ビタミン・ミネラル剤がAIDSの死亡率を下げる(サプリメントを無視すると不要な死を生じる)

14.10.09 オーソモレキュラー医学ニュース

オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(点滴療法研究会)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)姫野 友美(ひめのともみクリニック)
齋藤 糧三(日本機能性医学研究所) 北原 健(日本オーソモレキュラー医学会)
翻訳協力西本貿易株式会社ナチュメディカ事業グループ

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

Andrew W. Saul編集員による論評

(OMNS、2013年12月17日) 26年前、仕事上のクライアントに、HIV陽性の人がいた(20代後半の女性)。彼女は、大酒飲みで、ドラッグを使い、タバコも吸って、食生活はひどく、一連の粗悪な人間関係もあった。健康状態が悪化していたので、絶望的になり、彼女はドラッグとアルコールの量を減らした。それでもタバコは吸っていて、質の悪い食事をし、大きなストレスを抱えていた。マルチビタミン・マルチミネラルのサプリメント摂取は不規則であった。それでも、ビタミンCは大量に、とてもきっちり摂っていて、その期間は20年を超えた。

26年後の今、医師が彼女の体を調べてもHIVは検出されない。彼女がHIVを持っていたはずはない、と今になって医師は言う。おそらく今でもHIVを持っていると思われるが、医師には見つけられないのである。彼女には何の症状もない。
カリフォルニアのRobert Cathcart, M.D.は、1日当たり最大200,000ミリグラムのビタミンCを用いてAIDS患者の治療を行っている。彼の所見によると、ビタミンCを非常に大量に摂取することにより、進行したAIDS患者でさえ、生存期間が有意に長くなり、症状もはるかに少なくなる。[1]

Dr. Cathcartがこれを発表したのは1984年、30年ほど前のことである。この臨床所見は、きわめて重要である。あまりに重要なので、Dr. Cathcartに関するウィキペディアの記事が丸ごと削除されたというのは信じ難い。彼の研究は、「実体がなさすぎて注目に値しない」と勝手に判断されたのだ。http://en.wikipedia.org/wiki/Wikipedia%3AArticles_for_deletion%2FRobert_Cathcart

ウィキペディアでさえ、下記の研究を無視するのは難しいかもしれない。
•1993年に発表されたジョン・ホプキンス大学での研究では、RDA(1日当たりの推奨摂取量)を超えるマルチビタミンサプリメント摂取により、AIDSの進行が遅くなり、進行を止める効果さえあることが証明された。この研究は、HIV陽性の男性281人を7年間調べたもので、サプリメントを摂っていなかったグループと比較して、彼の所見によると、ビタミン剤を摂っていたグループでは、新たなAIDSの発生数が約半分にすぎなかった。[2]
•2004年に発表されたFawzi他によるハーバード大学での研究によると、ビタミン剤は、AIDSによる死亡数を27%低減し、AIDSの進行を50%遅らせることがわかった。この研究論文の著者によると、「マルチビタミン剤は、CD4+細胞とCD8+細胞の数の有意な増加、ならびにウイルス量の有意な低下ももたらした。..(中略)..マルチビタミンのサプリメントによって、HIV疾患の進行が遅くなる」。[3]

実に興味深い話として、1984年、1993年および2004年に発表された各研究により、ビタミン剤を摂っているHIV感染患者は、末期のAIDSになる可能性が50%低いこと、ならびに、ビタミン剤を摂っているAIDS患者のほうが、生存期間が大幅に長く、症状もはるかに少ないことがわかっている。

このような話を、テレビで聞いたり、新聞や雑誌で見たことはあるだろうか? 大学の授業で聞いたり、医療職の人から聞いたことはあるだろうか?

