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オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(みぞぐちクリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

ビタミンCは放射線傷害を防ぐ

■日本の栄養医学

福島原発で過酷な放射線暴露を受けながら作業にあたっている人々の癌リスクは、ビタミンCをはじめとする抗酸化物質を補給することによって大幅に低下した。32~59歳の男性16名が放射能汚染地域で5~6週間にわたって作業し、汚染水の回収、放射能レベルの測定、重機の操縦、がれきの撤去に当たった。採血を実施して、全血算および血液生化学的検査のほか、血漿中遊離DNAおよび癌関連遺伝子47種の発現を測定した。

現場入り前にビタミンC(25,000 mg)点滴療法を受け、作業期間中も抗酸化サプリメントの服用を続けていた作業員4名には、遊離DNAにも全癌リスクにも有為な変化が認められなかった。

ビタミンC点滴による予防をしなかった作業員3名は、癌のリスクスコアが増大していた。2カ月間にわたってビタミンC点滴を続けたほか、抗酸化栄養サプリメントを服用したところ、遊離DNAは正常値に戻り、癌のリスクスコアは有意に低下した(1)。

このように重要なことが臨床的に示されたことによって、ビタミンCの経口摂取または点滴静注による予防により、約20年前に実施された研究で、放射性ヨウ素131をマウスに注射しても精子頭部の生存率が高かったことが裏付けられる形となった(2)。

αリポ酸およびビタミンEの経口摂取により、チェルノブイリで放射能を浴びた子どもの尿中放射能および酸化ストレスが抑えられている(3)。さらに、ほかのビタミン、ミネラルおよび抗酸化栄養素についても、放射線防護作用に関する試験が多数実施されている。

■日本語版OMNS

うれしいお知らせがあります。OMNSが日本語でも読めるようになりました。2月1日より、OMNS-JPN?http://iv-therapy.jp/omns/?にてオンラインで無料でアクセスできます。Googleをはじめとする主な検索エンジンから上記サイトへアクセスすれば、日本人1億2500万人が日本語で読むことができるようになっていることが確認できます。

われわれ編集局には、多くの優秀な日本人の仲間をお迎えしています。柳澤厚生医学博士が日本OMNSの編集長であります。博士は日本の点滴療法研究会の代表を務め、オーソモレキュラー名誉会員の一人でもあります。編集局のメンバーにはこのほか、北原健氏、溝口徹医師、齋藤糧三医師および姫野友美医師がおられます。OMNS編集長Andrew W. Saul, Ph.D.から、日本の読者諸氏に向けて?http://iv-therapy.jp/omns/news/2.html?にて歓迎のご挨拶をさせていただいています。

日本は、高用量栄養療法、ビタミンC点滴療法、ゲルソン療法をはじめ、有効かつ安全な方法の栄養医学を取り入れるという点では先端を行く国であります。

オーソモレキュラーについて自国で得られる情報がもっとほしいという熟練の翻訳者の方や、そのために我こそはという方がおられれば、下記電子メールアドレス宛てにご連絡を下さい。

我々は、あらゆる言語でよいニュースを知ることができればと思っています。

omns@orthomolecular.org

 

参考文献:

1. Yanagisawa A. ビタミンCおよび抗酸化物質が放射線による福島原発作業員の遺伝子発現に及ぼす作用 全文無料ダウンロードはこちらhttp://www.doctoryourself.com/Radiation_VitC.pptx.pdf
2. Venkat R. Narra, Roger W. Howell, Kandula S. R. Sastry and Dandamudi V. Rao. J Nucl Med,1993. Vol. 34 No. 4, p 637-640.?http://jnm.snmjournals.org/content/34/4/637.long

3. Korkina L, et al. チェルノブイリ原発事故で放射線の影響を受けた小児を対象にした抗酸化治療 Biochem Soc Trans,1993. 21:314S. PMID: 8224459?http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=8224459

日本語訳監修:柳澤 厚生(点滴療法研究会・国際統合医療教育センター)