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ナイアシン(ビタミンB3)の素晴らしい健康効果 vol.4

〜寿命延長、花粉症、二日酔い、統合失調症、うつ、不眠、脂質異常症、ダイエット、アンチエイジング〜

この記事の執筆者

法政大学 教授

医学博士。産業衛生専門医・指導医。社会医学系専門医・指導医。専門は予防医学、産業保健、分子整合栄養療法

ナイアシンは脂質代謝や血流改善、精神神経機能のサポートなど多面的な働きをもつ重要なビタミンです。本記事では、疾患治療や健康増進を目的とした適切な摂取量、効果的な飲み方と注意点を整理します。また、相乗効果が期待できるサプリメントの併用や、服用に注意が必要な体質・疾患についても解説し、安全で有効な活用法を紹介します。

ナイアシンのサプリメントの摂取量について

必須栄養素であるナイアシンは、50年以上もの長い期間、高用量(1日1,000~2,000 mgまたはそれ以上)で、きわめて安全に使用されています。必要以上にフラッシュに神経質にならないようにしてください。

始めは少量からにします。フラッシュが出て、数時間続くかもしれないことを考えると、夜に飲むというのがよいでしょう。

ナイアシンの飲み方と注意点

ナイアシンフラッシュが出ますので、ナイアシンアミド、フラッシュフリーのナイアシンなどを使いながら徐々に身体をならして行きます。フラッシュが出ると顔がほてったりすることもありますから、まずは人にあわないで済む夜、お休み前に飲むのが良いでしょう。

ナイアシンフラッシュの出方には個人差が大きいため、飲み方も一人一人フラッシュをみながらの調整が必要です。

しかも、同じ人であっても体調の変化により必要量が変わったり、フラッシュが出たり出なかったりするのです。

ですから、ご紹介する飲み方はあくまでも目安としてください。

フラッシュを抑える方法は、ビタミンCの摂取です。

ナイアシンを飲み始める前からビタミンCをしっかりサプリメントで摂りましょう。

ビタミンCは最低1日3g、私は大人であれば10gをお勧めしています。1gずつ細切れに摂るようにしてください。

1)脂質異常症、心血管疾患、統合失調症などの治療

これらの病気の治療には、高用量のナイアシンが必要となります。

第1ステッップ

  • ナイアシンアミド 500mg   1日3回 朝昼夜
  • ナイアシン  100mg〜500mg  1日1回 夜

第2ステップ

  • ナイアシンアミド 500mg   1日3回 朝昼夜
  • ナイアシン500mg   1日3回  朝昼晩

第3ステップ

ナイアシンアミドをナイアシンに置き換えていきます。最終的に

  • ナイアシン1000mg   1日3回  朝昼晩

第1ステップから始めて、少しずつ量を増やしていきます。

フラッシュが出にくくなったら

ナイアシンを朝、昼にも追加します。

ナイアシンが1日3回、500mgずつ飲めるようになったら、今度はナイアシンアミドをナイアシンで置き換えていきます。

ナイアシンだけで1日3000mg程度摂れるようになるまで調整しましょう。

ただし、この量も個人差があります。

フラッシュが気になりそうな方は、はじめは量が調整できるように100mgのナイアシン錠を購入し、慣れたら500mg錠に切り替えてください。

2)健康増進のためのナイアシンの飲み方

健康である方、少しだけ脂質の検査値が高い、というような場合には少しマイルドな量で効果が出ます。

第1ステッップ

  • ナイアシンアミド 500mg   1日2回 朝夜
  • ナイアシン    25mgから少しずつ増やす  1日1回 夜

第2ステップ

  • ナイアシンアミド 500mg   1日2回 朝夜
  • ナイアシン500mg   1日1回  晩

第3ステップ

ナイアシンアミドをナイアシンに置き換えていきます。最終的に

  • ナイアシン500mg   1日2回  朝晩 または
  • ナイアシン500mg   1日3回  朝昼晩 

第1ステップから始めて、少しずつ量を増やしていきます。

フラッシュが出にくくなったらナイアシンだけで1日1000mg~1500㎎摂れるようになるまで調整しましょう。

ただし、この量も個人差があります。

フラッシュが気になりそうな方は、はじめは量25㎎入りのサプリメントを準備し、その後調整しながら100mg、慣れたら500mg錠に切り替えてください。ただし、フラッシュは恐れる必要はありませんので、100㎎から始めて頂いても大丈夫だと思います。

繰り返しますが、量については、これが適量というものはありません。これ以上飲んだらだめ、ということもありません。ご紹介している飲み方もこれでなければだめというものではありません。個人差もあり、同じ人であっても体調による変化もありますので、あまり神経質にならず、朝フラッシュが強く出た場合に、その日おでかけであれば昼は飲まずに様子をみたり、逆にお休みの日の朝フラッシュが出たら昼さらに増量して飲んでみるなど、工夫をしてみてください。

