ビタミンCと敗血病 広まった情報は戻せない

17.06.08 オーソモレキュラー医学ニュース

オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(点滴療法研究会)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)姫野 友美(ひめのともみクリニック)
齋藤 糧三(日本機能性医学研究所) 北原 健(日本オーソモレキュラー医学会)
翻訳協力西本貿易株式会社ナチュメディカ事業グループ

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

Thomas E. Levy, MD, JDによる論評

(OMNS、2017年5月24日) 感染症には様々なものがあるが、ビタミンCはどんな感染症の消散にも役立つ莫大な効果があることは、そうしたテーマを扱った大量の査読付き論文を調べる努力を多少なりともしたことがある人なら全く驚かない。しかし、医療従事者でも、専門家以外の人でも、ビタミンCに治療能力があることをよく知っている人は、比較的少数にとどまっている。

医療関係のマスコミも、一般のマスコミも、この極端に重要な情報を消費者に伝えない姿勢を貫いている。それどころかマスコミは、厚かましい嘘によって「裏付け」られた虚偽的な記事を相変わらず作っている。ビタミンCには効果がないだけでなく、毒となる恐れや腎臓を損なう恐れがある他、数々の医学的問題を引き起こしかねない、というのが彼らの本質的な主張である。

ビタミンCは、どんな摂取量でも定義どおりの毒性はなく、高額でもないこと、そして、主流の薬剤ではほとんど反応が得られていない数々の疾患を軽減することが、既成の事実からわかっている。毒性があり、高価で、大抵は最小限の効果しか得られない処方薬と比較すれば、ビタミンC療法の価値と有効性について、真実の報道を委ねられている者が、なぜずっと認識せずにいるのか、ましてや、なぜそれを握りつぶすのか、理解するのは難しくないはずである。

医師も、医学出版社も、マスコミも、経済的既得権益にいかに影響しようと、常に新しい情報を受け入れなければならない。

ICUでの高濃度ビタミンC点滴

バージニア州ノーフォークにあるイースタン・バージニア・メディカル・スクール(東バージニア医科大学)のDr. Paul Marikが、進行性敗血症や敗血症性ショックと診断されて集中治療室(ICU)に置かれた担当患者に、あるプロトコル(治験実施計画書)を用いていることが、最近、主流メディアにて、テレビでも紙上でも報じられた。敗血症は、全身性の感染症であり、その感染自体と、低血圧に続発する血流低下の両方によって急速に進展し、低血圧(性ショック)と多臓器不全の状態に至るものである。

現在、敗血症は、入院患者の死亡原因として最もよく見られ、その患者の死亡率は通常30~50%で、毎年世界中で何百万もの命が奪われている。

ビタミンCと感染症に関する多くの論文の内容をすでに知っていたDr. Marikは、2016年1月、担当のICUで敗血症による危篤状態にあった48歳の女性に対し、少量のヒドロコルチゾンとチアミンを投与すると共に、高濃度ビタミンC点滴(IVC)を試してみることにした。本人の弁によると、「翌朝出勤した時には彼女が亡くなっているだろうと予想していた」。こう断言した上で、「だが翌朝ICUに入ったとき、ものすごい衝撃を受けた」と加えた。その患者は、驚くほど良くなっており、その後、順調に全快に至ったのである。

Dr. Marikは節操のある医師で、自分とスタッフがはっきり目にしたことを否定しようとはせず、その後7カ月にわたり、さらに47人の敗血症患者に対して立て続けに、ビタミンC / ヒドロコルチゾン / チアミンを用いた自己のプロトコルを実行した。その前の7カ月間に、この新しいプロトコルを用いず治療した敗血症患者を対照群とし、このプロトコルを施した患者群で得られた結果を遡及的な方法で比較することにより、単純に生存転帰を調べたのである。

30%あった死亡率が1%に低下

Dr. Marikが示した結果は、控えめに言っても、驚くべきものであった。このプロトコルを用いて治療した47人の患者(=治療患者群)のうち、生き延びなかったのは4人(8.5%)だけであった。一方、対照群では47人中19人(40.4%)が死亡していた。治療患者群では、誰も臓器不全を発症せず、全員がプロトコル開始後およそ24時間以内に昇圧剤(血圧上昇を助ける薬)を断つことができた。

また、Dr. Marikは、治療患者群で死亡した4人は全員、敗血症関連のショックではなく、各自の基礎疾患によって死亡したとも述べている。この研究以降、彼は、重症敗血症患者と敗血症性ショック患者の治療数を150まで増やしたが、そのうち、敗血症そのもので死亡した患者は1人だけであった。敗血症の標準的な治療プロトコルを用いた場合の死亡率が30~50%であったのに対し、こうした小規模な治療患者群で高濃度ビタミンC点滴 / ヒドロコルチゾン / チアミンによる療法を用いて敗血症関連の死亡率が1%未満になったというのは、奇跡以外の何物でもない。