 

そして最近、2013年に、Journal of the American Medical Association(JAMA=米国医師会雑誌)に掲載された新しい研究で、このことがさらにもう一度立証されている。HIVに感染している成人の場合、「マルチビタミンとセレンを含むサプリメントをただ1個摂って補給する方法は安全で、免疫力低下と病的状態のリスクが有意に低下した」。[4]

そう、これは、セレンを加えたただ1個のマルチビタミンサプリメントを用いた研究だったのである。

Harold D. Foster, PhDは、HIV・AIDSにはセレンとアミノ酸に加えて抗酸化剤を用いることを、10年前に提唱している[5-7]。しかし、JAMAに掲載された前述の新しい研究では、彼の研究に全く触れていないようである。

何カ月も、何年も、何十年も前から、世間では、マルチビタミン剤も他のサプリメントも摂る必要はないという話や、サプリメントには何の効果もないという話、サプリメントは有害であるという話、そしてサプリメントは死亡率を高めさえするという話を聞かされてきた。

要するに、世間にはずっと嘘をついていたのだ。何十年も。救えたかもしれない命がいくつ失われたのだろうか?

(Andrew W. Saulは、著者または共著者として12冊の著書があり、その中には Dr. Abram Hoffer との共著書が4冊ある。彼は、日本点滴療法研究会の役員であり、オーソモレキュラー医学会では名誉の殿堂入りを果たしている。)

もっと詳しく知りたい場合は:
Dr. Fosterによる好適な導入記事: http://www.doctoryourself.com/news/v4n12.html
Dr. Fosterとのインタビュー記事: http://www.doctoryourself.com/fosterinterview.html
Dr. Fosterの著書: What Really Causes AIDS(AIDSの本当の原因). Trafford; 2006. ISBN-10: 1553691326 and ISBN-13: 978-1553691327.下記サイトにて寄付目的でPDF版をダウンロード可: http://www.hdfoster.com/publications

Brighthope I and Fitzgerald P. The AIDS Fighters(AIDSと闘う人々). (絶版だが中古本市場で入手可。発行日に注意。) Keats Pub, 1988. ISBN-10: 087983482X and ISBN-13: 978-0879834821.

参考文献:
1. Cathcart RF. Vitamin C in the treatment of Acquired Immune Deficiency Syndrome (AIDS) (後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療におけるビタミンC) Medical Hypotheses, 14(4):423-433, Aug 1984. http://www.doctoryourself.com/aids_cathcart.html

2. Tang AM, Graham NM, Kirby AJ et al. Dietary micronutrient intake and risk of progression to acquired immunodeficiency syndrome (AIDS) in human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1)-infected homosexual men (ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)に感染した男性同性愛者における、食事性微量栄養素摂取と、後天性免疫不全症候群(AIDS)への進行リスクとの関係). Am J Epidemiol. 1993 Dec 1;138(11):937-51. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7903021

3. Fawzi WW, Msamanga GI, Spiegelman D et al. A randomized trial of multivitamin supplements and HIV disease progression and mortality (マルチビタミンサプリメントと、HIV疾患の進行および死亡率との関係を調べた無作為化試験). N Engl J Med. 2004 Jul 1;351(1):23-32. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15229304

4. Baum MK, Campa A, Lai S, et al. Effect of Micronutrient Supplementation on Disease Progression in Asymptomatic, Antiretroviral-Naive, HIV-Infected Adults in Botswana: A Randomized Clinical Trial (HIVに感染していて抗レトロウイルス療法歴がなく無症状であるボツワナの成人グループにおける、疾患進行に対する微量栄養素補給の効果:無作為化臨床試験). JAMA. 2013;310(20):2154-2163. doi:10.1001/jama.2013.280923. http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleID=1785464

5. Foster HD. Why HIV-1 has diffused so much more rapidly in Sub-Saharan Africa than in North America (サハラ以南のアフリカ地域で、北米よりはるかに急速にHIV-1が拡散した理由). Med Hypotheses, 2003 Apr;60(4):611-4.

6. Foster HD. How HIV-1 causes AIDS: implications for prevention and treatment (HIV-1がAIDSを引き起こす仕組み:予防と治療への示唆). Med Hypotheses, 2004;62(4):549-53. Review.

7. Foster HD. A role for the antioxidant defense system in preventing the transmission of HIV (HIVの感染予防において抗酸化防御系が果たす役割). Med Hypotheses, 2007. 69(6), 1277-1280.