ナイアシンをのんで気分が悪くなる人もいますが、徐々に慣れますので少量から少しずつ飲むようにしてください。

ナイアシンは水溶性ですから、多少多く飲んだとしても全く問題ありません。

今までに多くの患者さんからナイアシンの飲み方についてのご相談を受けてきました。そこで気づいたことがあります。

確かにナイアシンは素晴らしいものなのですが、健康で精神的にも問題のない方が、強迫的に量を3000㎎まで増やそうとしているケースが多くみられます。非常に不思議なことなのですが、無理にそんなに大量に飲む必要はまったくありません。

そもそもビタミンBは水溶性ですので、必要ない分は尿から排泄されてしまいます。必要なものは瞬時に使用されますので、フラッシュが出るということは、余っている、と考えることもできるかと思います。ですから重症の統合失調症の患者さんの場合にはフラッシュが出にくいのだと考えています。

必要ない人が、辛い思いをしてフラッシュを出しながら3000㎎という目標に向かって飲む努力をする、というのはおかしい話です。必要量は人によって、あるいは同じ人であっても体調によって異なるはずです。朝晩500㎎ずつ、1日で1000㎎摂れば十分な方も多いと思います。

強迫的にならずに、楽に飲める量を飲むようにしてください。

これはナイアシンだけに限らず、すべてのサプリメントについても言えることです。サプリメントも毎日の量がはっきりと決まっているわけではありません。そもそも食事の補充ですから、栄養たっぷりの食事を摂った日と、カップラーメンやファストフードのハンバーガーなどを食べて済ませてしまった日では必要量が異なって当然です。毎日必死の思いで飲まなければいけないものではありません。

サプリメントは病気の治療とは異なり、一生続けていくものですから、気負わず、楽に、適当に、飲み忘れても気にせずゆったりと構えて飲むようにしてください。経済的に余裕がない、ということであれば、ご自分の許す範囲で飲む種類や量、回数を調整して頂いても構いません。

ナイアシンサプリメントと同時摂取の望ましいサプリメント

ミヤリ酸(酪酸塩)はナイアシンと一緒に働いて、腸の炎症を抑え、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、大腸がんのリスクを下げることがわかっています。長寿の方の腸内細菌にはこの酪酸菌がたくさんいることがわかっています。

ぜひ、ミヤリ酸をナイアシンとともに摂取して頂きたいと思います。ミヤリ酸は、処方薬ではミヤBMというもので、整腸剤です。

ぜひ、ナイアシンとセットで飲むようにしてください。

ナイアシン服用に注意が必要なケース

①高血圧の薬を服用している人

多量投与で血管が拡張すると血圧が低下する可能性があります。血圧が下がりすぎると危険ですので、降圧薬を服用中の人は慎重に、少しずつ量を増やしてください。

②胃潰瘍などの消化管の潰瘍のある人

ナイアシンは酸ですので、潰瘍性疾患がある人は悪化する可能性があります。

③痛風(高尿酸血症)の人

ヒスタミンは尿酸値を上げることから、痛風の人も注意が必要です。血液検査で尿酸値を確認しながら服用してください。

④糖尿病

ナイアシンは血糖値を上昇させる可能性があります。ナイアシンを服用すると、糖尿病の発症リスクが上がる可能性が指摘されています(1)。

⑤脂質異常症(高脂血症)治療中の人

スタチンと一緒に服用すると、ミオパチーなどの副作用の発症リスクが上昇するという報告があります。

⑥肝機能障害

ナイアシンが肝機能障害を引き起こす可能性があるという研究があります。
たしかにナイアシンのサプリメントを摂ると一定の割合で肝機能検査の異常が認められるようです。GOT(AST)、GPT(ALT)の値が60~70程度に微妙に上昇しますが、他の値(γーGTPやLDH、ALP、LAPやビリルビンは正常です。

オーソモレキュラー医学ニュースによると、

「ナイアシンを飲むと肝機能の検査値があがるが、これは肝臓の働きが活発になっていることを意味しており、肝臓の障害を示すのではない」

とのことです。値が上がった場合には量を減らし、1か月後に再検査を受けてみてください。下がっているようであれば問題はないと考えられます。

ただし、肝機能が悪い方は少量から服用し、観察しながら増量するようにしてください。

体調不良時に服用すると思わぬ影響が出ることもありますので、体調不良の際には量を減らすなど調整をしてください。

栄養療法を学んでいる循環器の専門医はコレステロール低下作用のあるナイアシンを1日あたり3000mg摂るように患者に指導しています。

栄養療法の専門の医師は、長期間ナイアシンを大容量で飲んでいるケースが多いのです。ホッファー博士もナイアシンを愛用していました。博士の摂取量は1日4500㎎(1500㎎×3回)でした。

博士は91歳の長寿を全うしています。

【参考文献】

1) Goldie C et al. Niacin therapy and the risk of new-onset diabetes: a meta-analysis of randomised controlled trials. Heart 2016 Feb;102(3):198-203. doi: 10.1136/heartjnl-2015-308055. Epub 2015 Sep 14.

※本記事は宮川路子先生のホームページ『宮川路子の水素栄養療法』にて掲載された『ナイアシン(ビタミンB3)の素晴らしい健康効果』を、許可を得た上で転載しております。https://eiyouryohou.com/?p=2718

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