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オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(みぞぐちクリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

喘息とアレルギーへのビタミンC使用

Robert F. Cathcart III, MDによる高用量プロトコル

目次

    執筆: Andrew W. Saul編集長

    OMNS202359日)

    隣に住む女性がある日玄関までやって来て、5歳の息子がビタミンCのチュアブル錠を瓶の半分も食べてしまったと言いました。危険はないのか彼女が心配したのは当然のことです。何か症状が出ていないか聞くと、彼女は少し考えてからこう答えました-「そういえば喘息が治っていました」。喘息については、Robert Cathcart, MDが1日15,000~50,000 mgという量のビタミンCを8回に分けて摂ることを推奨していました。この医師は上記のような効果を何度も見てきたと報告しています。

    私がDr. Cathcartを初めて見たのはフィル・ドナヒューのテレビショーでした。博士は他の5人のゲストと一緒にステージに座っていました。ドナヒューはスタジオの観客席を歩き回り、観客に意見を求めながらそのコーナーを仕切っていました。番組の終わり近くに博士がビタミンCについて直接質問を受け、疾患治療を目的としたビタミンCの大量投与に特定した情報を紹介しながら回答しました。すると観客は騒然となり一斉に質問の手が上がりましたが、もう番組のエンディングの時間となり答え続けることはできませんでした。

    強い印象を受けた私は、この人の研究を読んで知るようになりました。アレルギーや喘息をはじめとする多くの症状について、彼はシンプルに、その治癒にどれだけのビタミンCが必要かという観点から見ていることがわかりました。

    私のクライアントに、まさしく「何にでも」アレルギーがある女性がいて、彼女はアレルギー検査で72種類の物質に陽性反応が出たそうです。私はそれほど深刻な状態は聞いたことがなく、彼女のアレルギー専門医もそのようでした。

    彼女はビタミンCの「大量」摂取ができるとその専門医は言いましたが、そのときの用量は恐らく1日1,000 mg程度で、何の効果もありませんでした。そこで私は、彼女のビタミンC用量を腸が耐えられる上限(腸許容上限量)に設定し、軟便を生じる寸前のところにビタミンC値を保つことを提案しました。結局、1日用量は40,000 mg近くになることがわかりました。

    彼女は体内に保てる限りのビタミンCを摂り、再検査ではアレルギー反応が出る物質の数はゼロになっていました。

    「ビタミンサプリメントは安全である。ビタミンサプリメントへの重篤な反応というのは見たことがない。私自身、1969年から摂っているアスコルビン酸の量はすでに2トンを超えている。私が腸許容上限量でのアスコルビン酸摂取を実践させた患者はすでに2万人を超えているが、何の深刻な問題も生じることなく、大きな効果が得られている」

    (Robert F. Cathcart, M.D., http://www.doctoryourself.com/omns/v02n07.shtml)


    ビタミンC、アレルギー、薬物反応について、2006年6月にDr. Cathcartから私個人にいただいた私信を以下に紹介します:

    私は、急性ならびに慢性のビタミンC欠乏症がなければアナフィラキシー様アレルギー反応は生じないと信じています。

    私がネバダ州のインクラインビレッジに初めて移ったのは1970年で、当時その地ではベータ溶血性連鎖球菌の感染症が流行していました。私は300人以上の患者に、ペニシリン、(許容上限量の)アスコルビン酸、ならびにアシドフィルス菌の投与を行いましたが、ペニシリンにアレルギー反応を起こす人は一人もいませんでした。

    私の認識では、以前にアレルギー反応を生じなかった患者の3%は次回の暴露時にアレルギー反応を生じます。ある日、ビタミンCを摂らずに他所でペニシリン投与を受けた男性が、体の至る所に典型的な蕁麻疹状皮膚発疹を生じた状態で来院しました。私はその機会を利用してアスコルビン酸ナトリウム20 gを静脈注射で投与したところ、15分で発疹が消えました。彼には腸許容上限量のアスコルビン酸摂取を指示し、また、良い医者がするようにベネドリル(かゆみ止め薬)をいくつか処方しました。その後発疹は再発しなかったため、彼は翌日、なぜベネドリルに無駄なお金を使わなければならなかったのか聞きに来ました。

    私はこれまで数多くの花粉症と喘息の症例に対処し、多くの喘息患者をステロイドから解放してきました。こうしたアレルギー反応がある私の患者が腸許容上限量のアスコルビン酸摂取を正しく行っていた場合は必ず、他の薬剤を使う必要性が大幅に減ったり必要が無くなったりしているのです。私は自分が花粉症で、アスコルビン酸の大量摂取により抗ヒスタミン剤を飲む必要がなくなったことが、大量投与療法を始めたきっかけの一つです。

