スタチン剤に勝るナイアシン サプリメントと食事のほうが安全で効果的

14.03.18 オーソモレキュラー医学ニュース

オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(点滴療法研究会)
溝口 徹(新宿溝口クリニック)姫野 友美(ひめのともみクリニック)
齋藤 糧三(日本機能性医学研究所) 北原 健(日本オーソモレキュラー医学会)
翻訳協力西本貿易株式会社ナチュメディカ事業グループ

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

執筆者: Andrew W. Saul編集員

(OMNS、2013年11月14日) スタチン剤は誰にでも良いか? マスコミを信じるなら、また、製薬業界の思いどおりになるなら、答えは「その通り」である。米国小児科学会によると、8歳という幼い子どもがスタチン剤を飲んでいる可能性がある。具体的に言うと、「1つのグループとして、スタチン剤は、LDLコレステロール値が顕著に高い子どもと青少年において、LDLコレステロールを下げることがわかっている…(中略)…その対象は8~18歳の子どもで、使用期間は8週間~2年間であった。」
http://pediatrics.aappublications.org/content/128/Supplement_5/S213.full

おかしなことに、米国小児科学会のプロジェクトは、メルク・アンド・カンパニー社、ファイザー社、サノフィ・アベンティス社という製薬会社だけでなく、その他にもプロクター・アンド・ギャンブル社やネスレ社などの大企業からも現金を受け取っている。
http://www.aap.org/en-us/about-the-aap/corporate-relationships/Pages/Friends-of-Children-Fund-President%27s-Circle.aspx

スタチン剤は、大人に重篤な副作用をもたらすことがある。こうしたリスクがあることは、発達途中にある子どもの体にとっては、なおさら心配である。スタチン剤による副作用として考えられるものには、肝臓障害、CPK(クレアチンキナーゼ)値の上昇や筋肉の痛み・うずき・圧痛または筋力低下(筋痛症)、眠気、筋炎(筋肉の炎症)、稀ではあるが死に至る可能性がある、横紋筋融解症(筋肉の重度の炎症および筋肉の破壊)による腎不全、記憶障害、精神錯乱、人格変化または過敏、頭痛、入眠困難、不安、うつ、胸痛、高血糖およびII型糖尿病、胃酸逆流、口の乾き、膨満感・ガス・下痢・便秘を含む消化上の問題、吐き気や嘔吐または腹部のけいれん痛み、発疹、下肢痛、不眠症、 目への刺激、震え、目まいなどがある。

何とたくさんあるのだろう。そう、ここはアメリカ、病気のままでいる権利がある。確かに、スタチン剤を服用しようという忠告攻めに遭い続ける権利もあるし、自分の子どもに与える権利もある。小学2年生用のスタチンですか? 承知しました! ポテトもお付けしましょうか? マスコミやテレビコマーシャル、医学校、そしてとくに製薬業界はすべて、貴方とその家族に対し、製薬会社の薬を批判することなく毎日使ってくれる善良な医薬消費者になることを望んでいるのである。

しかし、薬を拒む権利もあり、栄養学にもとづいた代替手段を用いることもできるのである。スタチン剤に対して「ノー」と言っている研究者と医師、ならびに各自の反対理由を以下に掲載する。

