う場合は(ガン患者に月1回以上行う場合など)、常にヒドロコルチゾンを追加することも考えられます。

経口型ビタミンCの毎回の摂取時にヒドロコルチゾンを5 mg、1日3回を限度として(1日合計15 mg)経口摂取するという単純な方法でも、多くの患者に役立つ可能性があります。ただし、上記の可能性はすべて、患者ごとの臨床反応と連続的な血液検査結果を入念に追跡し、経口ヒドロコルチゾン錠剤を処方することができる医師や医療専門家による指導がなければ実現しません。ビタミンCとヒドロコルチゾンの併用には数々のバリエーションが考えられます。

まとめ

ヒドロコルチゾンは、体内の細胞へのビタミンC取込みを促進する上で積極的役割を果たします。どの細胞も根本的な健康状態は細胞質にあるビタミンCの状態に直接反映されるため、体内のすべての細胞のビタミンC濃度を最適化できる手段があれば必ず注目すべきです。

また、ビタミンCとヒドロコルチゾンはいずれも、存在する抗炎症物質の中でも最も有効で自然に利用できる物質であることが立証されています。ヒドロコルチゾンには細胞へのビタミンC取込みを増大する能力があることが、強力な抗炎症特性を誇る一番の理由と思われます。

きわめて高用量のビタミンC投与であれば、助けを借りなくとも細胞内ビタミンC濃度を最適化できますが、それほどの大量投与に賛成する医師はあまりいません。ビタミンCの用量を減らしてヒドロコルチゾンを併用する方法であれば、ビタミンC療法で最適な健康状態が得られる患者は大幅に増える可能性があります。


(OMNSの寄稿編集者であるDr. Thomas E. Levyは、内科と心臓病学の認定専門医です。弁護士でもあり、コロラド州およびコロンビア特別区での弁護士資格を得ています。この記事に示されている見解は著者によるものであり、必ずしもOMNSの編集審査委員会の見解とは限りません)