サプリメントは安全である: それなら誰が嘘をついているのか?

16.09.07 オーソモレキュラー医学ニュース

オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(点滴療法研究会)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)姫野 友美(ひめのともみクリニック)
齋藤 糧三(日本機能性医学研究所) 北原 健(日本オーソモレキュラー医学会)
翻訳協力西本貿易株式会社ナチュメディカ事業グループ

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

執筆者: Helen Saul Case

(OMNS、2016年8月12日) 必須栄養素や必須ミネラルのサプリメントは危険であるため「薬剤と同じように」扱うべきである、という誤った考えをもって、またしてもマスコミは一般大衆を脅している[1]。(話は逸れるが、「薬剤と同じように扱う」という表現は、処方薬が危険であるという論点をまさに強化するものではないだろうか?)

間違った報告を不当に報道

朝のニュース番組が「大事なニュースだけ」伝えるというものであるなら、どうやらCBS(米国の民間放送局)は、そうした約束事にはほど遠かったようだ。
7月27日のCBSニュースでは、「栄養補助食品に警鐘を鳴らす新研究」というコーナーの最初で、「皆さんが摂っているビタミン剤をいくつか見直すことになるかもしれない新しい調査結果」と言い切った。確かに、これには気を引かれるのでないか。その「ニュース」がビタミンとは関係ないことを除けば。
「コンシューマー・レポート(米国の月刊誌)による新しい研究で、ビタミン剤、プロバイティクス、ダイエット補助剤を含む栄養補助食品に伴う健康上のリスクがまとめられた」とCBSは報じた。しかし、この「コンシューマー・レポート」の記事で、有害と思われるものとして挙げられた15のサプリメント成分のうち、ビタミン類は一つもなかった[2]。プロバイオティクスも含まれていなかった。それなのに何故、CBSはそうした言及をするのか?

CBSは、「コンシューマー・レポート」の副コンテンツ・エディターの言葉を引用している:「安全性と有効性が証明されていなければならない医薬品と異なり、栄養補助食品はFDAの認可を得る必要がない」。しかし、これも真実を述べてはいない。処方薬は「安全性と有効性が証明されていなければならない」のであれば、何故それほど多くの人が死に瀕しているのか。処方薬を指示どおりに服用することによって毎年10万人以上が死亡していることを、CBSは言い忘れている[3]。また、「サプリメントによる2014年の死亡件数はゼロである」という、米国中毒管理センター協会の最新レポートにも言及し忘れている[4]。その年が単に「良い年」だったわけではない。サプリメントの注目すべき安全性については、数十年に及ぶデータによって立証されている[5]。とくに、ビタミン剤とプロバイオティクスは、極めて安全である。

栄養補助食品が危険であるという主張を納得させるため、CBSは、カフェイン粉末を摂っていた若い男性の死にハイライトを当て、時間を割いた[6]。カフェインは刺激物であり、栄養素ではない。「カフェインと栄養素には共通点がほとんどない」と、Gert Schuitemaker, PhDとBo Jonsson, MDは言う。「栄養素はヒトの代謝を成すものであって、適切な健康維持に必要である」[7] 。CBSは、これには触れていない。すべてのサプリメントに暗影を投じているだけなのである。

栄養補助食品がFDAの認可対象となっていないことについては、FDAの認可が無くても、サプリメントの規制がないという意味ではない。実際、規制されているのである。

すべての栄養補助食品は規制を受けている

我々は、FDAの認可とFDAの規制を混同すべきではない。栄養補助食品は、FDAの認可を受けていないからと言って、「悪い」わけではない。逆に、FDAの認可を受けた調合薬が「良い」とは限らない。サプリメント会社には、自社製品の安全性を確実にすること、および正確な表示(ラベリング)を施すことの責任がある。そうしない場合、FDAには、いかなる種類のものであれ、危険な製品や虚偽表示がなされた製品を市場から締め出すことができる権限が常にあった。

繰り返し言うが、米国食品医薬品局(FDA)は、いつでも、どんなサプリメントでも、売場から消すことができるのである。間違いなくFDAはこの権限を行使する。米国保健福祉省(HHS)の長官であるTommy G. Thompsonはこう述べている:「健康に役立つより健康を害する可能性のほうが高い栄養補助食品が売買されることをFDAは容認しないだろう」[8]

「FDAは、製品としての栄養補助食品と、食品成分の両方を規制している。」 [米国食品医薬品局 http://www.fda.gov/Food/DietarySupplements/ ]

「コンシューマー・レポート」におけるバイアス

サプリメントに対する「コンシューマー・レポート」の否定的な記事には、利益相反が大いに関係している可能性がある。避けるべき15のサプリメント成分を挙げるための「基準を作る」助っ人としてコンシューマー・レポート側が選んだ「専門家」団をざっと見るだけでよい[9]。詳しく知りたい場合は、下記サイトを見てほしい: http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2016/08/09/consumer-reports-attacks-supplements.aspx

サプリメントは圧倒的に安全である

前述のCBS報道で、正しく行われたことが一つある。Council for Responsible Nutrition(米国有用栄養物審査会)の返答を引用したことであり、これは非常に信頼できるものであった:「毎年、1億5千万を超える米国人がサプリメントを摂っている…(中略)…圧倒的に栄養補助食品は安全であり、米国人が健康な生活を送る助けとして貴重な役割を果たしている」[10] 。

サプリメントは安全です、以上CBS。このように報道してほしい。

(OMNSの副編集長であるHelen Saul Caseは、The Vitamin Cure for Women’s Health Problems(「女性の健康問題に対するビタミン治療」)の著者であり、Vegetable Juicing for Everyone(「誰でもできる野菜ジュース」)の共著者でもある。最新の著書は、Vitamins & Pregnancy: The Real Story(「ビタミン剤と妊娠:本当の話」)である。

参考文献

1. http://www.cbsnews.com/news/dietary-supplements-health-risks-consumer-reports-15-ingredients-to-avoid/
2. http://www.consumerreports.org/vitamins-supplements/15-supplement-ingredients-to-always-avoid/
3. Starfield, B. “Is US Health Really the Best in the World?(米国の健康は本当に世界一か?)” JAMA 284(4) (Jul 26, 2000): 483-485. http://extension.oregonstate.edu/coos/sites/default/files/FFE/documents/us_health_care.pdf
下記も参照のこと: Lazarou, J., B. H Pomeranz, P. N. Corey. “Incidence of adverse drug reactions in hospitalized patients: a meta-analysis of prospective studies.(入院患者における薬物有害反応の発生率:前向き研究のメタ分析)” JAMA 279(15) (Apr 15, 1998): 1200-1205.
4. http://orthomolecular.org/resources/omns/v12n02.shtml
下記も参照のこと: http://orthomolecular.org/resources/omns/v11n02.shtml
5. http://orthomolecular.org/resources/omns/v03n04.shtml
6. http://www.cbsnews.com/news/dietary-supplements-health-risks-consumer-reports-15-ingredients-to-avoid/
7. http://orthomolecular.org/resources/omns/v11n10.shtml
8. http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/2004/ucm108379.htm
9. http://www.consumerreports.org/content/dam/cro/magazine-articles/2016/September/Consumer_Reports_Magazine_Methodology_Behind_15_Ingredients_to_Always_Avoid_9-16_Issue.pdf
10. http://www.cbsnews.com/news/dietary-supplements-health-risks-consumer-reports-15-ingredients-to-avoid/