    私の認識では、単核球症患者にペニシリンを誤投与した場合にペニシリンにアレルギー反応を起こす人は半分程度です。アンピシリンの場合は、ほぼ全員がアレルギー反応を起こします。私がこれを興味深いと思うのは、アスコルビン酸に対する腸の耐性を高めるという点で単核球症はトップクラスに入るからです。若年成人の場合、急性単核球症の罹患後数日間は腸が1日約200 gのアスコルビン酸に耐えられるという結果も頻繁に見られています。

    長年の経験による私の印象として、アスコルビン酸の経口投与とアスコルビン酸ナトリウムの静脈注射投与は、あらゆる種類の薬剤に対する反応を軽減します。この効果はとくに、ガンの化学療法を受けている患者において認められています。

    敬具
    Bob Cathcart


    2000年、Dr. Cathcartは私に、著作の発表にあたっては医学雑誌と商業メディアのことは忘れてインターネットに照準を絞るべきだと忠告しました。インターネットは偏見なく興味を持っている多くの人の心を直接動かす方法だからです。博士はいつも非常に親切に接してくれて、私は彼の著作物から多くを学びました。私が大学で講義をするなら、学生にDr. Cathcartの論文を読むのは絶対避けるよう、皮肉っぽく言うでしょう。なぜなら、それを読むと人生がこの先ずっと変わってしまうからです。私のように。

     Andrew W. Saulはオーソモレキュラー医学ニュースサービスの編集長を20年近く務め、著者または共著者として12冊、編集著としてさらに13冊の書籍がある。彼は医師ではない。非常に多くいるアレルギー専門医に親友がいるわけでもない。投薬などの治療法に変更を行う場合は事前にかかりつけ医に直接相談すること)




    さらに詳しく知るための参考文献:

    ・Swenson R. Dr. Robert Fulton Cathcart III: Pioneer in Orthomolecular Medicine.(Dr. ロバート・フルトン・キャスカートIII:オーソモレキュラー医学におけるパイオニア) Orthomolecular Medicine News Service, Apr 17, 2020 http://www.doctoryourself.com/omns/v16n24.shtml

    ・Cathcart RF. Vitamin C, titrating to bowel tolerance, anascorbemia, and acute induced scurvy.(ビタミンC、腸許容上限までの滴定、アナスコルベミア、および急性誘発性壊血病)http://www.doctoryourself.com/titration.html

    ・Cathcart RF. The Method of Determining Proper Doses of Vitamin C for the Treatment of Disease by Titrating to Bowel Tolerance.(疾患治療のためのビタミンCの適正用量を腸許容上限までの滴定によって測定する方法) J Orthomol Psychiat, 10:125-132. http://orthomolecular.org/library/jom/1981/pdf/1981-v10n02-p125.pdf

    ・Dr. Robert Cathcart, vitamin C pioneer.(Dr. ロバート・キャスカート:ビタミンCのパイオニア)
    オンラインビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=VkkWDDSti_s

    ・Vitamin C Library(ビタミンCライブラリー): http://www.ecotopia.com/vitaminc/

    ・Vitamin C, Titrating to Bowel Tolerance, Anascorbemia, and Acute Induced Scurvy.(ビタミンC、腸許容上限までの滴定、アナスコルベミア、および急性誘発性壊血病)http://www.doctoryourself.com/titration.html

    ・Stone I (1972) The Healing Factor: Vitamin C Against Disease.(治癒要因:疾患に対するビタミンCの効果) Grosset and Dunlap, New York. ISBN-13: 9780448116938.https://vitamincfoundation.org/stone/ または https://archive.org/details/healingfactorvit00ston

    ・Dr. Cathcartが2008年、オーソモレキュラー医学の殿堂入りを果たすhttp://www.orthomolecular.org/hof/2008/cathcart.html

    ・同年、Wikipediaで彼の経歴ページが急に削除されるhttps://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Wikipedia:Articles_for_deletion/Robert_Cathcart&oldid=361560177 .

    ・これに関する追加レポートを見るには下記サイトをスクロールダウン:http://orthomolecular.org/resources/omns/v06n18.shtml 

    ・Dr. Cathcartについてさらに詳しく知るには: http://www.doctoryourself.com/biblio_cathcart.html