W. Todd Penberthy, PhD (セントラルフロリダ大学 研究教授):
「ナイアシンは、既知のどんな薬剤よりも善玉コレステロール(HDL)値を高くすると同時に、総コレステロール、トリグリセリド、ならびに最も病原性が高い形態のコレステロール関連リポタンパク質(VLDL)の値を下げる。善良な医師は、循環器疾患のリスクを下げるためナイアシンを処方し、その使用方法について説明する。アテローム性動脈硬化の動物モデルを使った基礎研究実験では、判断基準となる対照としてナイアシンが用いられることが多い。臨床試験では、ナイアシンを他の市販薬を比較した場合に、ビジネスにとって最も望ましくない結果に至っているが、幸運な患者にとっては、最も有益な治療効果をもたらす結果となっている。」
「循環器疾患による死亡者は、他のどんな疾患よりも多い。したがって、製薬業界には、薬を作る上でとてつもない推進力がある。メルク社とシェリング・プラウ社は、医師たちを説得して、7年間で210億ドルかけてゼチア(エゼチミブ)を売らせた。しかし結局のところ、臨床試験で、ゼチアは動脈壁の平均厚さを増し、実際に心血管イベント(循環器疾患の発症)を増やすことが明らかになった。
普通のナイアシンは、処方による持続放出性のナイアシンと同じくらい効果があり、値段は30分の1である。(持続放出性のナイアシン製品は、3,000 mg摂る場合1日約15ドルかかるが、単純な即放性ナイアシンなら約50セントである。持続放出性のナイアシンのほうが、最初は紅潮反応を生じることが少ないが、普通のナイアシンを普通の用量で用いれば、結果的には紅潮がほとんどまたは全く生じることはなく、その他の効果もすべて変わらず維持される。ナイアシンが循環器疾患の治療に効果があることは明白である。

「『一番よく効くのは何か』という最も重要な問題に誰もが取り組むことは稀である。これは、とても素朴な疑問である。むしろ、現在の研究は、主に利益目的で行われているものが多すぎる。医療の動機が、「健康と改善のため」から「収入の大幅増加のため」に変容している様子を我々は目の当たりにしている。」こうした利益目当ての仕組みが、結局、善意のある幾多の医師の精神や目的意識を荒廃させている。

(上記は、許可を得て下記文献の序文を縮約し掲載したものである: Hoffer A, Saul AW and Foster HD. Niacin: The Real Story.

(ナイアシン:本当の話) Basic Health Pub, 2011.)

 

Robert G. Smith, PhD (ペンシルバニア大学 研究准教授):
「スタチン剤は、コレステロールを下げる可能性があるが、主としてその抗炎症作用と抗凝固作用によって、心疾患のリスクも下がる。しかし、スタチン剤には多くの副作用があり、非常に重篤なものもある。また、ほとんどの人は、心疾患のリスクが大きく低下するわけではない。コレステロールを下げる方法としては、ナイアシンのほうがはるかに安全である。心疾患を防ぐ上ではるかに有効なのは、腸の許容量までのビタミンC摂取(1日当たり3,000~10,000mgの分割摂取)、ビタミンE(1日当たり400~1,600 IU)、ナイアシン(1日当たり800~2,000 mgの分割摂取)、マグネシウム(マグネシウムキレート、クエン酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウム、塩化マグネシウム、1日当たり300~600 mgの分割摂取)で、これに加え、緑の葉野菜がたっぷり含まれていて獣肉の量は少しだけに抑えた良質の食事をすることである。

Thomas E. Levy, MD, JD (心臓専門医):
「コレステロールは毒素に対する保護剤であるため、コレステロールが低くなるほど、ガンのリスクは高くなる。1つの大病(冠動脈疾患)の罹患リスクと死亡リスクを下げようとして、別の病気(ガン)の罹患リスクと死亡リスクを大幅に高めてしまうべきではない
。」

Abram Hoffer, MD, PhD (自著 Niacin: The Real Story (ナイアシン:本当の話) より):
「ナイアシンは、有毒な分子やフリーラジカルによる損傷から細胞と組織を保護することにより、ガン患者の死亡率を下げる効果がある。ナイアシンは、体内でニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)に変換され、これが、ADP-リボースの生成を触媒するため体内で使われる。
「長鎖DNAが損傷を受けると、ポリ(ADPリボース)は、損傷を受けたタンパク質をほどくことにより、修復を助ける。また、ポリ(ADPリボース)は、DNAリガーゼの活性を高める。この酵素は、損傷を受けたDNA鎖を切り離し、発ガン物質にさらされた後の細胞の自己修復力を高める。」