こうした驚異的な結果をもたらし得る新薬がもし開発されたら、それは特効薬と呼ばれるだろう。

最近のインタビューでDr. Marikは、次のように所見を述べている:「この使用量でも、ビタミンCには絶対的な安全性がある。ビタミンCの添付文書には、合併症も、副作用も、注意事項も書かれていない。これまでガン患者に対し150グラムまで与えても安全性が確認されている。これは、我々が投与している量の100倍である。腎臓機能障害がある患者の場合は、シュウ酸値を測定しているが、すべて安全な範囲内であった。このプロトコルを施したどの患者にも、腎臓機能に改善が見られた。(協調部分は本人による) ビタミンCは腎臓の健康を脅かすという終わりなき攻撃もこれでおしまいである。続いて彼は、このプロトコルで用いているヒドロコルチゾンの量も全く安全であること、ならびに、このプロトコル全体がいかに安く済むかについてもコメントしている。

また、Dr. Marikは、危篤患者の血中ビタミンC値について、極めて低いか、検出不能のいずれかであると指摘している。これだけでも常にビタミンCの投与が正当化されることになる。体内に残っているビタミンCのこうした深刻な不足こそが、敗血症患者の最終的な死亡原因となることについて、科学的根拠に基づいた議論も可能である。

また注目すべきことして、Dr. Marikのプロトコルでは、4日間、もしくはICUから退院するまで、ビタミンCを6時間おきに1.5グラムずつ静脈内投与した。これよりはるかに大量のビタミンCを投与しても、安全性はこの用量の場合と変わらないことが、すでに証明されている。患者がすぐに良くならなかったり、さらに悪化し続ける場合にビタミンCの用量を増やすという選択肢を常に残しておくべきである。

情報はもう広まっている

法医学的に言えば、もう取り返しがつかない。Dr. Marikによるプロトコルの情報が、とくにテレビやインターネット動画で公に広まった以上、医師たちはもはや、どんな患者にも、こうした療法には効果がないとは言えず、ましてや、そんなものは聞いたことがないとは言えない。医師は、特定の疾患に対する最新の治療勧告について、相当の注意を払って勉強する義務がある。とくにこれは、その治療が 1. 安価である 2. 無毒である 3. 有効である場合に当てはまる。

治療が非常に高額であったり、有意な毒性があったり、その効果が疑わしい場合は、正当な法医学的議論をすることによって、そのような治療を保留することもできる。しかし、ビタミンCとヒドロコルチゾンとチアミンを併用したDr. Marikのプロトコルには、こうした斟酌は一切当てはまらない。

Dr. Marikが担当した一連の敗血症患者で得られたほどの劇的な結果がその後の研究で見られなかった場合、医師にできる防衛策としては、ICUで瀕死の状態にあり既存の抗生物質と支持療法に反応しない患者についてどうすべきか「相談」されたとき、この療法を施さないでおくため、尊大な態度とプライドを示すことくらいである。

完全に誤解のないように言うと、Dr. Marikのプロトコルが、他のいかなる望ましい療法にも取って代わりつつある、という議論は決してあり得ない。また、Dr. Marikのプロトコルが敗血症にいかに有効となり得るか議論が続けられ、その有効性を数値化するため「さらなる研究」が例によって強く求められたとしても、安価で無毒な療法を受ける機会をいかなる患者にも与えずにおくべきである、というのは正当な議論としてあり得ない。とくに、わずか数日後、また数時間後にでも死に至る危険が高い場合はそうである。

何かすごい物が安価で無毒であれば、「決定的な」結果を求めて何年も待つ必要はないのである。医学では、高度で明確に定義されていることが好まれるが、実際は、何かすごい物が、体に無毒でありながら効くことが多いということを、とにかく知りたい時もあるのだ。

必要となれば法的手段を取る

結論として、もし家族が敗血症のためICUで危篤状態となったら、すぐにDr. Marikのプロトコルを導入してもらおう。この選択肢が拒絶された場合は、結果として、その療法の開始を求める法的手段が即刻取られること、ならびに、もし愛する家族が亡くなった場合、医師本人を相手取った医療過誤訴訟が確実に起こることを、担当医師が理解しているか確認しよう。

ただし、訴えるのは、担当医師だけにしよう。なぜなら、医師というのは群衆心理があり、医療過誤訴訟や法医学的な異議申し立ての単独焦点となって死ぬほど苦しめられることを恐れるからである。

(この記事が最初に掲載されたNaturalHealth365 http://www.naturalhealth365.com から許可をいただき再掲)

(Thomas E. Levy, MD, JDは、内科医と心臓専門医の資格を持ち、コロラド州とコロンビア特別区では弁護士としても認可されている。10冊の著書があり、そのうち「Curing the Incurable: Vitamin C, Infectious Diseases, and Toxins(不治の病を治す:ビタミンC、感染症、毒素)」はすでに第3版が出ている。彼のホームページhttp://www.PeakEnergy.comには、医療の様々なテーマを扱った記事が数多く掲載されている。)

 

参考文献

Levy TE. Curing the Incurable. Vitamin C, Infectious Diseases, and Toxins.(不治の病を治す:ビタミンC、感染症、毒素) MedFox Publishing, Henderson, NV. Medfox Publishing; 3rd edition (2011).
http://www.doctoryourself.com/levy.html にレビュー有。

Marik PE, Khangoora V, Rivera R, Hooper MH, Catravas J. Hydrocortisone, Vitamin C and Thiamine for the Treatment of Severe Sepsis and Septic Shock: A Retrospective Before-After Study(重症敗血症と敗血症性ショックに対するビタミンCとチアミンの治療効果:遡及的事前事後研究), CHEST (2017), doi: 10.1016/j.chest.2016.11.036. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27940189/