ビタミン剤はアルツハイマー病の予防に役立つ

14.10.09 オーソモレキュラー医学ニュース

オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(点滴療法研究会)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)姫野 友美(ひめのともみクリニック)
齋藤 糧三(日本機能性医学研究所) 北原 健(日本オーソモレキュラー医学会)
翻訳協力西本貿易株式会社ナチュメディカ事業グループ

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またマスコミによって無視されたサプリメントの効果

(OMNS、2013年12月20日) 栄養として抗酸化物質とビタミンB群を補給すると、認知症の予防に役立つことがわかっている。認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病の場合、全症例の半分は、食事面ならびに生活習慣面での既知の危険因子に起因している可能性があり、現在の症例の少なくとも5分の1は、今すぐ予防できるものかもしれない。

しかし、予防研究を行う資金はなく、予防手段を実行に移すだけの政治的意志もない。これまでに、数百億ドルもの資金が薬の開発に費やされているが、この疾患の進行を止めるまたは遅らせることが証明された薬はまだない。しかし、アルツハイマー病の前兆である軽度認識障害がある人々の場合、アルツハイマー病の影響を受ける脳領域の萎縮率が、ビタミンB群によって約9倍低くなること、ならびに、記憶障害の速度も劇的に遅くなることが、すでに研究によってわかっている。その他の有望な予防因子として、運動すること、血糖と血圧をコントロールすること、オメガ3系脂肪酸を摂ること、社会的活動にもっと参加すること、などがある。

「これまでに英国政府が認知症の研究に提供することを約束した数百ポンドの資金のうち、予防の研究に使われたものはない」と、オックスフォード大学のDavid Smith教授は言う。Smith博士の研究グループが最初に突き止めたのは、60歳以上の人の半数近くは、ビタミンB12の量が、脳委縮の加速を止めるには不十分、ということである。アルツハイマー病は薬では予防できそうもないということに皆が気付く必要がある、とSmith博士は考える。

「ビタミンB療法によるアルツハイマー病関連灰白質萎縮の予防」: http://www.pnas.org/content/early/2013/05/16/1301816110.full.pdf+html

「ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸はアルツハイマー病の進行を遅らせることが研究で判明」: http://www.healthcentral.com/alzheimers/c/62/160989/vitamins-b12-shown-alzheimer/

「アルツハイマー病であることが確認された患者に見られる低ビタミンB12値の状態」: http://jnnp.bmj.com/content/74/7/959.full.pdf+html

栄養摂取と生活習慣改善によるアルツハイマー病の予防方法

魚を食べる – 週3~4回魚を食べ、脂分の多い魚(サーモン、サバ、ニシン、キッパー(ニシンの燻製)、イワシまたはマグロ)を2皿以上摂る。ナッツ類と種子類をもっと食べる。未加工のものが望ましい。

抗酸化物質を多く摂る  – 鮮やかな色の野菜とベリー類を6皿以上食べる。1日に、ビタミンEのサプリメント(天然のトコフェロールとトコトリエノールを混ぜたもの)を400 IU摂ること、ならびに、ビタミンCを数千ミリグラム摂ることは、どちらも良策である。

糖分と精製炭水化物を減らす – 血糖負荷の低い地中海式食事法を実践し、徐放性の「自然な(Whole=丸ごとの、手を加えていない、という意味もあります)」炭水化物を摂る。砂糖や、糖分の多い飲み物、ジュースは最小限に抑える。

ビタミンB群を摂る – ビタミンB6 (20 mg)、ビタミンB12 (500 μg)、ナイアシン (400 mg)、および葉酸 (400 μg)の補給は、賢明な予防策となる。ホモシステイン値が高い人は、脳萎縮を防ぐため、ビタミンサプリメントの摂取量をこれより多くする必要がある。

コーヒーを制限し、喫煙をやめる  – 代わりに、ハーブティーや緑茶を選ぶ。

体を動かす  – 新しい事を学んで、肉体的、社会的、精神的に活発な状態を保つ。

Ray Hodgsonは、上記の方法を試みている。ビタミンB群を摂り、食生活も改善し、魚と野菜と自然食品の摂取量を増やし、糖分を控えた。「その効果は注目に値するものであった」と彼は言う。「いろいろな名前を忘れていたり、新しい技能を身に着ける気にならない状態であったが、記憶力と集中力が良くなったのは間違いない。」

2010年に世界中で費やされた認知症関連の推定費用は、6,000億ドルを超えていた。認知症を予防すれば、人間の多大な苦痛を防ぐだけでなく、巨額の費用を削減することにもなる。

もっと詳しく知りたい場合は:
「ビタミン剤の高用量摂取によるアルツハイマー病への効果: なぜ今、医師はビタミン剤を勧めないのか?」: http://orthomolecular.org/resources/omns/v04n25.shtml

「アルツハイマー病のトランスジェニックマウスにおけるナイアシンアミドの認識力回復効果」:http://www.jneurosci.org/content/28/45/11500.full.pdf+html (PDFファイルのダウンロードには数分かかることがある)

ナイアシンがアルツハイマー病にいかに役立つ可能性があるか述べた記事は、ネット上でもっと見られる。例: http://www.alternative-medicine-digest.com/alzheimers-treatment.html

「ビタミンEとビタミンCはアルツハイマー病のリスクを低減する、という諸研究の結果」: http://www.cnn.com/2004/HEALTH/conditions/01/20/alzheimers.vitamins.reut/http://www.theglobeandmail.com/life/vitamins-e-c-cut-alzheimers-risk-study-says/article992961/

ビタミンEとビタミンC両方のサプリメントを毎日摂っている退職年齢のグループでは、アルツハイマー病のリスクが他より約80%も低いという結果が見られている。元の研究の全文:http://archneur.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=785249

Grant WB. (2014) Trends in diet and Alzheimer’s disease during the nutrition transition in Japan and developing countries (日本および発展途上国における栄養転換時の食事とアルツハイマー病における傾向). J Alzheimers Dis. 2014 Jan 1;38(3):611-20. doi: 10.3233/JAD-130719. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24037034

Dean C. (2007) The Magnesium Miracle (マグネシウムの奇跡). Ballantine Press. ISBN-13: 9780345494580