Ralph Campbell, MD (米国モンタナ州):
「心臓専門医を集めたクリーブランドクリニックによる結論を、おそらく耳にしたことがあるだろう。彼らの目的は、LDLコレステロール値に狙いをつけることであった。LDLは(心疾患に直接)関係しているためである。LDL/HDL比やトリグリセリド値には言及していない。ここでも、ナイアシンはほとんど認められていなかった。スタチン剤には、横紋筋融解症や腎不全など、重篤な副作用がいくつかある。審査員団の中には、業界と金銭的なつながりがある者が大勢いる。しかし、『業界と何の関係も持たない外部の専門家で構成された大きなグループを見つけるのはほとんど不可能である。』 この後には(そう、実際に)、新しいガイドラインは確かな証拠に基づいていること、ならびに一般人はそれを信用すべきであるという記述が続いている。」

Carolyn Dean, MD, ND (自著 The Magnesium Miracle (マグネシウムの奇跡) より):
「ミネラルであるマグネシウムは、特定のレベルに達したときにコレステロールを抑制するよう、体が発達させた自然な方法である。
一方、スタチン剤は、そのプロセス全体を壊すために用いられる。体内に十分なマグネシウムがあれば、コレステロールは、ホルモンの生成および膜の維持という必要な機能に限定され、過剰に生成されることはない。」

Jorge Miranda, PharmD (プエルトリコ):
「スタチン剤は、病をもたらす薬の好例として私が挙げているものの一つである。コレステロールに固執すると、LDLの過酸化を正すことの重要性に対処することができず、また、ホモシステイン、LPa、CRPなど、原因となる他の多くのリスク要因を正すことの重要性も認識し損なうことになる。コレステロールが体内で形成されるのは、膜や、目のレンズ、ホルモン、ならびにCoQ10を含む他の多くの分子の形成に必要なためという理由を認識することが重要である。コレステロールが減れば、CoQ10が減り、これは、多数の機能に必要なエネルギーが減ることを意味する。その結果として、神経疾患や、ガンさえも生じる可能性がある。」

William B. Grant, PhD SUNARC(サンライト・ニュートリション・アンド・ヘルス・リサーチ・センター):
「スタチン剤を用いると、CoQ10の濃度が下がり、ミオパシー(筋力低下)を引き起こす。これは心疾患につながることがある。スタチン剤を服用している人は、この問題を認識し、CoQ10のサプリメントを摂ることを検討すべきである。」

Damien Downing, MBBS, MSB (英国):
「スタチン剤は、全体的に、冠動脈イベント(冠動脈疾患の発症)のリスクを約17%下げるという成果を上げている – しかし、これは相対リスクである。スタチン剤を毎日1錠飲むことにより、実際は、発症の可能性が約0.16%低くなる – これは、絶対リスクである。しかし、こうした数値は、救われた命の数を示すものではない。最近行われたメタ分析では、死亡率の低下は患者10,000人年当たり7人、つまり0.07%という無意味なものにすぎないことがわかっている。相対リスクと絶対リスクに対するスタチン剤の効果には、約2桁の差がある。街行く人に、冠動脈イベントのリスクが0.16%下がるというのは自分にとって『意味がある』かどうか、また、自分にとってスタチン剤を飲む価値があるかどうか聞いてみよう。スタチン服用者の最大10%に、筋肉の不快な副作用が生じており、この率は、服用者が運動をした場合、25%まで増える可能性がある。これは、心血管の健康状態を改善しようとしている人には役に立たない。しかし、「科学的根拠に基づく医療」のもとで受け入れられるための出発点は統計的有意性であるため、我々は、スタチン剤の効果が証明済みであることを認めることになる。世界全体でのスタチン剤の販売高に関するデータでは、現在、年間およそ300億USドルという勢いである。」

上記から、スタチン剤を支持する大量のメディア攻勢が行われている理由がおわかりであろう。しかし、製薬会社でないかぎり、薬は答えにならない。